Good Ball,"Strike!"

ボーイズリーグ、駆け出し「お父さん審判」の奮闘記です・・・

ボーク・ルールを厳格に適用すべきでしょうか?

2012年12月29日 16時41分29秒 | 日記
こんな質問をしたら、「君は、それでも審判員か?」とお叱りを受けるかもしれませんが、あえて自問自答してみたいと思います。
高校野球(夏の甲子園)の大会で【ボーク】によって勝負が決まってしまった試合があったことを記憶しています。
延長15回裏の攻撃、2対2の同点で走者は満塁、このとき、投手のボークにより3塁走者が生還し、後攻チームがサヨナラ勝ちとなりました。ビデオを見る限りは、投手には走者を騙す意図などなく、一瞬、驚いたのでしょう、キャッチャーからの2回目のサインに反応して、開始した投球動作を中断してしまいました。このとき、球審は躊躇することなく【ボーク】を宣告、3塁走者がホームインし、「さよならボーク」で試合が終了しました。
高校野球、ましてや甲子園に出場しているチームの投手ですから、「正しい投球とボーク・ルール」を熟知していたと思います。したがって、球審が躊躇なく【ボーク】を宣告したのは、当然のジャッジと思います。
しかしながら、このシチュエーションが小学部の大会で起こった場合、自分が球審ならどのようなジャッジをしたでしょうか?
もちろん、【ボーク】を犯しているわけですから、厳格にルールを適用するのが、非の打ちどころのない正解なのでしょうが、それでは、小学生にとっては、あまりに過酷な結果にも思えます。試合の状況にもよろうかと思いますが、選手の育成という観点からは、別のジャッジも有り得るのではないでしょうか?
他の誰かから、明確に指摘されてしまうと、【ボーク】を宣告せざるを得ないと思いますが、そうでない場合は、【ボーク】であることを見極めたら、「即座にタイムを宣告し注意を与える。ただし、2回目は【ボーク】を宣告する旨を投手に伝える。」ではいかがでしょうか?ベテラン先輩審判員のご意見をお伺いしたいところです。
練習試合やチーム内の紅白戦では、厳格に【ボーク】を見極めるように努めていますが、1回目は【ボーク】を宣告せず注意し、「なぜボークなのか」を説明するようにしています。
小学生のうちから「正しい投球とボーク・ルール」を身につけ、「投げて、打って、走って、捕って」、そして勝負を決めてもらいたいのです。

「正しい投球とボーク・ルール」を理解してもらうには・・・

2012年12月26日 17時34分47秒 | 日記
【ボーク】の場合は、塁上のすべての走者に対して1個の進塁が与えられるので、大変厳しいペナルティではないかと思います。ですから、投手は、「正しい投球」を身につけ、「ボーク・ルール」を充分に理解しておかなければなりません。
中学部ともなると、選手それぞれの適性や好みもはっきりしてきて、シートポジションもだんだんと固定化してくると思います。しかし、小学部では、多くの選手がいろんなポジションを経験することが多いのではないでしょうか?
小学生の場合、走者を騙す意図で、ボーク・ルールのぎりぎりのところで投球したり、牽制したりというのは、あまりないと思っています。それよりも、「正しい投球とボーク・ルール」を充分に理解できていないことや、ピンチのためにマウンド上で平常心を失っていることが原因で、ボークを犯してしまうことが多いのではないでしょうか。
ピンチに負けない強い心の醸成は、日頃の練習で培われていくものですので、本人の努力と指導者によるサポートが肝要と思います。
小学部で投手を経験する子供たちに「正しい投球とボーク・ルール」を理解してもらうことに関しては、審判員も、少しは指導者のお手伝いができるように思います。
次回は、試合において、「ボーク・ルールを厳格に適用すべきか?」について考えたいと思います。

躊躇しがちな【ボーク】の宣告

2012年12月22日 09時33分24秒 | 日記
正直に申し上げますと、【ボーク】の宣告が苦手です。
ボークを見極めるためには、まず、正しい投球と牽制球を理解しておかなければならないと思います。しかしながら、草野球程度の経験、ましてや投手の経験のない私にとっては、それらを理解するのは大変なことです。
「野球規則」には詳細に述べられていますが、如何せん、文章だけなので、なかなかイメージが湧きませんでした。
ビデオで、ジム・エバンスさんの「正しい投球動作とボーク」と平林岳さんの「ボーク・クリニック」を何度も視たり、高校野球観戦や大会での控え審判のときなど、できる限り多くの試合を観て、投手を観察しています。
・一塁への偽投
・セットポジションで静止後、肩やひざが動く
・セットポジションで完全静止しない
・牽制する塁に自由な足を踏み出していない
など、明らかにボークとわかるケースはよいのですが、微妙なケースの場合は、投手の心理が読めないので躊躇しがちです。
「野球規則」の八・○五原注には、
「ボークルールの目的は、投手が走者を意図的に騙そうとするのを防ぐこと。審判員は投手の意図に疑いを抱いたら厳重に規則を適用すべきである。」
と書かれていますが、投手経験がないと、なかなか投手の意図を読み取れないというのが本音です。
【ボーク】は、大変、奥が深いテーマですので、次回も取り上げてみたいと思います。


試合制限時間との闘い

2012年12月19日 17時37分04秒 | 日記
高校野球にはありませんが、少年野球には試合時間に制限があります。ボーイズでは、中学部は120分、小学部は100分です。(ローカル大会はこの限りではありませんが)
審判としては、選手のみなさんには存分にプレーしてもらいたいので、最終回まで到達できるよう、試合の経過時間を常に気にかけています。「あやういかな?」と思ったときは、両監督の了解を得て、イニング間の投球練習の球数を少なくしたり、ボール廻しをなくしたりしています。
さらに・・・
・打者はサイン確認時に打席をはずさないように(けっこう、できていない選手を見受けますね。)
・むやみに内野手が激励のために投手に歩み寄らないように
・ファール後のプレー再開をなるべく早くするように
・攻守交替時のキャッチャー防具の装着をなるべく早くするように
など、試合進行があわただしくならないように配慮しながらも、1秒でも多く、本来のプレー時間を確保できるよう努めています。
それでも、時には、子供たちに残酷な結果をもたらすのが、この「試合制限時間」のルールです。
後攻チームがリードしている状況での裏の攻撃中(つまりリードしている後攻チームの攻撃中)に時間切れで試合終了になったときは、審判といえども、やるせない気持ちになってしまいます。また、ローカル大会で採用されている「延長なし・抽選」による勝利チームの決定も、見てて辛いですね。
大会日程の関係から仕方がないのかもしれませんが、殆どの大会がトーナメント方式ですので、可能な限り、”野球”、で雌雄を決することができるようにしてあげたいと思います。
練習試合などを通じて、指導者の方々とも協力し合って、子供たちに、「スピーディーな試合進行」を心掛ける意識を高めていければと思います。

野球規則を熟知することの大切さ

2012年12月16日 11時00分12秒 | 日記
審判には、当然、野球規則を熟知することが求められますが、指導者、できることなら選手のみなさんも野球規則に精通されたらよいと思います。そんなに頻繁にはないと思いますが、”知っている”ことで、野球技術以外で相手に勝ることができる機会があるかもしれません。

比較的、身近な例では、インフィールドフライです。審判が宣告した時点で「打者アウト」となりますね。このとき、走者はフォース状態から開放されてインプレイの状態にあります。打者アウトはみなさんご存知ですが、後半のインプレイについてはどうでしょうか? 
当然インプレイですから、最前位の走者は野手の落球を想定してハーフウェイで次塁を狙えますし、守備者はボールを確実に捕球すべきですし、進塁に備えてのベースカバーも然りです。
小学部の場合は、野手の落球も有り得ますし、走者の進塁を想定していない場合が多いような気がしますので、走者に「次塁を狙うしたたかさ」があれば案外進塁できるのではないでしょうか?

アピールのタイミングが重要な場合があります。
打順の間違いに対する守備側のアピールは、タイミングによって処置が大きく異なります。
不正位打者が打席中の間にアピールしてしまうと「カウントを引き継いで正位の打者に交代する。」だけになりますが、不正位打者の打撃が終了した後、次打者に投手が投球する前にアピールした場合は、「不正位打者の打撃行為はすべて無効になり、正位打者はアウトとなり、正位打者の次打者の打撃からやり直し」となります。
もしも不正位打者が、ホームランを打ったとか、ヒットを打って塁上の走者が生還したとか、得点がはいったとしても、無効になります。
ということは、攻撃側は、打順の間違いに気づいたらすぐにタイムをかけて正位打者に交代させないといけませんね。得点がはいって喜んだのも束の間、悲しいことになるかもしれません。

最後は、一躍有名になりました、今年2012年の高校野球(甲子園)の済々黌対鳴門で起きたあのプレーです。
詳細は記しませんが、重要なのは、あのプレーそのものではなく、【第3アウトの処置よりも有利な4番目のアウトの処置が存在するなら、守備側は、アピールによって、4番目と3番目を置き換えることができる。】というシチュエーションがいくつか存在することがあることを知っておくことだと思います。
審判は、アピールできることに対して、なんら、明示的なアクションをすることはありませんが、アピールされたときに備えて、熟知しておかなければなりませんね。
幸いなのか不幸なのかはわかりませんが、まだ、私はそのような状況に遭遇したことはありません。果たして、そのような状況に置かれたとき、私は・・・? 想像すると冷や汗が出てきますね。でも、一度は体験したいという思いもあります。審判の性でしょうか?