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ロシア・ウクライナ紛争の研究 「今後の展開予測について(2)『ロシアの中央ヨーロッパ諸国の説得工作研究』」

2022年03月04日 13時22分46秒 | 戦争・紛争戦略研究(ロシア・ウクライナ戦争)
ロシアのヨーロッパ諸国への基本戦略は、ジョージ・フリードマン氏の著書「100年予測」によると、NATOを解体し、東欧諸国を孤立させるという戦略をとっているようである。この戦略においてカギとなる国は「ドイツ連邦共和国」、そして「フランス共和国」となる。
 
 ドイツは、只今エネルギー政策においては、クリーンエネルギーの転換へと舵を切り、石油やガスなどの化石燃料や、原発などの核エネルギー関連の発電を順次、自然エネルギーに置き換えていく政策をとっている。しかしこのエネルギー政策は、今のところ、電気料金の値上げや、エネルギーの供給不足などにより、ドイツの企業や国民に大きな負担がかかっているようである。
 
 ドイツはこのエネルギー不足をどう補っているか、アラブ諸国やインドネシアなどの産油国に頼る日本と同じ、フランスやロシアなど他国からのエネルギー供給に頼っている。ドイツのお隣のフランスは、原発大国、エネルギーにおいてはある程度の余裕がある。だからフランスの原発からドイツに、足りないときは電気エネルギーを供給してもらっているようである。ガスにおいてはロシアへの依存度が高い
 
 しかし、ロシアからの天然ガス供給は、ある程度の不安定要素を持っている。今、ロシアはドイツを含めたヨーロッパ諸国に、「ノルドストリーム1」というパイプラインとウクライナ経由で供給していて、ウクライナもロシアからの天然ガスの供給に頼っている国であるが、ウクライナはガス供給料金の支払いが滞っているようで、ガス供給を止められたりし、それがヨーロッパ諸国にも波及し、ロシアからの天然ガス供給が不安定となることが多々あるようである。
 
 そして、いま、ドイツとロシアで建設を進めているのが「ノルドストリーム2」という、「ノルドストリーム1」の隣にもう一本のパイプラインを通す計画。ウクライナを経由しないパイプラインである。ノルドストリーム2が出来ると、ロシアからドイツに「ノルドストリーム1」と共に、ウクライナを経由せずに、ダイレクトに天然ガスが入ってくる。これはドイツやその他のヨーロッパ諸国にはデカい。
 
 このようなドイツを中心としたヨーロッパのエネルギー事情を考えると、ロシアがドイツを中心としたヨーロッパ大陸を説得するのは簡単で、NATOの機構の問題点「NATOは相違による合意がなければ機能しない」と言う事を考えると、ヨーロッパ諸国がウクライナの支援に及び腰なのは納得できる。
 
 恐らく、ロシアはドイツなど、西側のヨーロッパ諸国を説得し、ロシアの影響下に置き、ポーランド、バルト3国を含めた周辺諸国を挟み撃ちにし、ロシアの影響下に戻ってくることを望んでいるのであろうが、ポーランドを含めたロシア周辺諸国は、大国のロシアとドイツの板挟みにあったという苦い経験をしているので、この、今起こっているドイツを中心としたヨーロッパ諸国とロシアの事象において、米国へのさらなる依存度を高める可能性がある。ポーランド、バルト3国を含めた周辺諸国が米国の支援を受ければ、新たなる活力となり、必死にロシアと対抗していくものと思われる。
 


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