人々の苦しみや悩み、不幸、こういったものはどこから出てくるかと言うと、結局は煩悩から生まれてくるわけで、この煩悩が悪業の因縁を作り、そして、その悪業の因縁によって人々が苦しむのであります。それがずっと永遠に続くのでありまして、つまり苦しみがまた煩悩を生み、煩悩が悪業の因縁を作る、そして悪業の因縁によって苦しむ、そしてまた煩悩を作る、これを輪廻三道と言いますけれども、そこから抜け出すことができないのであります。
この三道を法身・般若・解脱の三徳に転じていくのは、大聖人様の仏法以外にないのであります。
法身(ほっしん)と申しますのは、これは読んで字の如く法でありますから、不変そしてまた永遠であります。つまり信心堅固に泰然とした境界に立つこと、それが法身ということになるかと思います。
般若(はんにゃ)というのは智慧でありますから、どのようなときでも、つまり苦しいときでも、困ったときでも、この妙法蓮華経の功徳によって、それこそ計り知れない智慧が湧いてくるのであります。
解脱(げだつ)というのは、これは言うならば煩悩の束縛から脱(のが)れることであります。つまり解(げ)というのは解(と)くことであり、脱は脱することであります。
つまり、妙法蓮華経を唱えることによって、この煩悩・業・苦の三道を、法身・般若・解脱の三徳に転じていくことができるのであります。