なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2) 価格:¥ 540(税込) 発売日:2010-08-28 |
以前より注目していた光市母子殺害事件。
通勤電車の中で本を読むことの多い私は、この本を買うのを最初は躊躇った。仕事帰りの電車内で暇つぶしに読むにはあまりにも重い内容だからである。
この事件は発生当時の被害者と同じ家族構成を持つ私には、とてもショッキングであった。
本中の当時23歳と11ケ月の母子が惨殺される場面は、自分が本村さんの立場であったらと想像すると平常心ではとても読めない。
こんな酷いことができる人間が世の中に本当にいるのか、またなぜ加害者が18歳であったというだけで死刑をまぬがれるのか、事件発生から10年以上経つがニュースを見て割り切れない気持ちになることが度々あった。
その後、2008年に差し戻し控訴審で死刑判決が出たが、現在も控訴中であり刑は執行されていない。
この本の”あとがき”で、現在加害者は29歳となり贖罪に目覚めた旨の記載があるが、やはり彼の犯した罪は許されるものではない。