突破力~完全復活までの記録~

この局面をどう乗り切るか
さあ、復活はすでに始まっている

◆神はまだ試練が足りないとおっしゃるのか?

2014-11-08 17:57:18 | 経過

2年半前の3月18日。順調にサッカーに邁進していた息子に大きな試練が待っていた。これがこのブログの始まりだった。怪我を克服し、サッカーに完全復帰したらこのブロクはひっそりと終わるはずだった。実際、どのような終焉を用意すればいいか考えていた。しかし9月18日。彼は再度試練を受けることとなった。

今度は左ヒザだった。前回とは反対の彼の利き足である左ヒザだ。彼は利き足である左足で数々のパスを出し、たくさんのアシストをし、そして多くのゴールをあげてきた。レフティとしてかなりの評価も受けていた。その左足だ。

9月18日放課後の練習。左ヒザを捻り、大きな痛みを感じた。
翌日に整形外科に行ったが、MRI検査が出来なかった。3日後MRI検査。
『また、写っていない。前十字靱帯が・・・・・』。

整形外科からすぐに総合病院へ連絡してもらい、9月30日に以前手術を執刀してくださった先生に診断していただいた。先生は整形外科で撮ったMRIの画像とヒザの触診で、直ちに診断を下された。
「前十字靱帯が断裂しています。前十字靱帯を断裂し、復帰後反対の前十字靱帯を断裂する人が、10人に1人の割合でいます。」
息子はポツリとつぶやいた。
      「俺はその10人のうちの1人なのか。」

我々両親と息子は、多分深いため息を吐き、心の中で涙した。
主治医の先生は「どうしましょうか?」我々に問いかけた。しばらくして「ボクの中では決まっていますけど・・・」とおっしゃった。

息子はまた瞬時に前を向いた。我々両親よりも早く、そして強く前を向いた。
「手術した方がいいということですね。いつ手術できますか?」
苦しみを知り抜いた息子は、またあの苦しみと立ち向かうことを決めた。それを思うと私も心から辛く、悔しく、悲しく、不憫な気持ちにたった。負の感情の一番行きついた先のような気持ちだった。

10月8日。彼はまた自分の両足で歩き、確かな足取りで手術室の自動ドアの向こうへ消えていった。私は心の中で泣いた。


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