PENTAX MZ-3
2012年12月 K-5II DA18-135mmで撮影
昨年くらいから一眼レフに夢中です。初めてのカメラ選びは難航しました。選んだのは、デジタル一眼レフの入門機、ペンタックスK-r。ダブルズームキットだったので、18-55mm、55-300mmの、それぞれプラスチックマウントのおまけレンズが着いてきました。
選択の決め手になったのは3点。
1.単三乾電池(×4)でも駆動可能
(デジカメはエネループ派だったので、安心感がある)
2.父親がかつてペンタックスユーザーであり、過去の遺産が貰えそう
(マウントが違うことは、この時は知らなかった)
3.友人がペンタックスユーザー
うち上記3については趣味音楽ユニットグループの相方小豆君を指しますが、彼女がレンズとか既に持ってて、それをぼくに貸してくれないかなーとか思ったんですが、後に判明するに彼女は標準キットズームしか持っていなかったばかりか、逆に彼女が私に「人骨さんレンズ買って、私が借りるから」とか言いだしたので、それはすぐに完全に封印シャットアウトしました。ぼくは本当に大事なモノは決して他人に貸したりはしません(ちなみに後日ジャンクで集めたニコイチの余り物の方のタクマー55mmを彼女に一個与えた)。
ということで、最初に買ったK-rは1年チョイで20,000ショットほどを叩きだし、相当の練習台となりました。そして早くも寿命を迎えました。保証期間中にも酷使による故障が2回(シャッター故障、レリーズボタン接触不良)、保証期間終了後になってスグにまた別の故障(高速シャッター幕動作不良)を起こしたので、有償修理するくらいならいっそ、と思って買い替えました。
K-rを未練もなく売っぱらって次に買ったのが、同じくペンタックスK-5IIです。レンズキットで買いましたが、今度はDA18-135mmという便利ズーム付きです。同時に発売されたローパスフィルターレスのK-5IISには手が届きませんでした。そう、もはやペンタックスから離れられません。何故なら、よく言われるように、カメラは「レンズが資産」なんです。集めたレンズだけは、本体を換えても使い回しが効くんです。
(なおK-5IIは、単三乾電池はでかいバッテリーグリップを付けないと使えません。が、もはや要りません。K-rで付属充電池の性能を良く知ったので、単三とは決別できました。)
さて、初号機K-rの使用中には、以下のような勉強をしました。
まずは絞り・シャッタースピード・ISOのそれぞれの関連や特徴や用途といった露出の基本を勉強し、とりあえず意図にオヨソ近い絵をサッと撮れるようになりました。
続いて、メンテマニアの本領発揮と言うべきか、父親保有のオールドレンズ(ペンタックスM42マウントの通称タクマーレンズ)を3本ほど譲り受け(28mmF3.5、55mF1.8、150mmF4)、それらがいずれもカビが生えまくって使い物にならなかったところ、全て分解洗浄し復活させ、M42アダプタを介して現代のPENTAXデジタル一眼で使用できるようにしました。
これにより単焦点レンズの写りの良さに目覚めてからは正常進化的に現行のレンズを買い足したくなり、「FA50mmF1.4」「DA35mmF2.4」「FA28~105mmF3.2~4.5」という主に安くて明るめのレンズどもを買い求めました。
さらには純正ストロボAF360FGZを購入し、ストロボ撮影の基本的なところを勉強しました(主にバウンス撮影によるのっぺりした照明としての利用や、ワイヤレスで操作して暗闇に新たな光源を作る方向で)。
それから最近は構図とか何とかを勉強しています。構図とは、要するに絵の世界です。キャンバスのどこに何をどう描くか、どうバランスして配置するか。ファインダーを覗きながら、自分が絵筆を持って向かう「画用紙」を想像するのは、中々に難しいものです。失敗作ばかりしか撮れません。日々勉強しております。それが醍醐味と思います。
たとえば何が主役なのか分からない、下半分が無駄に広い。
そういうことに撮る時に気付くのは、けっこう難しい。
2012年正月K-r DA35mmで撮影
K-5IIに持ち替えてからまだ日が浅いのですが、EV-3(周囲の明るさが、かなり暗い状態)から合焦可能なAFセンサーや、AFの自動11箇所の精度の高さなどに感心しているところです。しかし、カメラはレンズが資産ゆえ、ボディは適当にくたびれた頃に新しいのが出たら買い換えるのでしょう…。そう言う意味では遠慮なく酷使できます
そんな中、あるきっかけから銀塩カメラを始めました。冒頭の写真がそのカメラです。
フィルム時代の一眼レフは、リサイクルショップで2000円とかでジャンク箱に転がってます。私は一応保証付きの中古カメラ店で買いましたが、それでも数千円です。
フィルムカメラは、当然昔コンパクトカメラでやっていました。ヒロスエの「ダイスキ」に出てくるスピード写真の時代です。
モノクロフィルムの現像やプリントを自宅で遊びながらやっていましたっけ。
何故今さら銀塩なのか?私の場合理由は1つでして、懐古主義ではなく画角の問題です。
現在、デジタル一眼でも、従来のAPSサイズからフルサイズセンサーモデルの普及が進んでいます。
フルサイズとはなにかと言いますと、要するにイメージセンサーのサイズ(フィルムで言う処の、フィルムひとコマ分のタテ×ヨコの大きさ)が、APSフィルム(小)ではなく35mmフィルム(大)と同じ大きさってことです。
それになんの意味があるのかって言うと、それがフィルム時代から続くカメラ・レンズの本来のサイズであるんです。
本来のサイズとAPSで何が違うのかというと、同じレンズ使っても画角が異なるのです。
つまり、現在普及してるAPSデジタル一眼カメラは、「フィルムひとコマ分のタテ×ヨコの大きさが、小さい」のだと思ってください。小さいとどうなるか。写る絵が、トリミングされちゃうんですね、だって小さいんだから。ファインダーを覗いた時点でトリミングされています。
私が揃えたレンズの多くが、フィルムカメラ時代のものです。それらのレンズをデジタル一眼(APS)で覗く絵よりも、フィルム時代であればもっと広い画角で見えていたのだろう。そう考えると、一度フルサイズで使ってみたくなるわけです。例えば、FA50mmF1.4は、APSで使うと、やや望遠気味です。それが、フルサイズで使用すれば標準レンズになります。APSで標準レンズというとDA35mmになりますが、開放Fが2.4と暗い。少し奮発してFA35mmだとF2ですが、それでも50mmF1.4よりも一段暗い。つまり、APSでは標準レンズ域に、かつてのようにFが2より明るいレンズが存在しないのです。
ということで、私は、「かつてフィルムカメラのために準備されていた本来のレンズの仕様を味わってみたい」と思っただけなわけです。
別にフルサイズ(=フィルムサイズ)が絶対とは、思いません。
ペンタックスでは今のところフルサイズ機はありませんし、過去10年にわたってAPSサイズのデジタル一眼を販売し続けたことから、現在販売中のレンズもそういうラインナップになっています。
なぜ今世間でフルサイズが騒がしいかと言うと、今年からペンタックス除く各メーカーのフルサイズデジタル一眼がかなり値段を下げてきた(それでも20マンとかだけどね)ため、庶民の手が届く範囲に来たことが一番の理由でしょう。猫も杓子もフルサイズ、フルサイズという感じで、カメラ雑誌とかはフルサイズ一色です。
しかしですよ。別に画素やら解像にこだわりがあるわけでもなく、良い絵が撮れれば何でも良いと思ってる私としては、「フルサイズなんて、フィルムカメラで良いじゃん」と考えるわけです。上述のように、画角の違い、すなわちフィルム時代のレンズ販売時に各焦点距離域に配置されていたラインナップの本来の画角にのみ、興味があります。
いずれペンタックスからもフルサイズが出るかも分かりません。が、それはその時でまだ先の話。当面はK-5IIのAPSサイズセンサーをメインで使用し、フルサイズの画角を用いて当時ものレンズを楽しみたい時だけフィルムを引っ張り出せば良いかな、と思っています。
2012年12月 MZ-3で撮影。FA28-105mm。
というわけで、このMZ-3という銀塩カメラは1997年販売開始のモデルです。銀塩カメラていうと、こう金属製でズッシリしてて、フィルム巻き上げは手動レバーで、革製のストラップで、というイメージだと思いますが、私は銀塩末期のメカニカルな高性能モデルの方が興味あります。
MZ-3は自動巻き上げのオートフォーカスモデルながら、オールドカメラさながらのダイヤル配置が一番の魅力です。シャッタースピードが右ダイヤルに、ISO(昔はASA)と露出補正が左ダイヤルにという、ペンタックスSPみたいな配置。これまたSPを思わせるシルバーボディは安っちいプラスチック製ですが、代わりにめっちゃ軽いです。デジタル一眼の最大のデメリットはクソ重たくデカいボディだと思いますが、これは本当に軽くそしてコンパクト。一眼を持ち出すのがこんなに気楽だなんて感動的ですらあります。
今後は、以前から興味のあったリバーサルフィルム(ポジフィルム)にトライしたいと思っています。
10年ぶりにDPEに現像依頼を出すと、有償ですがネガをデジタル化するサービスもあるのですね。
フィルムというメディア含め間違いなく絶滅の方向にある銀塩カメラですが、当面デジタルとフィルムの二本柱で行こうと考える次第であります。良いんです、趣味なんて楽しければなんだって。
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