GOVAP便り

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帰れない者たちへ

2007-01-01 02:47:33 | 
去年はダナンのホテルで年を越したので、サイゴンでの年越しは二年振りです。今までどうやってこの日を迎えていたかを思い出そうとしても余り思い出せません。5・6年前には一度サイゴンの街に出てみたことがありました。クリスマスイブほどではありませんが、それなりに賑やかな深夜で、気温も低く今年より肌寒かったようです。

近所の家のカラオケ騒音が不愉快なのでCDを引っ張り出して聴くことにしました。女の子の可愛い歌声ならともかく、聞こえてくるのは酔っ払いオヤジのド演歌ばかりです。一区のホテルのバーにでも避難してライブを聴きながら年越しという手も考えましたが、生憎昨晩から下痢気味で出掛ける気にはなれません。

何枚かCDを掛けてるうちに中島みゆきの「帰れない者たちへ」というシングルがありました。この人の歌には以前にもドキッとさせられるものがありましたが、一体何を想って歌ったものだろうか、と考えさせられる歌でした。自分的には正月に帰れないだけのことであって、帰れないことの重さをさほど感じるわけではありません。それでも大晦日の今日聴くことによって初めて知る世界です。旧満州の残留者なのだろうか、拉致被害者なのでしょうか?レンタルショップのシールの貼られたジャケットを見ると今年発売されたCDのようです。

「帰れない歳月を 夢だけがさかのぼる」「帰れない者たちが 月に泣く十三夜」
きょうは、十一夜でしょうか。バイクを走らせて月を見てきました。まだ少し歪んでますが、間もなく満月です。ベトナムに来て僕自身、月を見ることが多くなったのは、旧暦が残っているというだけでもなさそうです。異国生活を象徴するようなものなのでしょう。「笑う月」に追いかけられる夢の恐怖というものへの想像力は働きませんが、「月に泣く十三夜」には心が沁みます。

今年もまた一年をじっくりと振り返ったり、新年の抱負を考えるなどということなく終わってしまいました。年明け早々の深夜だというのに近所のオバサンの喚き散らす声が聞こえて来ます。テトは日本で過ごす予定なので、今年は新旧正月両方共何もせずに通過してしまいそうです。


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