日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

フェノール(分子模型)

2007-05-08 | 分子模型図鑑

分子模型図鑑の本線に戻ろう
本線は多糖類(4月10日)以来だから
もう1ヶ月も枝道に逸れていたようだ
 
本線のおさらいをする

 
水酸基(ヒドロキシ基・ヒドロキシル基)

Photo_129

①炭化水素に水酸基がついた化合物を
 アルコールという
 アルコールは水とも油とも仲よし
②水酸基が増えると甘くなりがち
 糖類には水酸基がいっぱい付いている
③糖はどんどん繋がって巨大分子を作る

 
 
さて今日は芳香族炭化水素に水酸基がついた化合物
その名を「フェノール類」という

 

フェノール

Photo_130
これがフェノールだ
ベンゼンに水酸基が1個付いた形をしている
「アルコール」の回に一緒に紹介すればいいのに
と思われるかもしれないが
フェノールはアルコールとは全く異なる性格なのだ
 
ベンゼン環の上下では
電子がドーナツ状の共鳴状態にある
Dsc06487

そしてこのドーナツが
水酸基の電子も引っ張り込むのである
 
電子を取られた水素は
親元を離れて旅に出るのだ

Dsc06486
 
この旅に出た水素が問題で
これを水素イオンと呼ぶ
「酸」の正体である
すなわち
フェノールはアルコールではなく酸なのだ
フェノール水溶液は
病院の消毒液などに使われている

 
クレゾール
Photo_131

キシレンに水酸基が1個付いたものだ
左から
o-(オルト)クレゾール
m-(メタ)クレゾール
p-(パラ)クレゾール

「パラクレゾール」って耳に覚えがありますね
「うじ殺しの殺虫剤」だった
 
2価フェノールの皆さん 

Photo_132

ベンゼンに水酸基が2個付いたもの
左からカテコール
   レゾルシノール
   ハイドロキノン

まぎらわしい
m-カテコール、p-カテコールでいいじゃん
と思うのだが・・・
なぜいちいち別の名前をつけたのか
腑に落ちない
それぞれ様々な原材料になっている
ポリフェノールに使われる部品
 

ピロガロール
Photo_133

ベンゼンに水酸基が3個付いている
窮屈だろうから離れて座れば?
っていいたくなる
 
ナフトール

Photo_134
ナフタレンに水酸基1個
左から1-ナフトール
   2-ナフトール
水酸基が付く場所が
いっぱいあるように見えるが
実はこの2種類しかない

考えてみてね(裏返したりして)
染料の原料として使われる

 

次回はフェノールという言葉から

想像されるであろうポリフェノールについて語る

コメント
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