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(問) 約20坪を借地し、鉄骨3階建建物を所有している。本年8月末が借地契約の更新である。15年前の更新の際、私が更新料を半分に値切ったところ、地主は借地期間も半分になるのが理窟だと言って、それまでの30年契約を15年に縮めてしまった。ところが友人に、15年という契約期間は認められない筈だと言われたが、どうなのか。
(答) 相談者の契約は借地借家法(1992年8月1日)施行以前の契約なので、「借地契約の更新に関する経過措置」(借地借家法附則6条)により、旧借地法が適用される。
既に存在している借地契約を当事者の合意によって更新する場合に当事者が借地権の存続期間を約定することは自由である。
だが、その最短期間は堅固な建物については30年、その他の建物は20年とされている(借地法5条1項)。それ以下の期間を定めても、借地法5条1項の最短期間制限に抵触し、借地人に不利益な契約条件であるとして法律上効力がないものとして取扱われる(借地法11条)。
「合意による契約の更新において借地権の法定存続期間よりも短い期間を定めても、その特約は無効であり、堅固な建物については30年、非堅固な建物については20年の存続期間が与えられる」(東京高裁1955年5月30日判決)ということになる。
「更新契約によって更新後の期間を定めなかった時の存続期間は、更新の時から起算して、堅固建物については30年、非堅固建物については20年とする」(借地法5条1項)。従来の判例は存続期間をこのように借地法5条1項の「更新後の期間を定めなかった時の存続期間」の規定に拠った解釈をしていた。
しかし、最高裁判所大法廷は、「建物所有を目的とする土地の賃貸借契約において、借地法2条2項所定より短い期間を定めた場合には、右存続期間の約定は同法11条により定めなかったものとみなされ、右賃貸借の存続期間は、借地法2条1項の本文によって定まる」(最高裁1969年11月26日判決)との統一解釈を示した。
借地法2条1項は、借地権の存続期間について契約で借地権の存続期間を決めなかった場合は鉄骨造や鉄筋コンクリート造等の堅固建物の所有を目的とするものは60年、その他の建物は30年と法定存続期間を定めている。借地法2条2項では当事者間に約定がある場合は最短期間を堅固建物は30年以上、木造建等の非堅固建物は20年以上と規定している。この存続期間の定めに反する特約で借地人に不利なものは無効とされる(借地法11条)。
最高裁の判例に基づけば、相談者の場合は、借地期間が15年の契約なので、借地権の最短約定存続期間に満たない期間の約定は借地法2条2項に抵触し、借地法11条により借地人に不利な契約条件として無効になる。約定は定めなかったものとして扱われ、存続期間については当事者間に何らの合意も存続しなかった場合として扱われ、借地法2条1項本文から堅固建物所有目的の借地権は60年の存続期間となる。従って、相談者の残存借地期間は後45年間存続することになる。
また、木造など非堅固建物の約定存続期間(20年)よりも短い期間を仮に当事者の合意で定めたとしても、当事者の意思に関係なく期間は30年と法定される。
借地法の考え方には借地人に出来る限り長期の存続期間を確保しようという意図が根底にある。それ故、最短期間には制限があるが、最長期間に関しては制限がない。
参考法令
借地法
第2条 借地権の存続期間は石造、土造、煉瓦造又はこれに類する堅固な建物の所有を目的とするものについては60年、その他の建物の所有を目的とするものについては30年とする。但し建物がこの期間の満了前に朽廃したときは、借地権はこれによって消滅する。
2 契約で堅固な建物について30年以上、その他の建物について20年以上の存続期間を定めたときは、借地権は、前項の規定に拘らず、その期間の満了によって消滅する。
第11条 第2条、第4条~第8条の2、第9条の2(第9条の4でこれを準用する場合を含む)及び10条の規定に反する契約条件で、借地権者に不利なものはこれを定めなかったものとして扱う。
東京・台東借地借家人組合
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