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判例紹介
抵当権者が物上代位に基づき賃料を差押え後、賃貸借契約が終了し目的物を明け渡した場合、賃借人が敷金を賃料に充当することができるとされた事例 (最高裁平成14年3月28日判決、判例時報1783号42頁)
(事案の概要)
X(信託銀行=抵当権者)は、A(建物所有者)との間で、A所有建物について根抵当権を設定した。AはB(賃借人)に対して建物を賃貸し、BはY(転借人)に対しさらに建物を賃貸した。
転貸借契約において、YはBに対し敷金1000万円を預託した。
XはAが借入金の返済をしないため、根抵当権の物上代位権に基づき、BがYに対して有する賃料債権を差押えた。
その後、YはBとの間の建物賃貸借契約を解除し、建物を明け渡した。 そして、YはXに対して、敷金により賃料支払債務は消滅したと主張した。
(裁判)
1審は、「敷金返還請求権は、物上代位による差押え後に発生したものであるからYはXに対抗できない。」として、Xの請求を認めた。
2審は、「賃貸借契約が終了し目的物が明渡されたときは、賃料は当然敷金が充当される結果、差押えにかかる賃料債権は消滅すると解さざるを得ない。」として、Xの請求を棄却した。
最高裁は、「敷金の充当による未払賃料等の消滅は、敷金契約から発生する効果であって相殺のように当事者の意思表示を必要とするものではないから当然消滅の効果が妨げられないこと、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差押える前は、原則として抵当不動産の用益関係に介入できないのであるから、抵当不動産の所有者等は敷金契約を締結するか否かを自由に決定することができることから、敷金が授受された賃貸借契約にかかる賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差押えた場合においても、当該賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されたときは、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅する」と判示した。
(短評)
賃貸人の資力が悪化した際に、賃借人が賃貸借契約を終了させて賃借物件を明け渡せば敷金を賃料債権に充当することによって回収する方策を認めたものである。なお、抵当権者が物上代位権を行使して転貸賃料債権を差押えることは原則として否定されている。(最高裁平成12年4月14日判決)
(2002.08.)
(東借連常任弁護団)
東京借地借家人新聞より
上記最高裁判決に関してはこちらを参照して下さい。最高裁判決が全文掲載されている。
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