【ネタバレあり】
話題の『アバター』を観てきた。
アバターって言っても富士通のハビタットじゃないよ。キャメロン御大の新作だよ。
#知ってますかね。。。
で、まず一言。やっとこういう「懐の深い"娯楽" 映画」が出てきたなというのが正直な感想。
これまでも「自然 vs 愚かな人間」的な作品は多数作られてきた。『アバター』もその類の映画であり、傲慢で欲深い人間を自然とそれとともに生きるモノたちの力が諭すお話である。身近なところでは宮崎ジブリの『ナウシカ』『もののけ姫』といったところが馴染み深い。さらに全体的なプロットは『ダンス・ウィズ・ウルブス』ままで、征服者側の人間が先住民達の思想文化に魅せられて反旗を翻すという内容。欧米的な視点で言えば、宗教・利益のためにアボリジニやインディアンを蹂躙し自然を破壊してきた自らの過去を戒め、高い精神性への目覚めを促す映画だ。
さてこれらの映画に共通して言えることは、「そのメッセージ性ゆえ暗い話になりがち」「感動作にはなってもハデな娯楽性を伴いにくい」というところ。そこで今回の『アバター』がスゴイと思うのは、その前提を吹っ飛ばし全くのハリウッド娯楽作に仕立て上げているところ。深い自戒の念を込めながらも、ハデで興味をソソるSFアクションが共存しているところにアッパレだ。
まず「アバターシステム」のアイデアが秀逸。
ナヴィと人間のDNAの混合体を思念で操るっていうだけで、エセ科学ふぁんな我々wには痺れるほどストライクだ。最初は借り物に感じるアバターの体もパンドラを駆けまわるほどに自らのものと感じ、ジェイクの車椅子同様、狭い客席に閉じ込められた我々観客もスクリーンの中で自由に飛び回っているかのようにシンクロする。当初軽い拒絶感を感じたナビィの風貌さえ勇壮に可憐に見えてくるから不思議だ。
惑星パンドラとナヴィ達に流れる思想は、いわゆるブッダの教え(諸行無常)や『ミュータント・メッセージ』などに見られるシャーマニックでワンネスな思想(自然も人間も皆ひとつのものである)がベースと思われるが、それをあの神経ネットワーク(?)というものに置き換え、非常に視覚的にも分かりやすく表現したアイデアに感嘆。植物、動物、そしてナビィ達が相互に接続され惑星までもがひとつのものとして繋がっているというバックボーンの壮大さに圧倒された。しかし「エイワは自然の調和を守るだけ」と言っておきながら、最後はがっつりナビィに加担してしまうなど、あきらかにそんな思想よりも娯楽作としての勧善懲悪さを選んだキャメロンの確信犯的行動に喝采を贈りたいw。まあちょっと俗物的すぎるのでできればもうちょっと神経ネットを生かした平和的な解決としてともよかろうもんと思ったりもするがw。まあわざとでしょうからw
そして何といってもマイルズ大佐が熱いでしょう!あのカッコ良さに男は誰もがシビレるにちまいない。さあ息を止めろ、パワーローダーで闘え!ボクのようにナビィよりも彼の熱い軍人魂の方にカタルシスを感じた人は多いだろう。個人的には主人公は彼といっても過言ではないw。このような魅力的な敵役を配したところも本作が娯楽作として成功した要因と思う。ままこちらもできればリプリーがローダーに載ってもらえるとセルフパロディとして完璧だったのだけれどもw
そしてなにより本作は "映像革命" と言っておく。それぐらい本作の映像はスゴイ。『2001年宇宙の旅』や『ジュラシック・パーク』というような歴史的映像革命を起こした作品に匹敵する衝撃度だ。いやそれ以上かもしれない。ついにCGと実写の境目がない世界が来たという感じ。単に実写の人物をCG背景にマット合成するとかそういったレベルではない。もうどこまでがCGなのかどこからが実写なのか分からない。学生時代ちょこっとCGをカジっていた身としては、デジタル合成もついにここまで来たかと全編舐め回すように観てしまったw。映像だけでも本作は観る価値あり。
深いメッセージを込めながらも結局勧善懲悪にしちゃう分かり易い安っぽさとの絶妙なコラボ。シャーマンにエセ科学にメカにと闇鍋の様相を呈しながらも完全に調和のとれた素晴らしき脚本。そしてそれをまとめ上げ興行収入トップを軽々と奪取するキャメロンの手腕。そうそう観られないハリウッド大作。いろんな意味で革命的。必ず劇場でどうぞ。
評価:★★★★★
さて3Dメガネについてはまだまだ苦痛と効果のトレードオフには至らないというのがボクの結論。正直相当目が痛かった。メガネなし3D技術を期待しまふ。
またサム・ワーシントンがターミネーター4とは比べ物にならないほど良いです。
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↑富士通Habitat 知ってる人は必ず押してねw
話題の『アバター』を観てきた。
アバターって言っても富士通のハビタットじゃないよ。キャメロン御大の新作だよ。
#知ってますかね。。。
で、まず一言。やっとこういう「懐の深い"娯楽" 映画」が出てきたなというのが正直な感想。
これまでも「自然 vs 愚かな人間」的な作品は多数作られてきた。『アバター』もその類の映画であり、傲慢で欲深い人間を自然とそれとともに生きるモノたちの力が諭すお話である。身近なところでは宮崎ジブリの『ナウシカ』『もののけ姫』といったところが馴染み深い。さらに全体的なプロットは『ダンス・ウィズ・ウルブス』ままで、征服者側の人間が先住民達の思想文化に魅せられて反旗を翻すという内容。欧米的な視点で言えば、宗教・利益のためにアボリジニやインディアンを蹂躙し自然を破壊してきた自らの過去を戒め、高い精神性への目覚めを促す映画だ。
さてこれらの映画に共通して言えることは、「そのメッセージ性ゆえ暗い話になりがち」「感動作にはなってもハデな娯楽性を伴いにくい」というところ。そこで今回の『アバター』がスゴイと思うのは、その前提を吹っ飛ばし全くのハリウッド娯楽作に仕立て上げているところ。深い自戒の念を込めながらも、ハデで興味をソソるSFアクションが共存しているところにアッパレだ。
まず「アバターシステム」のアイデアが秀逸。
ナヴィと人間のDNAの混合体を思念で操るっていうだけで、エセ科学ふぁんな我々wには痺れるほどストライクだ。最初は借り物に感じるアバターの体もパンドラを駆けまわるほどに自らのものと感じ、ジェイクの車椅子同様、狭い客席に閉じ込められた我々観客もスクリーンの中で自由に飛び回っているかのようにシンクロする。当初軽い拒絶感を感じたナビィの風貌さえ勇壮に可憐に見えてくるから不思議だ。
惑星パンドラとナヴィ達に流れる思想は、いわゆるブッダの教え(諸行無常)や『ミュータント・メッセージ』などに見られるシャーマニックでワンネスな思想(自然も人間も皆ひとつのものである)がベースと思われるが、それをあの神経ネットワーク(?)というものに置き換え、非常に視覚的にも分かりやすく表現したアイデアに感嘆。植物、動物、そしてナビィ達が相互に接続され惑星までもがひとつのものとして繋がっているというバックボーンの壮大さに圧倒された。しかし「エイワは自然の調和を守るだけ」と言っておきながら、最後はがっつりナビィに加担してしまうなど、あきらかにそんな思想よりも娯楽作としての勧善懲悪さを選んだキャメロンの確信犯的行動に喝采を贈りたいw。まあちょっと俗物的すぎるのでできればもうちょっと神経ネットを生かした平和的な解決としてともよかろうもんと思ったりもするがw。まあわざとでしょうからw
そして何といってもマイルズ大佐が熱いでしょう!あのカッコ良さに男は誰もがシビレるにちまいない。さあ息を止めろ、パワーローダーで闘え!ボクのようにナビィよりも彼の熱い軍人魂の方にカタルシスを感じた人は多いだろう。個人的には主人公は彼といっても過言ではないw。このような魅力的な敵役を配したところも本作が娯楽作として成功した要因と思う。ままこちらもできればリプリーがローダーに載ってもらえるとセルフパロディとして完璧だったのだけれどもw
そしてなにより本作は "映像革命" と言っておく。それぐらい本作の映像はスゴイ。『2001年宇宙の旅』や『ジュラシック・パーク』というような歴史的映像革命を起こした作品に匹敵する衝撃度だ。いやそれ以上かもしれない。ついにCGと実写の境目がない世界が来たという感じ。単に実写の人物をCG背景にマット合成するとかそういったレベルではない。もうどこまでがCGなのかどこからが実写なのか分からない。学生時代ちょこっとCGをカジっていた身としては、デジタル合成もついにここまで来たかと全編舐め回すように観てしまったw。映像だけでも本作は観る価値あり。
深いメッセージを込めながらも結局勧善懲悪にしちゃう分かり易い安っぽさとの絶妙なコラボ。シャーマンにエセ科学にメカにと闇鍋の様相を呈しながらも完全に調和のとれた素晴らしき脚本。そしてそれをまとめ上げ興行収入トップを軽々と奪取するキャメロンの手腕。そうそう観られないハリウッド大作。いろんな意味で革命的。必ず劇場でどうぞ。
評価:★★★★★
さて3Dメガネについてはまだまだ苦痛と効果のトレードオフには至らないというのがボクの結論。正直相当目が痛かった。メガネなし3D技術を期待しまふ。
またサム・ワーシントンがターミネーター4とは比べ物にならないほど良いです。
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忘れた頃にしかお返しコメントに来なくて申し訳ありません。
アバターですが、仰るように娯楽作品として実に鑑賞しやすい作りになっているのは私としても高評価です。
ストーリーは良くも悪くも単純でしたが、それも映像を中心に楽しむのには良い塩梅だったかと思います。
私のブログにも頂いたコメントへの返事を書かせていただいております。良かったらそちらも読みに来てくださいね。
では、また来させていただきます。今後とも宜しくお願いいたします。