藤田洋子/花冠同人

藤田洋子の俳句ブログ

平成25年花冠6月号

2013-05-05 16:36:50 | Weblog
 柳青みて
ひと雨に山がふくらむ彼岸明け
咲き満ちて濠に撓める花の枝
柳青みて水に照り水に垂る
両手広げて幼ら落花浴ぶ
売り声の丘を巡れり植木市
さわさわと和紙の音して雛納む
 (香川善通寺)
大寺の蘇鉄の艶も春めける

★ひと雨に山がふくらむ彼岸明け
彼岸が明けると、寒さから解放されたように、ひと雨に足りて木々が芽吹き、山がふくらむ。「ひと雨」「彼岸明け」の季節の微妙な変化をよく捉えて秀句となった。(高橋正子)

★柳青みて水に照り水に垂る
「柳青みて」の上七に力強さがある。以下「水に照り水に垂る」の五・五と続く五音のリズムも力強い。柳はしなやかなものとして詠まれることが多いが、この句は柳を力強く詠んで成功した。(高橋正子)

★さわさわと和紙の音して雛納む
雛納めんは、幾分寂しさがつきまとうが、この句はそうではなく、「さわさわと」した気持ちで雛を納めている。雛は美しいままに、次に飾られる日を待つであろう。(高橋正子)

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