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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

十八史略 

2011-02-22 17:36:00 | 十八史略
十八史略 宣帝崩ず。
帝在位、改元者七、曰本始・地節・元康・神爵・五鳳・甘露・黄龍。凡二十五年。崩。葬杜陵。帝興於閭閻、知民事之艱難、精爲治。樞機周密。品式備具。拜刺史・守・相、輒親見問。常曰、民所以安其田里、而無歎息愁恨之聲者、政平訴理也。與我共此者。其惟良二千石乎。以爲太守吏民之本。數變易、則民不安。故二千石有治理效、輒以璽書勉、秩賜金。公卿缺、則選諸所表、以次用之。漢世良吏、於是爲盛。信賞必罰、綜核名實。政事・文學・法理之士、咸精其能、吏稱其職、民安其業。遭値匈奴衰亂、推亡固存、信威北夷。單于慕義、稽首稱藩。功光祖宗、業埀後裔。可謂中興高宗・周宣矣。太子即位。是爲孝元皇帝。

帝、位に在り、改元する者(こと)七。本始・地節・元康・神爵・五鳳・甘露・黄龍と曰(い)う。凡(すべ)て二十五年。崩ず。杜陵(とりょう)に葬る。帝、閭閻(りょえん)より興り、民事の艱難を知り、精を励まし治を為す。枢機周密(すうきしゅうみつ)にして、品式(ひんしき)備具(びぐ)す。刺史・守・相を拝するとき、輒(すなわ)ち親しく見て問う。常(かつ)て曰く、民の其の田里に安んじて、歎息愁恨の声無き所以の者は、政(まつりごと)平らかに、訟(うったえ)理(おさ)まればなり。我と此を共にする者は、其れ惟(ただ)良二千石(せき)か、と。以為(おも)えらく、太守は吏民の本なり。数しば変易(へんえき)すれば、則ち民安んぜず、と。故に二千石、治理の効有れば、輒ち璽書(じしょ)を以て勉励し、秩を増し金を賜う。公卿(こうけい)欠くれば、則ち諸々の表する所を選び、次(じ)を以て之を用う。漢の世の良吏、是に於いて盛んなりと為す。信賞必罰、名実を綜核す。政事・文学・法理の士、咸(みな)其の能を精(くわ)しくし、吏は其の職に称(かな)い、民は其の業に安んず。匈奴の衰乱に遭値(そうち)し、亡を推(お)し存を固くし、威を北夷(ほくい)に信(の)ぶ。単于、義を慕い、稽首(けいしゅ)して藩(はん)と称す。功は祖宗(そそう)に光り、業は後裔に垂(た)る。中興、徳を高宗・周宣に(ひと)しうすと謂う可し。太子、位に即く。是を孝元皇帝と為す。

閭閻 共に村の門、民間の意。 枢機 重要なところ、枢は戸の心棒、機は弩弓の弾き。 周密 行き届くこと。品式 品章程式 規則と方式。 刺史 地方監察官。 守 郡の行政官。 常 嘗てと同じ。 良二千石 二千石は守・相の俸禄、善良な地方長官の意。(我が国で知事を良二千石ということがある)
璽書 璽は玉璽、天子の印章が捺してある文書。  綜核 綜はくくる、核はあきらかにすること。 遭値 共に出会う意。 信 伸びる、伸ばす。 稽首 首が地に着くほど体を屈して拝すること。 祖宗 創業の祖と中興の祖。 高宗・周宣 殷の高宗と周の宣王

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