丸山ワクチンの奇跡 ①
丸山千里(故)博士日本医科大学名誉教授・元学長、1901~1992)の名前を取った薬で、蛋白質を除去したヒト型結核菌から抽出した多糖体・アラビノマンナンを主成分とする皮膚結核の治療薬である。
このワクチンは、ハンセン病の皮膚障害、発汗障害、神経障害にも効果を上げ、ガンに対しても効果があるという。
この薬は3つの効果/作用を持っているとされる。
・白血球に対する作用
・コラーゲン増殖作用
・細胞分裂に対する作用
白血球に対する作用により、免疫機能を高め、ガン細胞に対する攻撃力が高める。
コラーゲン増殖作用により、ガン細胞によって傷つけられた周囲の細胞を修復させる。ガン細胞が細胞分裂の際に使用する酵素の活性を低下させ、ガン細胞の増殖を妨げる。
しかし、この丸山ワクチンは製造承認を受けていない有償治験薬である。
昭和40年代以降『ガンの特効薬』との噂が一気に高まり、
医薬品の承認の手続きを求めて癌患者やその家族の団体による嘆願署名運動などが行われたが、昭和56年、厚生大臣の諮問機関である中央薬事審議会は丸山ワクチンを不認可とした。
丸山ワクチン(申請提出1976年)に先だってクレスチン(認可1975年)、ピシバニール(認可1975年)という類似した癌治療薬が認可された。
そしてクレスチン(開発:呉羽化学工業、販売:三共、粉末薬)とピシバニール(中外製薬、注射薬)は医薬品史上、最大のヒット商品(10数年間で売り上げ1兆円)となった。
クレスチンは、申請から認可まで、わずか1年しかかからず、しかも審議はたったの3回。ピシバニールも認可まで2年という前例の無い異例のスピードで認可さた。
一方丸山ワクチンに対しては度重なる追加資料の提出が要求され、
5年後に不認可という結論が下った。
これはクレスチンとビシバニールが許可された直後、許可基準が突然変わったためだという。
この許可基準を設けたのは中央薬事審議会の抗悪性腫瘍調査会というところで、桜井欽夫(元癌研究会癌化学療法センター所長)がこの調査会の座長だった人である。
実はこの桜井欽夫は、クレスチンの開発に携わっていた。
つまり自分で作ったクレスチンを自分で(それもたった一年で)認可した後、
ライバル薬品である丸山ワクチンを通さない基準を突然作って丸山ワクチンを潰し、クレスチンで儲けることになったわけである。
(ちなみにクレスチンは昭和57年には年間売り上げが500億円と、全医薬品中の第1位になっている)。
クレスチンとピシバニールは前述のようにヒット商品となったが、厚生省は平成元年になってクレスチンとピシバニールに「効果なし」という答申を出した。
桜井欽夫という男は、効かない自分の薬を売るために、競合する丸山ワクチンを不認可にする基準をわざわざ作ったのだという噂がある。
丸山ワクチンは医薬品としては承認されていない有償治験薬だが、1964年から2002年3月末日現在までに、ワクチンの治験は国公立の病院をはじめ全国の病・医院で実施され、丸山ワクチンの投与を受けた患者さんの総数は約35万6000人に上っており、現在も年6000人近い新規患者が、投与を始めている。
丸山が生前親しかった新聞記者の話として、次のような話がある。
「丸山ワクチンの患者の一覧表があるんです。日本医大の名誉教授のロッカーにカギをかけてしまってあるんですが、分厚いやつでね。丸山先生は、自分が死んだら、その一覧表をぼくにくれる、と言っていたんだけど、まだ生きておられる時にちらっと見たことがある。ずいぶん有名人もいたんですよ。
政治家とか芸能人とかね。その中で一番多いのは東大の医者たちですよ。猛反対していた学会主流派の東大です。あれだけ反対していたのに、最後は丸山ワクチンに頼ったんですね。丸山先生が東大でワクチンを開発してたら、間違いなく認可されていただろう。という話は何度も聞いたね・・・」
丸山ワクチン http://www.tetsuaki.net/maruyama.html