仮説検定 の 手順
仮説検定は次のような手順で実施する。
仮説の設定
仮説が正しいと仮定した場合にその標本が観察される確率を算出できるように、仮説を統計学的に表現する。 たとえば薬の試験(薬の効果を主張できることを示したい)を例にとれば、帰無仮説(きむかせつ Null hypothesis)(証明したい仮説の反対の仮説。この場合は、「主張できない」)は
「薬に対する反応の平均がプラセボに対する反応の平均と等しい。どちらの反応も正規分布に従うがその標準偏差は両者で等しく、平均を問題とする」
という仮説を立てる。この仮説は最終的に棄却(間違っていたという判断)されるべきものなので、帰無仮説と呼ばれ、普通 H0 と書く。また帰無仮説に対立する仮説(対立仮説(たいりつかせつ Alternative hypothesis): H1 )を立てることも多い。上の例では対立仮説は「薬に対する反応の平均がプラセボに対するそれと異なる」ということになる。
統計量の算出
標本データから、仮説に関係した情報を要約する検定統計量を計算する。このような統計量を十分統計量という。母数に対応する十分統計量は、母集団の確率分布が指数型分布族である場合、かつその場合にのみ存在する。
例で言えば、二つの標本平均の差m1 − m2は十分統計量である。