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人月神話:「プログラマー」は労働者?芸術家?

2007-02-17 | マネジメント
弾氏のブログ404 Blog Not Foundから。

プログラマーって本当に労働者なのか?(一部抜粋)


確かに、労働者を「労働に対して対価を受け取る人」と定義するなら、アスリートもプログラマーも立派な労働者なのだけど、「その労力に比例して対価を支払う」という狭義の労働者モデルをあてはめるには、労力と生産の関係があまりに非線形なのだ。


この議論の端緒は分裂勘違い君劇場のこちらのエントリ。

プログラマの労働条件を過酷にしているのは、過酷な労働条件を受け入れるプログラマです


過酷な労働条件を受け入れるプログラマというのは、ダンピングをしています。
つまり、労働力の不当な安売りです。
本来、プログラマは、サービス残業を強要されたら、それを拒否すべきです。
あらかじめ無理なスケジュールだとわかっているプロジェクトも、拒否すべきです。
安い賃金で働くことも拒否すべきです。
それらを拒否せずに、受け入れるプログラマが多いから、他のプログラマまでそれらを受け入れなければならなくなるのです。
(中略)
結局、サービス残業や無理なスケジュールのプロジェクトを受け入れてしまうプログラマは、「抜け駆け」をしているのです。ズルして、会社や上司にこびを売っているようなものです。
これはダンピングです。不正競争です。(以下続く・・・)


このテーマについては、ホワイトカラー・エグゼンプションの議論に関連して以前のエントリでも触れておりますが、この問題を考える際のポイントは
「プログラマー」を一くくりにはできない
であると私は考えます。

先のエントリでのあかさたさんとの意見交換でも話題としてあがりましたが、一口に「プログラマー」といっても、例えばまるで数学の証明問題を解くかのような創造的な仕事を行う開発型プログラマーもいれば、それほど複雑でないコードを部品を組み合わせるように大量に生み出す生産型プログラマーもあります。また、「作る」仕事に携わるプログラマーだけではなく、既存のプログラム(システム)をお手入れするためにコードを修正し続ける運用保守をメインとしたプログラマーもいます。

弾氏がエントリ中で指摘している
5割増の残業手当を出されても書けない時には書けないものだし、逆に1日仕事が5分で終わってしまうこともある。それがプログラミングの世界だ。
というのは、「開発型」のプログラマー(エンジニア)が念頭に置かれていると考えれば、彼らへの期待成果は「今目の前にある課題を解決すること」であり、時間と生産性の結びつきが弱い分野とすれば、まさに仰るとおりであると感じます。

一方、分裂勘違い君劇場の中で指摘されている
結局、サービス残業や無理なスケジュールのプロジェクトを受け入れてしまうプログラマは、「抜け駆け」をしているのです。ズルして、会社や上司にこびを売っているようなものです。
というのは、「生産型」や「運用保守型」のプログラマーが念頭に置かれていると解釈すれば、これも仰るとおりと言うことになります。彼らに期待される成果は時間との結びつきが強い「一定の生産量」であり、独創的な解決策とは異なります。

以前のエントリの繰り返しになりますが、今の状況を見ていると「プログラマ・SEだから、個人の創造性で仕事をしているはずで、時間では成果が測定できない」という安易な意見がまかり通ってしまっているように感じます。その意味では、弾氏が指摘する
ことプログラマーに関しては、例のホワイトカラーエクゼンプションを適用するべきだと思う
という話しをあらゆるプログラマーに当てはめて考えるのは危険であると感じます。こと「単品製作のシステム開発」という多くのプログラマーが携わる分野においては、彼らに求められているのが主として「生産量」の部分であるという現実を考えますと、やはり「労働者」として考えるが自然であると私は考えます。


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