DUMMY FAKE ROLLERS

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[さざなみCD / スピッツ] 力が抜けた瑞々しさあふれる力作

2007年11月12日 | 音楽レビュー
スピッツの新作聴かれましたか?
いわくつきのベスト盤問題にケリをつけた彼らの新作、良い作品でした。
(参照⇒【RECYCLE】 ついに廃盤!弱いくせによく吠えるスピッツの美学)

骨太サウンドが目立った前作『スーベニア』前々作『三日月ロック』と
比べると、今作では、アコギを多用して、スネアの音を抑え目に
したことによって、柔らかさが出て、聴きやすくなってると思います。

「昔の好きだったスピッツが戻ってきた!」って感じた方も
多いんじゃないでしょうか。
特に「桃」「不思議」「漣」に反応した人いるでしょ!?
こういった曲群を見ると、昔に回帰したようにも思えますが、
『ハヤブサ』以降を通過した彼らだからこそ鳴らせるギターロックも
多く入ってて、現時点での彼らの集大成なんだなと思えます。

そんな中でも、特に、私が気に入っているのは
シングルにもなった「群青」です。
スピッツの新たな一面を見せたすごく画期的なサウンドだな、
と思っています。疾走感があるのに、太くならずに軽やか。
しかも音が丸くないので甘くなく、アレンジもポップ過ぎないので、
サラッと聴ける。
今までの彼らの中で、こんな曲なかったんじゃないでしょうか。

さざなみCD
スピッツ,亀田誠治,草野正宗
ユニバーサルJ

回帰と集大成が高いところで融合してる

20周年を迎えた彼らですが、永遠のルーキーと呼ぶに相応しい
内容で安心しました。そして、今回、1年半という長い制作期間を
かけたということも、とても良い方向に向かっているなと思います。
ミュージシャンとして、それぐらい長いサイクルで活動できるのは、
理想的ではないでしょうか。制作活動的にも、ゆとりのある生活的にも。

長いサイクルで活動する代表選手としては、福山雅治がいますが、
スピッツもその域に入れたらしめたものだなーと思っちゃいます。

供給量を少なくすることによって、その価値を高めることは非常に
有効だと思います。ミリオンヒットが出にくくなってからの
音楽シーンは、個人的には何だか供給過剰な気がしてなりません。
特に、90年代は、TV番組タイアップによる広告効果が、夢のような
マジックを引き起こしていましたが、最近のタイアップは、
相乗効果を狙うものではなく、ただの音を流すための器みたいに
なっていることが多くて、時には雑音のように感じることもあります。
何でもかんでもTVやCMにくっつけるのではなくて、もう一度原点に
立ち戻って欲しいなと、思います。

って、かなり話が脱線してしまいましたが、最近では、
BUMP OF CHICKENが、供給量を抑えた長いサイクルの活動を
展開していますね。いいペースを作りつつあるなぁと、思います☆
やっぱりミュージシャンはライブをやりたいと思うので、
ゆっくりペースの制作の合間合間に、ライブ活動を楽しむ、
そんなゆとりのある活動をしてもらえれば嬉しいです。

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