分子模型図鑑の本線に戻ろう
本線は多糖類(4月10日)以来だから
もう1ヶ月も枝道に逸れていたようだ
本線のおさらいをする
水酸基(ヒドロキシ基・ヒドロキシル基)
①炭化水素に水酸基がついた化合物を
アルコールという
アルコールは水とも油とも仲よし
②水酸基が増えると甘くなりがち
糖類には水酸基がいっぱい付いている
③糖はどんどん繋がって巨大分子を作る
さて今日は芳香族炭化水素に水酸基がついた化合物
その名を「フェノール類」という
フェノール
これがフェノールだ
ベンゼンに水酸基が1個付いた形をしている
「アルコール」の回に一緒に紹介すればいいのに
と思われるかもしれないが
フェノールはアルコールとは全く異なる性格なのだ
ベンゼン環の上下では
電子がドーナツ状の共鳴状態にある
そしてこのドーナツが
水酸基の電子も引っ張り込むのである
電子を取られた水素は
親元を離れて旅に出るのだ
この旅に出た水素が問題で
これを水素イオンと呼ぶ
「酸」の正体である
すなわち
フェノールはアルコールではなく酸なのだ
フェノール水溶液は
病院の消毒液などに使われている
キシレンに水酸基が1個付いたものだ
左から
o-(オルト)クレゾール
m-(メタ)クレゾール
p-(パラ)クレゾール
「パラクレゾール」って耳に覚えがありますね
「うじ殺しの殺虫剤」だった
2価フェノールの皆さん
ベンゼンに水酸基が2個付いたもの
左からカテコール
レゾルシノール
ハイドロキノン
まぎらわしい
m-カテコール、p-カテコールでいいじゃん
と思うのだが・・・
なぜいちいち別の名前をつけたのか
腑に落ちない
それぞれ様々な原材料になっている
ポリフェノールに使われる部品
ベンゼンに水酸基が3個付いている
窮屈だろうから離れて座れば?
っていいたくなる
ナフトール
ナフタレンに水酸基1個
左から1-ナフトール
2-ナフトール
水酸基が付く場所が
いっぱいあるように見えるが
実はこの2種類しかない
考えてみてね(裏返したりして)
染料の原料として使われる
次回はフェノールという言葉から
想像されるであろうポリフェノールについて語る