旅するはらっぱ~日々旅日記

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はらっぱニュース◆2014年10月12日(日)号 ≪ビキニふくしまプロジェクト≫

2014年10月12日 | さっぽろ旅
こんにちは♪

前回の更新からまたまた、はや一ヶ月以上ごぶさたしてしまいました~かたじけないっ…!(≧o≦)


今日は、昨日から1週間の予定で道内をめぐる、≪ビキニふくしまプロジェクト≫をご紹介します。



私の相方が以前とてもお世話になったパパラギダイビングスクールの武本匡弘さんがこのイベントのサポーターのお一人だった、というご縁で参加したのですが、

温かいエネルギーと気づきに満ちたステキな会だったので、みなさんにも、ぜひお知らせしたいと思います。


プログラムとしては、今年の2月に出版されたという写真絵本ふるさとにかえりたい~リミヨおばあちゃんとヒバクの島の文章をお書きになった羽生田有紀さんによる、この本の“読み聞かせライブ(朗読&映像)”と、





この絵本内の写真を撮られたフォトグラファー・島田興生さんのスライドトーク、の2つが基本。

どちらも、アメリカが広島・長崎に原爆を投下した1年後に中部太平洋マ-シャル諸島のビキニ環礁で行った史上最大の水爆実験についてと、そのせいで今も苦しみ続けている人々の現状を、胸にしみる静かな語り口でわかりやすく知らせてくださる内容で、

だいたいのことはわかってはいたものの、各方面から届く原発事故後の福島の状況とあまりにも似ていて胸が苦しくなってしまったのですが、

それらのヘビーな現実にアプローチする術を“等身大の自分ごと”として語り、やわらかな語り口で希望を示唆してくれたのが、今回のツアーメンバーのお一人で、「おもしろ学校」なるものを主宰されている名取弘文さんのお話でした。

こちらが名取弘文さん。笑顔と軽妙なトークで、クールな島田さんの人情味あふれる裏話も披露。「彼のトークは何度も聞いてるんですけど、人々の反応をもとに試行錯誤しているので、毎回変化してるんですよ」との言葉に、同じく講演を生業の一つとしている私は、「こんな大先輩でもそうなんだ~!」と感動…!

「ぼくはもう年だし、もともとの性格的に、もし福島のボランティアに行っても大して役に立たないくせに地元の人より先にごはんを食べて『あ~疲れた』なんて言ってしまいそうなとこがあるので福島には行かなかったんですけれど(笑)、

今回このプロジェクトでは『こんなぼくにもできることがあるかもしれないなぁ』と思ったので参加しました。

何ができるかって、まずはチラシなどの印刷。ぼくは教師だったので、クラスで配るプリント類をしょっちゅう作ってた経験があって、印刷が得意なのね。だから印刷を手伝えるな~って。

次に、イベントの受付と、本などの運搬。これならぼくにでもできるだろうから、役に立てるかもしれないなぁ…ってね。

それから極めつけが、本の販売!ぼくは商人の息子なので、売ることが大好きで得意なんですね。みなさん、今日は6年間、この絵本の主人公たちのいるマジェロ島に住んで写真を撮り続けてきた島田さんと、文章を書いた羽生田さんの直筆サインももらえる特別な日だから、あとでここに本を見に来て、ぜひ買って帰ってくださいね~!」


と、ニコニコ顔で軽妙に語る名取さんの声と様子に、会場の空気は自然とやわらぎ明るい雰囲気に。

福島原発事故後はことさら、「できることからやろう」というのが日本中の合言葉のようになった気がしますが、「等身大のできること」をこんなに楽しそうに具体的に語り、実行されているご様子に、笑いとともに心がじわ~んと暖かく緩み、優しいおひさまの光を浴びたような明るい気持ちになりました。


名取さんのこの発言をきっかけに、札幌を代表する平和活動家のお一人でありながらユルくてオチャメな雰囲気を持つ七尾寿子さんによる手馴れた司会のもと、いろんな情報や考えをお持ちの参加者の皆さんからも、ためになる情報やハッとさせられるご意見が自然に飛び出し、ますますあったか~い気持ちに♪


左から、山本理さん、島田興生さん、羽生田有紀さん、名取弘文さん、&七尾寿子さん。


実は私はここのところ、「どーしょもない現実はもうイヤというほど知ったから、次はそれを変えていく“生活アクション”にこそフォーカスしよう」という気持ちで自分の生活と種々の仕事に没頭し、「キツイ現実の勉強」にはあまり心と時間を傾けていなかったのですが、

新しい未来を創るために今を誠実に生きていらっしゃる皆さんの意見や、核実験の実験台として扱われた悲惨な過去に泣き寝入りすることなく、未来のために60年間コツコツと活動し続けてきたロンゲラップ島の人々の存在を知り、

その一つ一つに、一滴ずつのしずくが少しずつ着実に大岩を穿ち、いつしか大岩の姿をまるで違うものに変化させてゆく途上ような、「継続の力強さ」を見せてもらった気がしました。


特に印象に残ったことは、第二次世界大戦で負けた日本軍に代わって乗り込んできたアメリカに島を譲り渡すしかなかった、お金も武器も権力もないロンゲラップ島民たちが、巨大な相手であるアメリカの政治家たち一人一人に、自分たちの現状説明と要望を語りかける活動を地道に続け、

それまで島民たちの権利を踏みにじるばかりだったアメリカが約60年を経てやっと、島民たちの生活補償や島の除染作業を始めるまでになった、という事実。

島民の様子をつぶさに見てきた島田さんの、「彼らは暴力的なやり方ではなく、議員一人一人に、とにかく地道に語りかけ続けたんです」という言葉が心の奥にしみ入り、“未来を拓くための揺るがぬ手法”“人間力”を再確認させてもらった気がしました。


それからもう一つハッとさせられたのは、参加者の方と、イベントスタッフとして参加していた高橋伸枝さんがみんなの前で話してくれた、「日本は“唯一のヒバク国”ではない」という事実。

「ヒロシマとナガサキへの原爆投下、茨城県東海村の原子力施設の臨海事故、そして福島原発の事故、日本はこれまでに3度ヒバクしている。ニューヨークの知人にそう言われ、ハッとしたんです」

核実験は昔から世界各地で行われていて、その周辺の土地や人々は日本に原爆が投下される以前からヒバクしているし、原子力発電所の事故もいろんなレベルで世界各地で起きている。『日本は戦争による最初のヒバク国』とは言えるかもしれないが、決して『唯一』じゃないんですよ」


これらの言葉を聞いて、同じ過ちがすでに世界中で何度もくり返されてきた事実と、世界中に核問題の被害者が存在する事実を鮮烈に思い知り、

自らも大変な生活が続いているマーシャル諸島の人々から、いち早く福島に義援金が送られてきた、という事実にも、胸がいっぱいになりました。


科学者のデータ解釈の確実性についての意見なども交わされた最後に名取さんが、かつてご自身が信奉していたという有名な知識人たちの例を挙げて、「どんなに有名な人や学識の高そうな人の発言でも、言っていることが平気で変わったりもするんだと思い知り、鵜呑みにしちゃいけないんだなぁ~と学びましたよ」とおっしゃったことにも、つくづく共感。

いろんな人々の意見から学びながらも、自分の感覚を磨き、自分を信じる気持ちも忘れずにおくことが大切、という想いに着地して、約3時間のイベントは幕を閉じました。


自分の好きな針仕事を通して、原発や核兵器の犠牲になった人々を支える活動をずっと継続している高橋伸枝さんの、マーシャル諸島の人々に贈る、新作キルト用の生地。「みんなに好きな絵や文字を書き込んでもらって、それを刺繍にして届けます」とのことです。


「継続は力なり」を体現している人々の人間エネルギーと「絶望の中から希望が生まれている事実」に触れて胸がふるえ、自分の奥から温かいエネルギーが湧き上がってくるのを感じた、≪ビキニふくしまプロジェクト≫

あなたもぜひ、体感してくださいね!


ビキニふくしまプロジェクト2014・北海道ツアー≫

◆札幌/10月11日(土) 13:30 (開場 13:00)  参加費:700円 
札幌市教育文化会館401(札幌市中央区北1西13) 
主催/連絡先  さっぽろ自由学校「遊」   TEL:011-252-6752

◆小樽/10月13日(月・祝) 13:30~(開場 13:00) 参加費:500円
マリンホール3F研修室(小樽市色内2丁目13-5)
主催/連絡先:ビキニふくしまプロジェクト小樽実行委員会   090-2073-8962(沖山)

◆帯広/10月14日(火) 17:30~ (開場 17:00) 無料
十勝教育会館(帯広市東6条南10丁目5)
主催/連絡先:北海道教職員組合帯広市支部  TEL:0155-22-3100(野原)

◆旭川/10月15日(水) 18:00~(開場 17:30) 参加費:300円
旭川教育会館 (旭川市6条通16丁目6号)  
主催/ビキニふくしまPJ in 旭川実行委員会

◆余市郡仁木/10月16日(木) 17:00~(開場 16:30) 参加費 700円
山の家“きょうどう”(余市郡仁木町東町緑ヶ丘114)17:00~(開場 16:30)
主催/連絡先 社会福祉法人 札幌協働福祉会 山の家“きょうどう” TEL: 0135-34-7005
 
◆函館/10月18日(土) 17:00~(開場 16:30) 参加費 500円
渡島教育会館(函館市五稜郭町25-6) 17:00~(開場 16:30)
主催/連絡先ビキニふくしまプロジェクト函館実行委員会 TEL:  0138-47-7009(小笠原)


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