3月28日、垂水の森を守る会の皆様が参道にクロマツを奉納して下さいました。
まず拝殿で植樹奉告祭を執り行い、それから参道で植樹を行いました。
植えたところは、先日まで楠とマキが生えていました。
特に枯れてきたわけではありません。
参道のなかほどにあった楠は樹齢30余年。
元気に成長していましたが、落葉がおびただしく、また根っこが舗装を押し上げてひび割れ、敷石も持ち上げてきていました。
そこで安全面から伐根することになりました。
また一の鳥居横のマキは樹齢約70年。
こちらも鳥居や住宅を避けながらがんばって伸びていましたが、斜めに育ったため近隣から通りにくいとのご意見が出て、残念でしたが伐根することになりました。
3月22日早朝、どちらもお祓いをし、関係者の安全祈願をおこなってから作業にかかり、三日ほどかけて完全に地面から抜き取りました。
そして3月28日、楠とマキがあった同じ場所に新しいクロマツを植えました。
経済発展にともなう人口増加が始まるまで、垂水は水田と畑が広がる田園地帯でした。
明治の境内図を見ると神社の周囲に住宅はまったくありません
当時発行された絵はがきの写真を見ても、一の鳥居横にお茶屋があるだけで、松がうっそうとしています。
しかし時代の流れの中で垂水も変わりました。
参道脇は住宅が迫り、人が暮らしていくために、大きな木は邪魔、通行の妨げ、落ち葉が迷惑など、さまざまな理由でこのたびの植樹となりました。
新しいクロマツも大きくなると、また切らなければならなくなるかもしれません。
けれども、どれほど時代が変わっても、ここが神社という神さまをお祭りする場であることはかわりませんし、参道がお詣りのために通る道であるということもかわるものではありません。
垂水の森を守る会の皆さまの篤い敬神の思いも、やはりかわらず脈々と受け継がれています。
周囲の変化に対応しつつ、変わらずにある。
不易流行という言葉を感じる植樹祭でした。
垂水の森を守る会のみなさまに心から感謝申し上げます。
↓植樹の様子