兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

インフレは変化を強引に促す

2008-07-07 01:12:26 | 世の中の動き

インフレは変化を強引に促す


今日はインフレへの対応です。7月1日にガソリンの価格が1L=180円を超える等、多くの商品価格が上がりました。特に生活必需品の値上げが目立っています。 政府が発表する物価指数だと前年比で+1%ですが、スーパーで買い物をしている実感だと前年比で+10%とか+20%位になっているように思えます。 今まで安売りの常連だったものが1割から3割の値上げ(量を減らして対応している企業もあります)ですから、なおさら値上げ感が強く感じます。物価指数の算出方法と、生活するために買う商品のトータル額との違いで、両者の数字が大きく変わってしまいます。

1970年代の石油ショックに伴うインフレ局面では、モノの価格も上がりましたが、労働者の賃金水準も上がっていたし、今ほど生活水準も高くありませんから生活コストもそれほど高くありませんでした。昭和のバブル崩壊後は賃金水準は下がっていきましたが、デフレ経済の進展により物価は上昇するどころか下がっていきましたので、じっと我慢していればなんとかなりました。ところが今回のインフレ局面では、賃金水準を現状維持できれはいいほうで、景気後退に伴って賃金水準は下がっていきます。不景気下でのインフレというわけです。この局面では必要なモノはどんどん値上がりして、それほどいらないモノは値段を下げても売れません。安くすれば売れるというデフレ商法は破綻しています。インフレ局面はじっとしているだけでは持っている現金の価値は希薄化していきますから、将来のために現金を有効に活用するという攻めをおこなっていく必要に迫られます。インフレが始まってしまったので変化は早いですよ。

こういう厳しい局面では、企業が出来ることは、品質を下げてまで安く売る(この戦略は採用しやすいため、他との競争がきびしくなり、結局売れなくなります)か、品質を維持するため(人件費や原材料費の上げに対応する)に価格をドーンと上げても売れるモノを売るかのどちらかしかありません。セブンイレブンやイオンなどでは店じまいをするという、本社が責任をとらずに現場にミサイルを発射して、玉砕を強いるという暴挙に出ています。頑張ればなんとかなるという事態ではありません。デフレ時代の雄として高い評価を得ていたイオングループですが、デフレ時代のリーダーシップは破綻しています。いまリストラを再びやれば、本社からミサイルを打ち続けることとなり、現場からの反乱を招くのは必至です。対応策を誤まると、インフレ時代の雄だった『ダイエーグループ』と共に、時代の変化に対応できなかった例として、後々の教訓として語り継がれていくこととなりましょう。

橘みゆき 拝  2008/07/07