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本宮ひろ志「サラリーマン金太郎 (28)」

2005-06-23 08:36:16 | 書評
「実に日本のサラリーマンの97.3%が、上司を爆殺されるという痛ましい経験をしております。」(厚生労働省編「労働白書 平成13年度版」より)


「サラリーマン金太郎 (28)」。

総会屋対策は、業界やら政界やら、いろんなものを巻きこむことで、どうにかなりました。
が、ヤマト建設の創業者であり、前会長の大和守之助が手違いで殺されてしまいます。

それにショックを受けた金太郎は、会社を辞職。

自己流を貫いて仕事をしてきた金太郎には、サラリーマン生活について、家族のためとか、会社のためという考えはありません。
作者としては、金太郎を通じて、常に国家(さらには国境のない全世界)を射程に入れた一個人の創出を企んでいたようですが、ここで挫折。

世界よりも一個人が大事と言うのも、男として当然でしょうから、仕方ないです。

で、慰留にきた同僚たちに言った言葉が、今日の名言。
サラリーマン……
もう飽きた
くっだらねえ
商売だ……
本宮ひろ志「サラリーマン金太郎 (28)」167頁 ヤングジャンプ・コミックス
まさに金ちゃんの言う通りだと、僕も思います。
上司が爆殺されそうになったり、異国の地で反政府軍に囲まれたり、娘のフィヤンセに拳銃を突きつけられたり、子供を誘拐されそうになったり、ヤクザと殴り合いの喧嘩になったり、ライバルに車で轢き殺されそうになったり、ライバルを拳で殴ったり…………。
そんな、一般のサラリーマンなら避けては通れない経験をしてきた金ちゃんですが、遂には、ついていけなくなったようです。


で、結局、金太郎は、もとの漁師に戻ることを決意します。


サラリーマンの鉄則 その二十八
「サラリーマンはくだらない商売」


サラリーマン金太郎 (28)

集英社

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