SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

ふんぞりかえっているのは誰か

2009年04月11日 | Weblog
 村上隆が日本の有名批評家を挑発している。「フランスで勝負できもしねえくせして、日本でふんぞりかえっているんじゃねえよ」と。しかし、それが「勝負」であるかどうかはともかく、たとえば『「歴史の終わり」を越えて』(中公文庫)を読んでも分かるとおり、浅田彰はフランスの思想家たちとガチに対話し、しかも「御説拝聴ではなくて、しっかり議論して、むしろ押している(福田和也の解説より)」のである。そして、それでいてつねに「私のことなどどうでもいい」とすこぶる謙虚で、およそ「ふんぞりかえっている」ようには見えない。むしろ「ふんぞりかえっている」のは村上隆の方であり、誰がどう見たって「いかがわしい」のも村上隆の方である。おそらく村上隆が「世界で勝っても日本では負けた」(本人談)のは、日本人の批評技術が、ある部分で世界的に勝っているからである。実際、日本の批評家がフランスの批評家と「勝負」しても負けるとは思えない。とくに表象論系の批評は、かつてフーコー研究で世界ランキングのトップを誇るくらいレベルが高かったのである。ようするに村上隆は世界のヌルい批評家は騙せても、技術的に異様に発達した日本の批評家を騙すことはできなかったのである。しかしなぜ日本で批評的技術が異様に発達したのかは不明だが。

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