バイクライフ・バイクツーリングの魅力を北海道から。
聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
小林峠 春の夕景
小林峠は、札幌市中央区と南区の境目、札幌市のランドマーク藻岩山の東側を周る道道82号線にある、標高300メートル、小さいながらしっかりした峠です。
バイク乗りならば、札幌市の南、定山渓方向から、北西、小樽方向に抜けようとするとき、混雑する市の中心部を避けて、緑あふれるワインディングがあるなら、そちらを走りたくなるもの。小林峠は、そんなライダーにうってつけのちょっと小回りルート。ただし、時間的にはそんなに遠回りにはなりません。
春まだ浅い4月中旬の日暮れ時、小林峠を通りました。
峠から南区方向を見下ろします。見ているのは南東方向。穏やかに晴れた一日、近くの峠の下、「北の沢」はすでに日陰に入り、遠く真駒内南の駒岡清掃工場から向こうは、残照が当たっています。風もなく、清掃工場の煙が静かに真上に上がっています。空はほんのり茜色です。
「大和には 群山(むらやま)あれど
とりよろふ 天の香具山
登り立ち 国見をすれば
国原は 煙(けぶり)立ち立つ
海原は 鴎(かまめ)立ち立つ
うまし国そ 蜻蛉島(あきづしま) 大和の国は」(万葉集巻1)
(大和には、多くの山々があるが、美点をとりそろえている天の香具山に、登り立って国見をすると、広々とした平野には、かまどの煙があちらこちらから立ち上がっている。広々とした水面からはかもめがしきりに飛び立っている。すばらしい国だ。大和の国は。)(青木一男訳)
『万葉集』の巻の1、その冒頭から2番目にある、舒明天皇の歌です。
「燃えるゴミ」はどこかで燃やさなければならない。高温の焼却炉で一度に大量に燃やせば、小さい焼却炉で適当に燃やすよりも有毒ガスも出にくい。市民がきちんと分別して出していれば、ゴミやゴミを燃やす煙は、そこまで嫌うべきものでもないのかもしれません。
そんなことを考えて小林峠でぼーっとしていたら、気温はどんどん下がり、あたりもやがて暗くなってきました。
西側を振り向くと、低い切り通しの峠の向こうに、すでに陽は落ちたようです。まだ葉をまとっていない木々がシルエットとなり、影絵のような姿を見せています。
小林峠は比較的新しい峠。開かれたのは昭和40年代。そこにはやはり、人々の歴史があります。
今、この小林峠の下にトンネルを掘ろうという計画が進んでいます。
トンネルが開通し、車が通らなくなれば、この山もまた、昔の静けさを少しずつ取り戻していくのでしょうか。
暮れていく小林峠。頂上付近にはつい最近の熊の目撃情報を告げる看板が立ち、同時に街の喧騒はここまで届いています。
180万都市、札幌。その街の峠は、芽吹きの春を迎えようとしています。
バイク乗りならば、札幌市の南、定山渓方向から、北西、小樽方向に抜けようとするとき、混雑する市の中心部を避けて、緑あふれるワインディングがあるなら、そちらを走りたくなるもの。小林峠は、そんなライダーにうってつけのちょっと小回りルート。ただし、時間的にはそんなに遠回りにはなりません。
春まだ浅い4月中旬の日暮れ時、小林峠を通りました。
峠から南区方向を見下ろします。見ているのは南東方向。穏やかに晴れた一日、近くの峠の下、「北の沢」はすでに日陰に入り、遠く真駒内南の駒岡清掃工場から向こうは、残照が当たっています。風もなく、清掃工場の煙が静かに真上に上がっています。空はほんのり茜色です。
「大和には 群山(むらやま)あれど
とりよろふ 天の香具山
登り立ち 国見をすれば
国原は 煙(けぶり)立ち立つ
海原は 鴎(かまめ)立ち立つ
うまし国そ 蜻蛉島(あきづしま) 大和の国は」(万葉集巻1)
(大和には、多くの山々があるが、美点をとりそろえている天の香具山に、登り立って国見をすると、広々とした平野には、かまどの煙があちらこちらから立ち上がっている。広々とした水面からはかもめがしきりに飛び立っている。すばらしい国だ。大和の国は。)(青木一男訳)
『万葉集』の巻の1、その冒頭から2番目にある、舒明天皇の歌です。
「燃えるゴミ」はどこかで燃やさなければならない。高温の焼却炉で一度に大量に燃やせば、小さい焼却炉で適当に燃やすよりも有毒ガスも出にくい。市民がきちんと分別して出していれば、ゴミやゴミを燃やす煙は、そこまで嫌うべきものでもないのかもしれません。
そんなことを考えて小林峠でぼーっとしていたら、気温はどんどん下がり、あたりもやがて暗くなってきました。
西側を振り向くと、低い切り通しの峠の向こうに、すでに陽は落ちたようです。まだ葉をまとっていない木々がシルエットとなり、影絵のような姿を見せています。
小林峠は比較的新しい峠。開かれたのは昭和40年代。そこにはやはり、人々の歴史があります。
今、この小林峠の下にトンネルを掘ろうという計画が進んでいます。
トンネルが開通し、車が通らなくなれば、この山もまた、昔の静けさを少しずつ取り戻していくのでしょうか。
暮れていく小林峠。頂上付近にはつい最近の熊の目撃情報を告げる看板が立ち、同時に街の喧騒はここまで届いています。
180万都市、札幌。その街の峠は、芽吹きの春を迎えようとしています。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« 旅のバイブル... | 中山峠快晴 ... » |
きれいな写真ですね。
山を歩き、動植物や自然と向き合っている人ならではの言葉かと。
「野蛮」ではなく、「日常」の中の飼い馴らされた「景<色>」でもなく、自然の、本来の、という意味でしょうか。
私も仕事が忙しく、夕焼けを見たのは、本当に久しぶりでした。
ikuniさん、コメントありがとうございました。
山の自然と都会の街並み、相反するような景色がいい感じに調和しているように思います。
バイク乗りはホントの意味でのナチュラリストにはなれないのかもしれません。雨の匂い、ほのかな草の匂いも好きですが、オイルの焼ける匂いもやはり好きなのが、バイク乗りですから。
街と自然との間をどう走るか、それが私のライダーとしての、旅の課題かもしれません。
ひーろさん、コメントありがとうございました。