人骨

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シートバッグを買ったよ(前)

2007年08月15日 | バイク雑談

とりあえず乗せてみたところ


夏のツーリングに備え、ラフ&ロードの「ロングツアラーバッグ80」(RR-5666)(以下、RR-5666と書きます)というのを買ってみた。

今までは「完全防水」が最大のウリであるモンベルの「ドライコンテナチューブ」Lサイズを使っていた。
しかし使用に際してはいくつか不満があった。そもそもこの商品はただの筒状の袋である。いわば封筒みたいなものだ。よって内部の収納性やバイクへの固定についての配慮は皆無なのだ。あくまで「レインカバー」的な位置付けなのだから仕方あるまい。自分の使用方法としては、全ての荷物をいったん別の旅行用バッグに収め、そのバッグをスッポリこの筒の中へ収め、しかるのちにゴムフックを使ってバイクへグルグル巻きにして固定するという具合であった。
はっきり言ってパッキングに1時間くらいかかる。毎朝キャンプから撤収するたびにこれだったから、目を覚まして出発するまでいつも2時間以上かかっていた。上のリンク先の画像はセローかなんかのシートにちょこんとスマートに積載していてシンプルで良さそうだがとんでもない、はっきり言ってあんな固定方法では荷物は1分で吹っ飛ぶ。何しろあの袋の中身の重さは多分15kgくらいになるんだから。要グルグル巻きが実際のところだ。内容物次第で袋がグニャグニャしてしまい、しっかり固定するのは難しかった。おまけにゴムヒモをピンピンに張る際に結構指を擦りむいたりする。それから、当然であるが積んだまま中の荷物の出し入れは一切出来ない。設営の際も、一旦全部荷物を降ろしたところでウッカリ酒の買い忘れ等に気付いて再度出かけたりしていると、文字通り日が暮れたものだ。

これらの難点を解決すべく、イワユル普通のツーリング用シートバッグが欲しかった。専用バッグならばバイクへの固定に専門のアタッチメントが用意されているため、下準備さえしておけばあとはワンタッチでいつでもOKという。またゴムヒモやネットを使わなくても固定出来るため、積んだまま荷物の出し入れも可能。キャンプ時もバッグそのものはバイクに固定しっぱなしでカバーをかけておくだけでも構わない。これなら設営および撤収にかかる時間も大幅に改善されるだろう。

購入に際しては色んなメーカーの色んな商品を実際に量販店で見て触って検討してみた(そしていざ購入の段になって通販でキメるというカス野郎である)。同様の商品の購入を考えているツーリングライダーの、選択の一助となるべく、インプレッション等を書いてみたいと思う。


※ ※


まず容量の選択について。今回選んだ80リットルというのは最大クラスである(モンベルのドライコンテナLサイズも80リットルと謳っている)。メーカーのカタログ等を見るとロングツーリング用では60リットルクラスからラインナップされているが、「キャンプするかどうか」でどのサイズを選ぶかが決まると言って良さそうだ。
すなわち、テントというものは、いくらコンパクトに畳めるヤツでも「魔法瓶」くらいの大きさにはなろう。これと寝袋(小さいミイラ型の方)だけですでにかなりの容量だ。これを積むかどうかで荷物の全体容量は激変する。

しかし「○○リットル」と言われたってビールじゃあるまいしピンと来ない。公称最大80リットルのRR-5666であるが、実際買ってからパッキングしてみるまではどれくらい入るのか分からなかった。余ってブカブカだったら困るなあという懸念もあった。
RR-5666は容量可変型で、普段は64リットルだそうだ。しかしバッグ本体左右のジッパーをそれぞれ解放すると8リットルずつポケットが現れ、都合16リットルの増量となる。この状態でMAXの80リットルが実現するとのこと。

試みに必要な物を全て詰め込んでみたところ、自分の場合は64リットルの状態でピッタリ収めることが出来た。具体的に持ち物を書き出すと、

「テント、寝袋、調理具、かっぱ、衣類(少年ジャンプ4冊分くらい)、スニーカー1足、折りたたみイス、洗面具、電気・工具類のハコ1つ(ティッシュ箱大)」

等。実際はオミヤゲやら何やらで荷物が増えることも多いだろうから、残り16リットルは予備として是非欲しいところだ。なお野営の必須品「銀マット」はバッグの外側に括りつけることが可能である。このバッグの他にタンクバッグを併用するが、とにかく全てがバッグの中に収まる寸法である。ゴムヒモやゴムネットは全く不要。
ただしぼくはキャンプで料理をしないため調理具は少ない(カップラーメン専門。湯を沸かすバーナーと小ナベのみ)。よって5日程度の野宿ツアラーとしては荷物は少ない方だと思っている。

結論としては、いわゆる本格的なキャンプを楽しみたいなら60リットルクラスより80リットルクラスの方が何かと便利そうだ。
だけどもし1泊~2泊程度で衣類や洗濯が必要ないなら60リットルクラスでも十分そう。
またテントは使わないで宿泊施設を用いるなら、60リットルあれば1週間ツーリングでも十分。サイフに余裕があるのならシートバッグはあえて60未満クラスの小さめのを選び、キャンプのロングツーリング専用にサイドバッグを用意しておいてこれで補うのも賢いやり方だろう。
自分の場合は80リットルでは多少もてあます感じもあるが、原則「大は小を兼ねる」で構わないと考えてるので選択は正解だったと思う。出発の段階では容量にやや余裕があるくらいの方が安心感もあって良い。実際晩飯の買出しって結構困るんだよね。
またバッグそのものがデカイので、スタイル的にはどうなのだろうかという心配もあった。結果は写真の通りで、見た目もソコソコだし決してバイク便ほどハデな荷物ではない。
かなり良いのではないかな。

でかいけど


※ ※


続いて商品選定について。これは好みの部分も大きいので参考程度にどうぞ。
60~80リットルクラスの商品をラインナップしている用品メーカーは、自分が調べた限りではラフ&ロードのほかモトフィズとゴールドウィンあたりが有名所だと思う。

目を引いたものとして、RSタイチで60リットルクラスながら筐体に樹脂製のケースを用いて完全防水を謳う「テールトランク」なる商品がラインナップされていた。専用バッグの代わりにホームセンター等で売っている収納ケースを使う人もいるが(ぼくは未経験)、これに近い使い勝手が得られそうで興味があった。しかし現物を見ると…デザインがかっちょ悪い!小学生の遠足用のリュックサックそっくりであった。RSタイチのバッグ類全般に言えそうだが、どこか小学生の遠足っぽくて垢抜けない。また中身は当然であるが通気性ゼロ。中を覗いたらモワっときた。夏はちょっと危険な予感もする…。

続いてモトフィズの「キャンピングシートバッグ」。最大75リットルの容量。これはRR-5666と遜色の無い出来ばえだが、やっぱりデザインがどこか小学生っぽいのがイマイチだった(せめて中学生ならなぁ…)。

ゴールドウィンのキャスターつきバッグは、88リットルという業界ナンバー1の容量を誇るほか、把手とタイヤが付いて名前の通りスーツケースのようにゴロゴロ転がして運搬できたり、筐体上部を取り外してそのままデイパックにして使用できたりと、至れり尽くせりの最強アイテム。しかしいかんせん高い!

最終的にRR-5666を選んだ理由は、ゴールドウィンがベストと思ったけど高すぎるうえ自分が世話になる通販店では扱いがなかったため、ラフローとモトフィズと比べて消去法で選んだものである。ラフローはほかにもたくさんバッグが出ていて選択肢が多かった。RR-5666は同社最大の容量もさることながら、ボストンバッグふうの円筒型のデザインも中々好きだし、付属のレインカバーもかなり質が良さそうだ


※ ※


最後にVTRへの装着方法である。実はこれが問題であった。「メーカー側が想定しているリアシートの形状」と、VTRのそれは、かなり乖離している様子だ。

このバッグは結構奥行きがあるので、狭いVTRのシートに載せるには、シートカウルの後の端っこまでいっぱいに使って置かざるを得ない。そのためにはしっかり後方(社外品ナンバープレートフック)へ向けて引っ張らなければならないのだが、取り説通りの取り付け方法ではこのナンバーフックとの距離が「たるみすぎ」である。
冒頭の写真でも、リアのバックルとナンバーフックが非常に近いことがお分かりいただけると思う。希望としてはここのクリアランスは限りなくゼロにしたい。だが取り説通りでは最低でも5cmほどのクリアランスをベルトが要求してくる。するとバッグが運転席までつんのめってしまうのだ。

バッグ側に付いている固定用のバックルは「前中後×左右」の6箇所。うち「中×左右」の2箇所は予備扱いであり、アタッチメント類は「前後×左右」の4箇所分しかない。リアシートが狭いためバッグとの接触面積が少ないし、フックにも乏しいVTRに取り付けるには、6箇所全てをフルに活用しないとおぼつかない感じだ。

よって付属している4箇所用のアタッチメントベルトは「長さは余りまくり」なのに「個数が足りない」の様相である。
とりあえず付属のアタッチメントのみを用いて固定することも出来るが、いずれにせよ取り説にはとらわれず、与えられた道具を実車に合わせながら、頭を使うことが必要だ。ツーリング前日までに一度取り付け方法を確認し、自分にいちばん適した取り付け方を習得した方が良いと思う。

なおVTRのシートを初めて外した時はシートカウルごと外れてしまって誰でもおったまげるから、むしろバッグではなくVTRの方がオカシイのかも分からない。


※ ※


というわけで、固定のためのアタッチメントベルトをVTR専用に自作することにした。
勘の鋭い方はお気づきかもしれないが、「自作」と決まった時点でぼくの頭の中で脱線事故が発生している。
もはや「快適なツーリングのため」という目的を離れてとにかく作ることに精一杯、ありがちな本末テン倒だが作業そのものが目的と化す。まあ楽しければどうでも良かろう。
自分の作った専用ベルト及びその取り付け方法については、次回紹介しようと思う。

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10 コメント

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おっと (のこのこ)
2007-08-17 13:20:42
シート幅が狭い(だからステキなんだけど)、荷物をとめるフックが乏しい、どうやってセットするの?

と突っ込もうとしていたら、やはりそこは人骨先生。もうすでにセカンドステージへお進みです(笑)

ブイコは「(後ろに)人も荷物も乗せんな」という風体で(言いすぎ)苦労します。実際荷物を落としたこともあるし・・・。

明日、どうしてもブイコでスイカ(1個)を運ぶことになってしまい、どうやって後ろに乗せようか、考え中。「輪投げ」みたいなゴムの「輪」でもあれば最高かも知れないけど、一般家庭にあれはないし(笑)。

結局、背中に担いでいくしかないようです。
カッコ悪っ!!!
潔さが (人骨)
2007-08-17 17:27:55
VTRの信条というか取り柄ですよね。
メットホルダーが「針金」だし。
もし「ナンバープレートフック」

(上から見てこういう形の…→  [   )

を装備してないなら、これはマストですよ!

荷物を落とした?それは単なるパッキングミス、ブイコのせいにしちゃァいけないよォ m9(・∀・)ビシッ!!

ということでスイカを吹っ飛ばして大慌てしないように。

手渡す時に、お腹に入れて「妊娠しちゃった!」
で「ホラ」ってスイカ出して手渡すギャグやってください!(まじ)
それやりたいけど (のこのこ)
2007-08-17 21:11:25
かりに、前にスイカをしょってその上から着る「ゆとりのある服」がありません(笑)
ってか、うちの近所が「スイカの名産地~」で、かなりビックなスイカのため、(だったらバイクで運ぶなっ!!)タンクにあたりそうです(真剣に状況を考えている人)

弟がバッテリーを持ってきてくれるので、実家に移動しなきゃいけないんだけど(スイカはそのお礼)、やつ、○エスユ○サバッテリーの「お客様クレーム係」でありながら、私に「クレーム品」を送ってきたらしく(汗)、先日取り付けてみたけどダメだったのよ~。

「クレーム係りがクレーム品送ってきてどうするっ!」とうちの父親も苦笑してる始末です。

無事、取り付けできますよーに!!


あっ、言い忘れてたけど、(ってかいまさらだけど)シートバック、かなりかっこいいと思うよっ!!
スイカの名産地 (人骨)
2007-08-17 21:31:25
そういう歌がありましたね、昔。なんでしたっけ「♪きれいなあの子のおっぱい」とか歌詞でしたっけ?

> あっ、言い忘れてたけど、(ってかいまさらだけど)シートバック、かなりかっこいいと思うよっ!!

大丈夫、もう遅すぎるから!

っていうか普通に網ネットとか持ってないんですか、スイカ固定?

バッテリーは…旦那君がお詳しいでしょうから大丈夫とは思いますが、ちゃんと希硫酸を入れましたか?ほんとに不良品?失礼な詮索だったらお詫びしますが、ブレーキパッドに靴墨を塗るようなのこのこさんだからつい老婆心を…
ひどいわ~ (のこのこ)
2007-08-17 21:46:55
ネットあるよー、しかもMとL。(Sではない)
でも「まん丸」よ!スイカって。
「♪きれいなあの子の~」・・・・・どうしてもオッパイにつなげたいのね~(笑)

なに?希硫酸って(汗)弟の話では「活性化されてる」って言ってたけど(ダメだったんだけど)、希硫酸を入れること=活性化されている、ってことなのかしら?

靴墨はわすれましょー(笑・・・というより恥)

注入済みだったのかな? (人骨)
2007-08-17 22:04:45
MFバッテリーって、最初に「ビッ」てシールを剥がして、すると穴が6つ現れて、その穴に、こう液体が入った筒(付属品)をブッツリ刺して…っていう作業だと思ってたんだけど、ただ取り付けるだけでOKっていうヤツもあると聞きます。何も付属品が無かったのなら後者でアタリなのかな?すみませんよくわからないや。弟君に聞いてください(放棄)

「おっぱい」って素晴らしいじゃないですか。想像しただけで幸せな気持ちになれるし、ひとり寂しい時やツライ時に、ぼそっと「おっぱい…」ってつぶやくと元気が出ます。
ほとんど「南無阿弥陀仏」です。
キャンプツーリング積載について (Tom)
2009-02-23 22:45:52
始めまして!
シートバックカッコイイですね・・・
今年こそ長距離ツーリングキャンプに出かけよう
と計画しているのですが、このシートバック直接
取り付けているのですか?キャリアが付いている
様にも見えますが?
又、キャンプツーリングの際はやはりこのシート
バックをメインなのでしょうか?(BOXとか利
用する)
Tomさま (人骨)
2009-02-24 19:43:24
こちらこそはじめまして、コメントありがとうございます。お答えいたしますね。

このシートバッグは、タンデムシートからシートカウルにかけて、直接載せているだけです。キャリア等は使っていません。
製品の仕様で、底に樹脂製の中敷きが仕込んであって、ある程度までは箱型を保持したまま自立できます。
ただ、ベルトでギュッと固定すると、きれいな箱型は崩れて、シートの形に沿ってアーチ型に歪むことになります(シートからはみ出す左右の部分が垂れ下がる)。

キャンプツーリングの際のバッグは、もちろんこれがメインです。これ以外にはタンクバッグしか持っていません。
それで足りるのか余るのかは、結局は荷物の容量次第ということになってくるかと思います。
私が入れている荷物のおよその目安は、本文に書いてみた通りでございます。

以上、ご参考になりましたでしょうか?!
キャンプツー (Tom)
2009-02-24 21:27:39
ご丁寧なご返答有難うございました
早速私もこのバック購入検討致します。
何処かでお会い出来るといいですね・・・
Tomさま (人骨)
2009-02-28 08:42:21
もし必要でしたら、採寸とかいたしますよ!いつでもおっしゃってください。

> 何処かでお会い出来るといいですね・・・

きっとどこかでお会いできると思います!

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