鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

ザンカイへ遡る(前編)

2018-06-07 00:36:05 | フリーゲーム(ファンタジー)
ザンカイへ遡る(前編)
探索ADV・先が気になりすぎる話
制作者:植物の灰様(公式ブログ

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最近、面白そうだな~と思う作品に、未完成なものが多くて…
本来は、しっかり完結したものを、完全な状態で美味しくプレイしたい&紹介したいんですが、いろいろ世の中ままなりませんな!!

さて、このゲームも「前編」のみの公開です。
いやもう、えっ、ここで切るの!?続きは!?という、連ドラもかくやなところで終わっているので、先が気になって気になって仕方ないのでご紹介。

作者様は「幽霊と青年」の方ですね~
なにかすごく、絵や画面のデザインや、シナリオが…上手くなったっていうか、垢ぬけた…気がします。
キャラグラが全員可愛くて魅力的。
そして、主人公の身の上や、それに関わる登場人物たちの背景…彼らの住む「島」の文化…などなど。
設定がきちんとなされていて、プレイヤーが自然と惹きこまれてしまう物語でした。

主人公は、とある島の塔に棲む「神様」に作られた「神子(みこ)」。
所詮、作り物のイノチのため、その体は5日間しか維持できません。
神様は、その短い命を長らえる方法があると告げ、神子に、その島に住む人々と交流を深めるよう指示します。
「時を巻き戻す」能力を駆使しつつ、5日以内に、誰かと仲良くなりましょう。


主人公は基本無言。でも、出てくる選択肢がなんか素直で可愛いのねん。
ほかの登場人物たちも、天然だったりツンデレだったり、憎めない感じの子が多いのがイイ。
手っきり最初、あっ、これほのぼの系の心温まるゲームなのかな?…とか、思ったんですが…
そんな単純な話じゃなかった!

神子が頑張って、キャラたちの心を開いて信用を勝ち取り、さあこの先色々うまくいきそう!
…というところかーらーのー!意外な展開!に、プレイヤーは翻弄されること間違いなし。
最初の5日を過ごしたあとの衝撃ときたらもうもう…;
しかし、その意外性があればこそ!
プレイヤーに強烈な印象を残し、この先が非常~に気になってしまうゲームとなっておりまする。

ゲームの各所に散りばめられた様々な謎も、今作では解かれないまま。
「神様」がいったいどういう存在なのかも、いまのところ手がかりはありません。
果たして後編でどんな方向に話が進むのか、予想がつかないぶん、期待が膨らみますね~


この記事を見て気になった方は、ぜひともプレイどぞ~。
二周目以降、なんとか前回と違う流れに行こうと頑張る神子ちゃんの「選択肢」の健気さに、心打たれちゃってくださいな。








ああー後編が気になる…いやいや、だって、こんな悲劇のままでは終われないでしょ?
前編はどうあがいても、ほぼシナリオ一本道の絶望ルートなんですが、そのぶんきっと後編では、全員が笑顔でいられる最高の幸せエンドがあるって信じているよ!

霧の村

2018-05-12 09:13:40 | フリーゲーム(ファンタジー)
霧の村
アクション探索ADV・逃げあり・プレイできる映画
制作者:oo-heppo様

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父と二人、船に乗ってこの国を出るために旅をしてきたエクアリナ。
しかし、途中の宿屋で、近くの山にかかっていた霧が晴れた時、父は一人でその山に登ると言い出しました。
実は、この山の上には父の生まれ育った村があり、そこには息子…エクアリナの兄がいると言うのです。
そういう事情なら、と、エクアリナは一人宿屋で待っていましたが、やがて天候がくずれて雨が降ってきたのを見て、心配のあまり、後を追って山に入ります。
しかし、そこで見たのは、崖から落ちて血塗れで動けなくなっている父の姿でした。

霧が出ると身動き一つままならない崖の道。
夜になれば、人を襲う山犬が出る、恐ろしい山。
徐々にたちこめ濃くなりだした霧に、父は自分を見捨てて村まで急げと訴えます。
置いては行きたくない、けれど、自分一人では、大怪我した父を運ぶことはできない。
混乱しながらも、村で助けを呼んでこようとエクアリナは山道を急ぎ走りました。

霧で道が完全に閉ざされる頃に、やっとたどり着いたその村は、自分たちの住む場所を「聖地」と呼ぶ、火を崇める特殊な宗教を持つ人々が住んでいました。
穏やかな人々は礼儀正しくエクアリナを歓迎し、再び霧が晴れ山を下りられる日まで、ここで客人として過ごすことを許してくれました。
もう助けに戻ることもできない父を想い悲しんでも、エクアリナには他にどうする術もありません。

エクアリナはこの村で、これからどんな日々を過ごすのでしょうか。
「村では絶対に自分のことを話すな、兄も探すな」
という父の最後の言葉は、果たしてどういう意味なのでしょうか…




と、いうわけでー、カルトな村に一人迷い込んだヒロインが、自分の兄を探して暗躍する話です。

グラフィックもご覧の通りのリアルさなんですが、作中の人物のキャラづくりがまた、やけに現実的で!
複数の人間の思惑が絡んだ、甘すぎず苦すぎず…のドラマチックなシナリオになっております。

最初に注意書きが出てきますが、画像的には、そんなに怖い部分はないんですよね。
(最初の父親の血塗れの姿くらいですかね?ビジュアル的にやや怖いのは)
ただ、それ以上に、過去の出来事や一部のイベントで、倫理的にショッキングなシナリオ展開がありますんで…そういったものが苦手な方は覚悟のうえでプレイしてください。


主人公のエクアリナちゃんは勇敢で、物怖じしない性格の良ヒロイン。
自分からどんどん動いていく、かっこいい女の子でした。
明るく強く、いつも前向きの、まさしく主人公にふさわしいキャラだったと思います。どんとこい!

他のキャラはそれに比べて、癖がある…というか、けっこう見ていて「これはないわー;」という気分になる人が多いんですけど。
しかしですね。むしろこのゲームの凄さは、それらのキャラのリアルな性格設定にあるように思います。

特に複雑だと思ったのは、婿候補?のクリスくん。
善良だけれどヘタレな性格で「聖地」のルールを一切疑わずに生きてきた彼は、エクアリナにもそれを当然のものとして守らせようとします。
決して悪人ではないのですが…「言われたことを自分で考えることなく、そのまま信じている」せいか、言動がとても薄く感じるんですよねぇ。
エンド近くでは、エクアリナとのアレコレで成長?し、彼なりの決断や勇気を見せてくれますが…
心が弱いのは、それだけで一つの罪なんじゃないか?と考えさせられるキャラでした。

ちなみに、彼のご両親は、ラストまでいい人だった…
あまりにも良い環境に置かれると、かえって子供は成長できないもんなのかな?

酒場のマスターは、逆に聖地の問題や思想の偏りを知っていながら、それに従っている人。
ルールに逆らうことなく一定の距離を置きながら「自分ができることだけをやる」在り方の人です。
暴走気味な主人公にいろいろ教えてくれて忠告もしてくれる有難い人ですが、大人であるゆえの分別は、冷たく感じる部分も。

ほかにも、醜いものにふたをして、とにかく、今をやり過ごせばそれは平和であると考える人。
自分の境遇に不満を抱き、それを目下のものにぶつけることで晴らす人。
多くの人間関係の鎖に縛られて、身動きできないまま諦めて生きてきた人。
突然やってきて特別扱いを受ける人間に反感を持つボス的な少女と、それに進んで迎合する子、逆らえずに従う子。
噂話に惑わされ、急に態度を変える多くの人々…と。

あー、こういうの、あるあるあるーーー
と言いたくなるような、とても普通の人々の姿がテンコ盛りです。
見ていて、自分にも通じるところ…理解できるところがあると余計に『うへぇ』と思ってしまいますね~


人が集まるところには「場」ができて、そこだけのルールや雰囲気や、暗黙の了解ができてしまう。
作ろうと故意に思っていなくても、自然とそうなってしまう…ものなのかも。
群れて生きるのは人間の本能で避けられないことだけど、願わくば、このゲームに出てくるような集団の持つ圧力や、それ以外のものへの鈍感さ、を自分が行使することがないよう、気を付けていきたいものだわ…



さてさて、気になるアクション難易度は、やや高め!
作者さんは「よほど苦手な人でない限り、何回かやればクリアできる程度」と書かれていますが…
「よほど苦手な人」の私の場合、一か所の逃げに、大体20分~1時間ほどかかっております。
前半は人に話しかけて話を進めるADV要素が強いんですが、4日目~5日目くらいはもう次から次へとアクション要素が入ってくるので、私と同じタイプのゲーマーの人にはツラいかもしれないね…

苦戦したのは、穢れの道で山犬から逃げるところ、崖の道である人物に追いかけられるところ、村人たちから逃げて穢れの道に向かうところ、ラスト付近で落石の中をゆっくり逃げるところ。

…途中の障害物にさえひっかからなければ、案外余裕がある難易度…なのかもしれないんですが。
見えててもわかっていても引っかかる、それがアクション下手というもの!
…特に後半、追手や岩が一緒の画面でウヨウヨ動くと処理落ちしちゃってね…
キーの反応悪くて余計に難しかったです。

あと、画面切り替え処理が遅めなのに比べ、追手が出てくるタイミングが早く感じますかね。
そこの一瞬で油断して捕まって死ぬこと多かったっす。
画面切り替えの時は、ぜひとも方向キーは押っぱで!!

また、後半は「火打石」を使ったアクションが出てきます。
複数の灯明に時間内に火をつける、というイベントでは、基本・一発で火をつけられないと間に合いません。
案外これが…難しい; 
ふふふ…アクション下手はリズム感もないんですよ…orz
(昔リズ天プレイしてめちゃめちゃ苦労した思い出が…)

しかし、そんな苦手なアクションイベントをひたすら粘ってクリアしたのは、ひとえに「先が気になる」話だったから。
無事、エンディングを迎えられた時は感無量でしたよ!
…これ、アクション下手用に、EASYモードを作ってくれたら嬉しいなぁ…



最初、リアルめなキャラグラに、最近にしては珍しいな?と思いましたが、プレイ後にはむしろ、このシナリオには二次元な漫画絵はつけられないな、と感じました。
シナリオが濃くて面白い話だったので、興味を持たれた方はぜひぜひプレイしてくださいませ。

妖怪変幻

2018-04-20 13:03:02 | フリーゲーム(ファンタジー)
妖怪変幻
探索ADV・妖怪ゲットだぜ!
制作者:mt.saji様(公式攻略情報

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神社にある箱に封じられている妖怪を滅するためやってきたイソヅカ探偵。
無敵の「妖滅の札」さえあれば簡単な仕事…と思いきや、封じられていた妖怪たちのあまりの数の多さに打ち勝てず、逆襲されて倒れてしまう。
助手の「チマキ」は、妖怪に呪われて苦しむイソヅカを救うため、妖怪「ふたくち」の援けを得て、街中に散らばった妖怪たちを食いつくし、元通り箱に封じることを決意する。


…というわけで、町のあちこちにいる妖怪たちをひたすら食べて集めるゲームです。
作者さまがヒントを出してくれたおかげで、やっと妖怪100%トゥルーを見られましたですよ。
あとはアーカイブ100%と……ノーマルエンドAを残すのみー
とはいえノーマルの戦闘は時間制限かかって難しいので…できるかどうかは微妙なところ。
いっぱいキャラ切り替えが必要なので次どれだっけ?と混乱するのだー;
…まあ…一番いいエンドは見られたからいいかな…うん…


ゆるめのキャラグラと、方言まじりのさらにゆるーい会話がなんとも癒される一品でした。
かといってシナリオは決して甘くなく!ぶっちゃけせつない系!
ただ散らばった妖怪を封印しなおせばいい話かとおもいきや…シナリオが進むにつれてわかる真実は、なかなか重いものがありまする。
そして、それらを包み込み許し癒してくれる、ふたくちをはじめとした妖怪たちの優しさや思いやりは、涙なくしては見られない~
プレイする皆様にはー、ぜひとも!トゥルーエンドまで頑張ってプレイしてほしいっす。

最初は頼りない感じだったイソヅカが、トゥルーエンド近くでは最高にかっこよくて!
ラスボスでさえ、もともとの動機はぜんぜん悪いものじゃなくて。
なんともいえない後味の残るゲームなのです。


さてさて、ちょっとだけあるアクション要素は、ずばり「キャラ切り替え」。
チマキちゃんは妖怪の助けを得ることで4種の姿に変身できるのですが、それぞれ固有能力が違います。
カッパなら水の中を移動できる、相撲を取れる、猫なら早く走れる、闇の中で目が見える、など。
切り替えは、それぞれの割り当てキー一発でできるので、機敏に切り替えつつマップを進んだり戦ったりしていく感じですー

ボスキャラとの戦闘も、その時の相手の攻撃にうまく合わせたキャラ技で有利に進められるようになってます。
まあ、ハリオ戦とラスボス以外の中ボスは、チマキ一択でダメ食らいながらでも倒せますから、そうシビアな難易度でもない…かな?
ただ、普段切り替えを意識してないと、本当に必要な時に苦戦するかもにゃー(←私がまさにソレ)


ポ●モンとか妖●ウォッチとか好きな、コレクト魂のある人には特におすすめ!
面白くてやりがいのある良ゲーでした。
しかしセーブデータの容量が重い…作者様にはDL版激希望!!






鳥スキーな私的には、なんだって純正カラスではなくアジアなあの鳥をプラスしたのか知りたいところ。
グリーンが鮮やかでかわいいわー

かごめこまどり

2018-04-16 13:56:15 | フリーゲーム(ファンタジー)
「かごめこまどり」
探索ADV・和風ファンタジー・誰を信じる?
制作者:八鳥亭様(八鳥亭

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顔に大怪我をした状態で記憶をなくし、森を彷徨っていた主人公(名前入力必須)は、ウツキと名乗る男に声をかけられ、
傷が治るまでの間、彼の家に滞在することになりました。
その家には、ウツキのほかに7人の家族が同居しており、それぞれが『悪気はないが一癖ある』存在。
夜ごとに窓際に現れるカラスは主人公に、そこにいるのは危険だと告げ、「大事なお役目」のためにここから出ようと誘います。
果たして主人公は、無事、記憶を取り戻してここを出ることができるのでしょうか?


という感じのお話ですー
なにしろ住人たちがいろんな面で常識がズレてたり「手加減」ってものを知らないので、途中でバッドエンドもいくつかあるのですが。基本的にはほっこり可愛い路線。

というか、二等身の大きめキャラのグラフィックが、やたら可愛いんですよねー!
主人公もそうだけど、各キャラそれぞれ魅力的で好感持てます。
ミギメヒダリメのグラフィックのポーズが実にあざとい!
ミミは普通にかっこいいし、キバちゃんはかわいい(口開けたときのギャップもいい)
カイナの、見た目に似合わぬ優しい主夫っぷりもステキ。
シンさんの渋い魅力も良いですぞ!
アシは……www なんか憎めない。グラがイケメンなせいもあるけどキモ可愛い。
そしてウツキは、正体に似合わない真面目っぷりに惹かれますー

イベントをこなしていくうちに、住人全員が主人公大好きになっちゃうところが、なんとも微笑ましい。
プレイして、心が温かくなる良いゲームでした。

エンドはいくつあるのかわかりませんが、一応、バッド1~4までは見ました…あとは真エンド。
分岐はわりとわかりやすい…と思う。
気になる部分は放置せず、その日できることは全てきっちりやって翌日を迎えましょう。

ちなみに、住人とのイベントをこなしたり、仲良くなるとそれぞれのカラーに対応した「火」を貰えます。
これ自体は攻略に関係ないんですが、集めておくとオマケ部屋で嬉しいことが。
あっ、最初にさまよってる「森」はしっかり探索してくださいね~


可愛いグラを見て、心惹かれた方はぜひどうぞ!

慟哭のオルフェウス

2018-04-14 17:54:40 | フリーゲーム(ファンタジー)
慟哭のオルフェウス
ダンジョン探索RPG・アツマール・エンディングはプレイヤー次第
制作者:モッチン様(パラディンワークス

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「魔剣マーネステラ」と出会い、そのマスターとなった主人公が、冒険者たちの心残りを解消するために、一緒に冥界の奥へと潜ってゆくゲームです。

グラフィックがやたら美しいし、シナリオもまた、それに負けずに面白かったんですよね。
仲間たちとの絆は…身の上話が全部「語り」で終わるので、んーちょっと単調で盛り上がりに欠けるかなぁ…なんて思いながら進んでいったんですが、メインは実はそこじゃなかったという。
トゥルーエンド?で明らかになる真実に「あれ??」と驚きました。
知ってから最初の方をやりなおすと、確かに…伏線はもう最初から張られてるんですよね。うまい!

エンディングは3種類。
冒険者たちは、心残りを解消すると地上に帰ろうとするんですが、そこで引き留めると、いつでもパーティに入って戦ってくれるようになります。
引き留めないと、その代わりにマーネステラが強化されていきます。
どちらを選ぶのもプレイヤーの自由。
とはいえ、マーネステラを鍛えて見られるエンディングは、最後の選択肢でも分岐できるようなので…
とりあえず、最後の仲間のガンリュウを引き留める直前のデータをとっておけば、エンドコンプが簡単なんじゃないかな?

全体的に、戦闘難易度はさほど高くなく、物語と分岐を愉しむRPGと言えましょう。
RPGは時間がかかってちょっと…みたいな人でも十分遊べるゲームだと思います。

ちなみに「仲間とベッドインすると好感度アップ」という意味深な説明がありますが…
眠っても特別な演出はありません!(←w)期待した方アウトぉ!

私ですか? も ち ろ ん 期 待 し て ま し た と も ! 畜生!w

私的にはカーネリアより、グレイスターのグラフィックが工ロくてお気に入りです!
こんな宣教師いたらヤバいと思う…;その半裸の恰好で、一体どうやって布教するつもり…!



で、このゲームが面白かったので…作者さんの過去作も、いくつかプレイしてみましたぞよ。



「ソードオブパラディン1~3」

長めのRPG…最後までできるかな?と思いつつプレイしたんですが、杞憂でした。
とにかくゲーム進行がサックサクなんですよ。
寄り道要素もほぼなく、プレイヤーがあまり悩まずに一本道で進める感じ。

ボスキャラ戦でも、戦闘中にキャラが突然スゴイ技に目覚めて一気に敵を倒したりするんで、イメージとしてはゲームというより、「プレイできる少年漫画」って感じですねえ。
まあ、難易度が低いということは、多くの人に最後までプレイして貰え、かつ繰り返しプレイが容易だということでもあって。
お気に入りの漫画を読み返すように、気負わず何度もプレイできるタイプのゲームだと思います。

このままでも充分面白いんだけれど、グラフィックにオリジナリティがあったら、もっと人気出そう?
ちなみに「オルフェウス」や最近開発している作品では、絵師様たちに協力していただいて、オリジナルのキャラグラを使っているようなので、この先が非常に楽しみです。

レベルが上がると自然に仲間をかばうネイドがいかにも騎士らしい!一騎打ち楽しい!
少年少女ご用達のファンタジーかと思いきや、ナチュラルにオトナ展開を盛り込んでくる作風には驚きました。
男女関係なく、自然に誘って誘われる感じが、オープンでイヤラシイ感じがしないっす。うん。いいね。

…しかし、女性が絶倫設定って目新しいな…


「スピアーズオブヴァルキリー」

話運びは相変わらず面白いんですが、システムがすごく重い!
そんだけ演出が凝ってる、ってことなんでしょうが、うちのボロパソだと戦闘中に固まって辛かった…;

シナリオは、ソードオブパラディンの10年前?くらいの時代設定。
続けてプレイしたので、懐かしい顔ぶれもいっぱい出てきて楽しかったっす。
オリジナルのグラが可愛くて良い!
ただ、他の登場人物はそのまま素材顔の人も多いためパラディンからの「10年間」のタイムラグ…
つまり「キャラの年齢」が一目でわかりにくいのが、少々残念でした。

例えば海賊くんはヴァルキリーでは14才?くらいで、パラディンでは24才くらい?
行動自体は血気盛んな少年のものなのですけど、グラがそのままなので…いまいち「若さ」が伝わりにくい…
下手すると主人公のほうが少年に見えてしまうという…

制作中の話では、ネイドとザッシュが再会してくれそうな雰囲気…???



サクサク系とはいえ、全部プレイするのに3日くらいかかったわ…
先が気になって次次次!ってどんどんプレイしちゃうところも、バリバリ少年漫画風!
そういうのが好きな方に、激おすすめよー

魔鏡探偵ピノ・ノワール 〜機械仕掛けのドールハウス〜

2018-04-10 00:00:45 | フリーゲーム(ファンタジー)
魔鏡探偵ピノ・ノワール 〜機械仕掛けのドールハウス〜
探索推理ADV・アツマール・
制作者:ゆめのか様(ぴんくぶらっく

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とある家に住む、人形師とその妻が失踪してしまった事件について、娘のミュラーから依頼を受けたピノ・ノワール。
その館は防犯のためのからくりも多く、自警団の捜査も難航している様子。
鏡の中に住む「先生」の助けを得て、二人の行方を探し出そう!!


…という感じの話です。
実際は、事件のアレコレや登場人物…そして「ピノ・ノワール」自身の身の上もいろいろワケアリなんですが、そこを話し出すと、きっとプレイする楽しみ半減しちゃうと思うので、詳しいところは皆さま実際にその目でお確かめください!

推理ゲーと言いつつも、べつに殺人が起こるわけでも、一人づつ人が死ぬでもなく…
エンディングもマイルドで可愛い仕上がりになってますので、血っぽい描写が苦手な方も大丈夫!
登場人物も、みんな良い人なんですよ。
作中、出てくる人たちの心の中?本音?みたいなものを見られるシーンがあるのですが…みんな、全然黒くないんですよね!(←w)
失踪した二人を心配してたり、娘さんを心配してたり、全然意外性ないのが、かえって意外というか…
いや、単に私がホラー展開に毒されすぎってだけのことなんでしょうけど^^;

その流れで、最初から最後まで、ほんわか暖かい気分でプレイできました。
謎解きの難易度も高くありませんので、探索系をプレイし慣れた方なら一発トゥルーに行けるはず。
自信を持って、お子様からご老人までオススメできる良ゲームでした!

ノワール探偵の問題は何一つ解決していませんし、さらに新たな仲間が増えた…ということは…
これ、シリーズ化して続いていくのでしょうか?
また一つ楽しみなシリーズが増えて嬉しい限りです。

ご興味を持たれた方はぜひプレイどぞ~







個人的にはマルベックさんが好きですねw
トゥルーエンド最後の、走ってくるシーンは想像すると笑えます~

KAREN Eve Anthem

2018-04-09 00:00:49 | フリーゲーム(ファンタジー)
「KAREN Eve Anthem」
ダークファンタジーRPG・乙女風味
制作者:みんとぼし様(ぴくにっく。

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魔物の城へと攫われてしまった少女、かれん。
魔物が言うには、どうやら、彼女の身体には彼らの王である「死神」が宿っていて、その死をもってこの世に復活を果たしてしまうらしい。
王だ神だと言われても、人間のかれんは、ただの幼い少女に過ぎない。
閉じ込められて、明日には殺されてしまう運命にただ怯えていると、突然目の前に『女神の使い』と名乗る青年・聖夜が助けに現れた。
身体の中の「死神」を倒し、この世界と自分自身とを救うため…女神の加護のあるアイテム「エーテル」を求めて、かれんは聖夜とともに旅立つことを決心する。


思ってたより少女向け&糖度高めで可愛い話でした~
ま、糖度高めと言っても、主人公のかれんちゃんはまだ幼いので、純愛路線の甘さなのですが。
そこがかえって、プレイしていてくすぐったい気分になるゲームです。

魔物の王をその身に宿し、いわば復活のための生贄のような薄幸の少女と、敵対する女神側の使徒でありながら少女を守り助けようとする青年の恋!
なんちゅーか凄く!ドラマチックで、どうなるか気になる良い設定じゃないです?

RPGとしても、それほど長いゲームではないので、気になった方はぜひプレイしてみて下さいね~

ちなみに、私がクリアしたのはレベル28…だったかな。
エクストラダンジョン?の天界の試練をクリアしようと思うともう少しかかるんですが、メインシナリオだけなら、装備さえしっかりしてれば、そのくらいで余裕で行けるはず。


エンドは3つ。バッド・ノーマル・ハッピー。
バッドとノーマルの分岐は、最後の街でのイベントの選択肢によるので、苦労なくみられると思いますが、問題はハッピーエンド。
あっちこっちにある、好感度イベントを全て見ないと、このエンドの選択肢が出てきません。
中には、言われたとおりに進んでいるだけでは見られないイベントもありますので、くれぐれもマップは隅々まで!しっかり探索しましょう。

どうしてもわからなければ、作者様のサイトに攻略情報がありますので参考にどうぞ!




純愛系の可愛いラブストーリーが好きな方におすすめです。

蜘蛛の意図

2018-04-01 12:57:13 | フリーゲーム(ファンタジー)
「蜘蛛の意図」
解脱系RPG・六道輪廻のそのまた向こう
制作者:あまなつ様(あまなつ館

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うおー、どこまで行っても回復ポイントがねぇー!
ドロ率悪いし、手持ちアイテムが枯渇する!もうあとは逃げるしかない!
ん…? でも、なんとなくこの感じ、いつかどこかで……??

…と思ったら、やはりこの作者様でしたか…
気付いたとき、思わず笑ってしまいました!フフフ…

今回は、芥川の「蜘蛛の糸」をベースにしたお話ですが、相変わらず独自の解釈が面白いです。
一匹助けるつもりが、ワラワラ大勢の蜘蛛が昇ってきたのを見て、おもわず「うわっ!」と手を放してしまったお釈迦様wwww
いや、同じ状況になったら私も手放すだろうけどwww
自分一人助かろうとした心の醜さゆえではなく「そんな大勢来られても」みたいな理由で落とされたとか、なんという斬新かつ説得力のある話かと感心しました。
ちょww仏ww


とりあえず、モンスターグラフィックがなかなか良い感じにグロいです。
一番最初に戦うはずの、近くの敵グラがアレっていうのが狙ってますね!!
…てか、この素材あるのは知ってたけど、使ってるの初めて見た…ような…?
いずれにしても、次はどんなビジュアルの敵だろう?と、俄然やる気が増しますわぁ。

マップは「六道輪廻」を順にめぐっていく作り…ほぼ一本道なので、とりあえず進めばよろしい。
回復ポイントは大体、各ステージのボスキャラ手前にありますよん。
敵はたまーにアイテムを落としてくれますが、ドロ率はぜんぜん高くないので…
回復アイテムは、各ステージのどこかにいる道具屋さんを見つけて買うことになるんです、が…
実は、不死の敵以外は一度倒せばもう出てこない仕様。つまり、ゲームの前半は手に入るお金は限りがあるということです。ご利用は計画的に!


エンドは3種…かな?
狐の女の子とのハッピーエンド、蜘蛛に戻って最初から、六道解脱、の三種類。
どれもなかなか余韻の残る、いいエンドでした。
何気に道具屋さんが重要人物????



割とサクサク遊べるいいボリュームで、楽しいゲームでした。
ちなみに、私が解脱したときのレベルは、主人公がレベル33。
たぶん、もっと早くてもラスボス行けると思います。
私は道具屋が仲間に入ってくれるのを見逃して、そこのステージのボス倒しちゃったんで…
レベルに差が出てしまい、最後は道具屋だけのためにレベリングが必要になってしまったんだな…;


六道輪廻や、芥川の「蜘蛛の糸」を知ってるとより楽しめるゲームです。
そのテのキーワードで興味の沸いた方はプレイどうぞー

アントロポセン

2018-03-22 13:34:58 | フリーゲーム(ファンタジー)
アントロポセン
探索ADV・スチームパンク・お金最強
制作者:ちvero様

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ときは19世紀。1889年の機関都市アントロポセン。
都市機能を維持する主要なテクノロジーは全て「L社」が独占しており、住民の貧富の差が激しいこの街の最下層…放棄された炭坑で、一人の少女が、いま、目覚める。


というわけで、ゴシックな服装を身に付けた可愛い少女たちがおりなす「エゴ」の物語、開幕ですー

いや~…なんていうかね。とても、欲望に忠実な物語でした!ww
その場の状況に応じて、登場人物全員がコロコロと掌を返していくので、本当に先が読めないw
作品全体を彩る軽妙な語りと、人間性を無視した駆け引きとw 
特にメリルあたりはけっこう非道なことをしているのに、不思議と憎めないのはキャラの魅力か、作者様の持ち味のおかげでしょうか。

まあ…普通に考えて「自分の命」以上に大事なものはありません。
子供さんには理解しずらいかもしれないけど「お金」も大事よ。
厳しい現実の前には、なかなかモラルや理想は…優先順位をつけづらいものっすね。

グラフィックは、マップ・キャラグラとも、今回も手描き!
全体にダークな印象の色合いと、ビルギットをはじめとした少女たちのグラが可愛いわー^^
過去作の設定やキャラ、マップなども出てくるので、「PYGMA」「ストロベリー・ヒル・ホテル」からプレイしている人には、ニヤリとしてしまう部分も。
今作をプレイして気になった方は、ぜひとも、そちらもプレイしてみると良いですぞ!

ちなみに作中、何カ所か年齢制限的な???スチルが随所に入るんです……が…
これで「おおお!↑↑」と思えるのはちょいとマニアックな嗜好の人じゃないでしょーかねぇ……
…こういうのジャンル的になんて言うんだろう?



えーと、あとは…戦闘システムについて。基本『お金を消費して攻撃』するシステムなんですよ。
なので、へんに頑張りすぎると、お金がどんどんなくなってしまう。
しかも、レベルアップの概念はありませんので、実は、戦う必要…というか、メリットってほとんどない。
まあ…序盤とか、使う金額より貰えるお金のほうが多い場合は、貯蓄の意味で戦ってみてもいいかな?って程度…?
(実のところ、手持ち金1000s持ってなくても、払ったことにして勝てるヌルゲー仕様なので、お金儲けの意味も…なかったり…)


問題はボスですね…中盤のキメラ戦。これ、マトモに戦うと、すごく損します←www
回復力高すぎて、全額使って、ポケマネ全部つぎ込んでもなかなか倒せない。
そしてプレイヤーはふと気付くわけです。

……これって1000s払って終わらせたほうがはるかに得じゃね?と!

まだまだ話中盤なのに、ここで全額つぎ込んでどうするよ!!と我に返るというか…;
このあたりは、作りがうまいわ~
その場その場で、どういう選択が一番損しないか、得するか…と考え続ける登場人物たちと、同じ選択を画面のこっちで迫られるプレイヤー、という妙な図式ww
前作のストロベリーヒルでも、最後にプレイヤーをシナリオの一部に取り込んでしまう構成を見せてくれた作者様ですが、今回も面白い仕掛けですね。

…しかし作中の流れを考えると、ここに早く気付く人ほどデジタルな思考ってことになる…のかな?
有り金はたいてもムキになって倒そうとした人は人間らしい人間…ってこと?
わあ、私は機械寄りかw

ちなみにラスボスは、有り金ゼロから戦闘スタートしますが、素直に通常攻撃なんかしなくてもよろしい。
そんな時のためのポケットマネーです! 世の中ゼニや!



魅せ方が上手なので、最後までぐいぐい引き込まれるようにプレイしてしまいました。
重厚なBGMもあいまって、スチームパンクな世界観が好きな方にはとくにおすすめー










エンディング後の感想。
世界が滅ぶ原因は大体メリルのせい。

Feliestasha -フェリエスターシャ-

2018-03-17 14:06:17 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Feliestasha -フェリエスターシャ-」
ファンタジーRPG・ちょっといい話
制作者:露木佑太郎様(現在進行形

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近くの村で薬師として働くリエンは、雪の中でしか採れない薬草を探し、悪魔の山と呼ばれるこの場所にやってきた。
しかし、今まで常に吹雪いていたはずのそこには、なぜか全く雪がなく、目指す薬草も見つからない。
そんな中で出会った女の子・フェリエスターシャは、自分がこの山に住む雪女であると打ち明け、自分よりも力の強い何者かがいるせいで、雪を降らせることができないと語る。
フェリエスターシャの独特な軽さに翻弄されるうち、なりゆきで行動をともにすることになったリエン。
果たしてお互いの目的を達することはできるのか。


まず目を惹くのは、可愛くデフォルメされたグラフィック!
主要キャラの立ち絵はもちろん、モンスターグラフィックも雰囲気にあっててイイ感じ。
戦闘画面のキャラグラのポーズも、いまにも動き出しそうで可愛いー!
薄着の雪女・フェリエスターシャの性格設定は、ギャルギャルしい軽さ全開で、会話してて気が抜けるのですが…そこがいい感じに作品の印象を明るくしてくれてますー。
合間に挟まるリエンとの会話も終始ゆるゆるなので、ゆっくりまったりレベ上げしつつ、楽しく山登りできました。

で、最後までこのグラと雰囲気でいくのかと思ったら、要所要所には本気絵の美麗スチルも入っているっていうね!
意外性があると同時に思わず見惚れてしまいました。特に温泉(?)のシーン!必見必見!

最終的には、いろいろこの山の真実やリエンくんの生い立ちなどもわかるのですが…
どこかほろ苦い過去話とともに、二人の間にあった不思議な縁を知り、じんわりと暖かい気持ちでエンディングを迎えられました。
別に感動!ってほど強くなく、号泣!ってほど哀しくもない。
いろいろとないまぜになった、不思議な優しい後味の物語でした。

粘ってもエンディングまで数時間とかからないボリュームと難易度ですので、気になった方はプレイどぞ~












てっきり、雪女はみんなフェリエスターシャみたいな恰好が標準装備なのかと思ったら、ラスボス見る限り、そうでもないのね…?
あの服は個人の趣味ってことなのね…;