「館蔭の杜」を眺めつ つれづれに

窓外の森を眺めながら時々の想いを綴る

新堰[取水口](根白石下町)

2015年05月24日 | 日記
根白石の街の郵便局裏手を流れている七北田川に「新堰」という用水の取水口がある。
仙台方面から根白石の街に入る最初の直角の曲がり角にこの「新堰」への案内版がある。



カーブミラーから右折して狭い砂利道を50メートルほど進むと眼前に幅広い堰が見えるが、ここが「新堰」である。



すく脇に、この堰に関する仙台市の説明書きが立っている。



堰の幅が約50メートルもあり、水の多いときの流れは壮観だという。

水路の総延長は延20数キロにも及び、七北田の将監団地付近の将監堤まで続く泉区最大の水路となっている。


この堰は、元は200メートルほど上流にあり、根白石、小角、実沢の三カ村の共同用水堤として利用されていたといわれる。


 ◆ 堰の上流を見たもの(遠く泉ケ岳が見える)

その後、下流にある野村、上谷刈、七北田、市名坂の農民の要請によりさらに延長されたものだといわれる。

延長にあたり、途中に根白石銅谷・村崎の両奥地から流れる八沢川があるため、実沢から野村方面には地上水路では通水が難かしいことから、八沢川西側から東側へ水を通すために、深く潜穴(くぐりあな)を掘って噴上通水(サイフォン)することを考えたものだという。

この噴上通水を可能にした隧道堀削法は、元禄年間に品井沼(松島町)の干拓工事を行った大越喜右衛門が設計した、稀れにみる巧みな工法だといわれている。


この新堰は以前は石積みでできていたが、災害に遭うたびに修復されて、現在の姿は平成16年に竣工したものだといわれる。


 ◆ 左岸奥に取水門があり遠く先にも門が見える。

取水口の対岸川下に回ってみると、取り込まれた水は幅1.5メートルほどの用水路を勢いよく流れていた。


 ◆ 200メートルほどの川下から取水口方向を見たもの
   水は満々と流れ、その奥には泉ケ岳が見えた。


 ◆ 川下を見ると水は淀みなく実沢方向へと流れていた。

※先般「八木沢神社」を見に行った時、神社の下に凄い勢いで水が噴出している所があったが、もしかするとこの「噴上通水」口ではないかと思われる。

なお、根白石周辺には、この潜り穴方式の堰が数か所あると言われる。