カモメのジョナサン

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「丸山ワクチンの臨床経験より」-⑧

2008年06月18日 | 丸山ワクチン

■がんにかかった医者 患者として死を実感 
竹中 文良 日本赤十字看護大学客員教授

命の限界受け入れる--1

ベストセラー『医者が癌(がん)にかかったとき』の作者、竹中文良さんが最初のがんにかかったのは55歳でした。
以来、医師と患者両方の立場で生と死に向きあい、その体験が著作やNPO活動の源にもなってきました。
現在76歳。がん患者として、医師として、竹中さんが考える「死の受容」と「希望」について聞きました。(聞き手 柳原一哉)

 私たちのNPOでは、がん患者のためのセカンドオピニオン相談を専門医が行っています。
最近、相談に訪れた65歳の方は肺がんで治療を受けていましたが、どうも状態が良くない。
相談では、「どうやったら助かるのか」「どうすれば生きながらえるか」と盛んに尋ねてこられます。
そこで、死を受け止める気持ちがあるかを尋ねたところ、
「先生の年齢になれば、その気持ちを固められるかもしれない」と話されました。
45歳のがん患者さんも、同様のことを言いましたら、
「50代か60代になればあきらめがつくかもしれない」と。

「欲張り」ではありません。
生きたいという当然の意欲。それがなければ闘病はできません。
しかし、申し上げなければならないのは、
人間の生には限りがあり、それをいつかは受け入れなければならないということです。

「死の受容」は大切なテーマです。
アメリカでは病気を闘い抜くことがすばらしいといわれている。
昔は、日本でも医者たちががんで死ぬのは負けだ、敗北だと表現してきました。
私もそうでした。

ですが、ヨーロッパではもっと死の受容が大切にされています。
どういうことかというと、人間いつかは死なないといけないということなんです。
ほかの人は80歳まで生きるのに、自分だけが急に早くなることもあるかもしれない。
不条理なものです。

死を受け止められるだけのカルチャー、教養を若いころから身につけなければいけないという教育が行われています。

ドイツ人のアルフォンス・デーケン上智大名誉教授が
「死への準備教育」の必要性を繰り返し訴えていらっしゃるのも同じ理由だと思います。
日本は、アメリカに近い。
医者が良くて薬が良ければ、どんながんでも治るかのように思われている。
がんになってもがんばらないほうがいい、というんじゃない。
でも、人間ですから、最期がくる。

100年の人生でも宇宙からみればごく短時間。
それを腹におさめ、若いころから会得しておかないと、どんな状態になっても、いつまでもがんから治ろう、治ろうとしてしまう。
そのこと自体が苦痛になり、苦しみを増幅してしまうのではないでしょうか。


「自立と共生」http://www.tetsuaki.net/


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