昨日、俺が小学校のときのことを書いたので改めて書いてみる。川に泳ぎに行ったのは、戦後初期のことだ。小学校のときだから、昭和26年頃までか。その頃、いまで言う町内の子どもたちがガキ大将の下で晴れるとみんなで一列になって川に泳ぎに行ったものだ。川はいま見るとそんな大きなものではないが、子どもの頃は大きく感じた。真っ黒になって泳いだものだ。泳げないものがいると泳げるまで上級生が訓練した。途中、腹が減ると、近くの畑に行き、トマトやキュウリを取って食べたものだ。それでも誰も文句を言わない。午後4時頃なると、ガキ大将の号令で全員、上流の橋から下流の橋まで泳いで行き、そこで着替えてフンドシを竹にぶら下げて帰宅したものだった。家に着くとフンドシは完全に乾いていた。本当にあの頃が懐かしい。あの頃の連中は、みんなどうしただろうか。一人は郵便局長になり、一人は政党幹部になり、ほとんどは職人になった。そのほとんどが東京に出て行き、帰ってこない。俺などは偶然帰れた者の一人かも知れない。話はいまから60年前の話だ。あの頃は、みんな貧乏で子沢山だった。どこの家も3人か4人の子どもはいた。町内中がいつも子どもの声でいっぱいだった。それから日本は大きく変わった。経済成長したもの、大事なものを多く失ったように思う。政治の貧困がとりわけひどい。
ヒマワリと蝶々
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