日本の風景 世界の風景

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リトアニア   Republic of Lithuania

2007-08-11 | 世界地理
杉原千畝が6000人のポーランド難民を救助
1940年、ヒトラーに追われたポーランドのユダヤ人は、隣国リトアニアに逃げ、各国大使館に難民申請をした。日本領事杉原千畝は、日本の外務省の反対にもかかわらず、ポーランド難民6000人に、日本通過ビザを発給した。ユダヤ難民はシベリア鉄道でウラジオストクに行き、そこから船で敦賀へ着いた。ユダヤ人6000人の終着は敦賀ではなく、敦賀からアメリカに1000人、中国に5000人が向かった。リトアニアに残ったユダヤ人は戦中は処刑され、戦後はシベリアで強制的に働かされ、苦難の中で多くのユダヤ人が生命を失った。
杉原千畝はユダヤ人6000人を救助したが、外務省の規律に違反した行動であった。戦後、帰国した杉原千畝は、外務省をクビになった。
その後、ユダヤ人団体が杉原千畝を称賛する声が日本政府にも聞こえたはずだが、外務省は知らぬふりを通した。
杉原千畝の名誉回復ができたのは、1991年(平成3年)、鈴木宗男外務政務次官の尽力による。

ロシア依存経済からの脱却が最重要課題
1991年にソ連からバルト3国が同時に独立した。2001年にはWTO加盟、2004年にはNATOとEUに加盟した。
リトアニアでは人口343万人の90%がリトアニア語を使い、カトリックを信仰するリトアニア人である。ギリシャ正教を信仰するロシア人は8%である。
隣国はロシア植民地カリーニングラードである。リトアニア人と、カリーニングラードのロシア人には、相互の通行許可証が発行される。
リトアニアにはロシアから原油がドルジバパイプラインで送られているが、ロシアとの政治的緊張が高まるたびに、ロシア政府はドルジバパイプラインの元栓を閉めて、リトアニアへの圧力を強める。ドルジバの意味は友好、であるにもかかわらず、リトアニアをロシアに従属させる政治的パイプラインである。
ロシアへのエネルギー依存体質を改め、EUに接近するため、エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト3国では、リトアニアに3国共同利用の大型原子力発電所建設を計画中である。

リトアニアのヤミ労働はGDPの20%
リトアニアでは土木・建設・農業・飲食業などにおいて、雇用主と労働者の了解で賃金や労働時間などの労働条件が決められる。雇用主も労働者も、税金・社会保障費用・残業への支出がないため、ヤミ労働は経営者・労働者ともに短期的には利点が多い。
労働者にとっては正規労働者よりは低賃金だが、公租公課の負担がないので、手取り給料は多い。雇用主にとっても、低賃金の労働力を確保できる利点がある。
ヤミ労働がGDPの20%以上と見られているのは、リトアニアとギリシャである。







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