やけにギョーザが食べくなる昨今である
これだけ物質名が連呼されることも珍しいので
久しぶりに分子模型をいじってみた
メタミドホスもジクロルボスも有機リン系殺虫剤の仲間だ
主に農薬として使われることが多い
ちなみに家庭用で多く使われるピレスロイド系殺虫剤についてはココで紹介済みだ
有機リン系殺虫剤としては
学校で使ったものを一度紹介しているが
もう一度提示する
PAP(フェントエイト)
ジメチルジチオホスホリルフェニル酢酸メチル
左側の大きな黄色い原子がリン原子
有機リン系と呼ばれる由縁である
クロルピリホス
チオリン酸O,O-ジエチル-O-(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジル)
シロアリを殺すために住宅建材に使われた
PAPと比べると
塩素原子(緑色)が含まれているのがわかる
ジクロルボス
ジメチル2,2-ジクロルビニルホスフェイト
ギョーザに入って有名になった殺虫剤だが
吊るす「バポナ」にも入っている
もちろんバポナは食い物ではないので問題ない
メタミドホス
ホスホルアミドチオ酸-O,S-ジメチル
1ヶ月前まではこんなに有名になる筈のなかった農薬
日本では使われていない
中国でも使用禁止だがまだ使用されているらしい
分子構造としては
リンに繋がっていた酸素原子(赤)が
一つ硫黄(黄色)に変わっているのが特徴的
サリン
メチルホスホノフルオリド酸イソプロピル
農薬(殺虫剤)として作られたにもかかわらず
強力過ぎて殺人剤になってしまった
オウム真理教による地下鉄サリン事件はあまりにも有名
リン原子に今度はフッ素(灰色)が繋がっている
VXガス
O-エチル-S-(2-ジイソプロピルアミノエチル)メチルホスホノチオラート
こちらは最初から兵器として作られた
ガスと呼ばれているが粘り気のある液体
これらの有機リン系化合物は
アセチルコリンエステラーゼという酵素と結びついて拘束し
アセチルコリンの分解を阻害することによって
神経系を駄目にする
ここまで写真をみてこの黄色と赤(リン酸部分)が
問題箇所だと分かったと思うが
リン原子自体が毒性を持つわけではないということを
ご理解頂きたい
リンはDNAやATPなどに含まれているように
生物が生きるためになくてはならない元素である
DNA
生き物に不可欠だからこそ
それに似た化学物質である有機リン系化合物は
毒性を示すようになったとも考えられる
今回は写真に構造式を添えてみた
科学に親しんでいる者にとっては
分かりやすくなったのではないかと思うが
非常に面倒だった
次はやめようかな