何かをすれば何かが変わる

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そして行動を起こし、何かを生み出す。

薬価の逆転現象

2010-02-16 22:44:28 | くすり雑感
 来年度より先発品より薬価の高いジェネリックを使用している場合、数量ベースのカウントから対象外になることになった。
 ジェネリックが医療費抑制を目的としているのだから、ジェネリックを使ってさえいれば先発品より価格の高い薬剤でもよいと考えるのは、身勝手という“空気が読めない”状態だと思う。現在でもそういう逆転現象が起きているジェネリックがあるが、先発品ではないかと思われている向きのある薬剤もあり、処方せんベースの数字を稼ぐだけで、医療費削減には貢献しないという“狡さ”が感じられる。逆転ジェネリックを積極的に使用していると言うのは。ジェネリックを使用しているという意味で正しくもあり、その目的に照らし合わせて適切ではないような気がする。

 ただ、現行では逆転現象が起きていないのに、薬価改定によって「逆転」組に移行してしまう薬剤は、とばっちりを受けたようなものではないだろうか。先発品が廉価販売されたことで値崩れを起こし、勝手に価格暴落されたら、たまったものではない。そういう薬剤には同情できる。

 「逆転」組に入ってしまうことがメーカーにとってコントロール不能である。逆転しないように、ジェネリックも適度に実勢価格を下げるようなことを求められるといたら、それもおかしな話ではないか。

 またジェネリックとは名ばかりの、先発品まがいのジェネリックにも、使用促進の観点からはみれば問題があるのではないか。医療費抑制の観点から見れば、バイアスピリンのような最低価格帯の薬剤はともかく、歴史的な経過の中で先発品が存在せず、同一成分・含量・剤形の薬剤の中で最高価格帯にある先発メーカーが製造販売するジェネリックはジェネリックから除外されてもいいのではないだろうか。

 ジェネリックであれば何でもよいわけではない、価格も重要だ、というのであれば、数量ベースという視点は必ずしも適切ではないことになる。1日薬価が対して安くならなくても、使用量が多ければいいのだ。数量はしれていても、1日薬価が大きく安くなるのであれば、その点でも評価されてもいいのかもしれない。

 あまりいろいろな条件を用意して、いずれもハードルであるとするならば、わかりずらい仕組みになるので、今回は数量ベースという評価になったわけだが、今後は金額ベースの観点も議論されてもいいのかもしれない。

 2012年を待たずして、数量ベースによる評価が導入された。しかし、20%以上にもわずかずつの段階的評価をするという、ある面では前倒しに、ある面ではゆるやかに30%に満たなくてもよいと規定されていく。
 

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