俳句の部屋

俳句ブログ 花冠同人/高橋秀之

12月1日~10日

2014-12-12 23:26:37 | Weblog
12月9日

歳末の募金の呼びかけ一列で★★★
空きはなし冬晴れの日の物干し場★★★
川沿いの並木に光の十二月★★★★


12月8日

早暁の東の空には冬の月★★★
真っ白な山を後ろに冬の虹★★★

足跡もなく真っ白に雪の朝★★★★
誰もまだ踏んでいない朝の雪。思いがけずも積もった白くほっこりと、清らかな雪を目に楽しむ作者。(高橋正子)

12月7日

ぽたり落ち続いてドサリと枝の雪★★★★
冬の靄ゆったり流れて山隠す★★★
境内は赤い木の葉と白い雪★★★


12月5日

冬の夜に一斉点灯光の道★★★★
自販機に入らぬ硬貨かじかむ手★★★
北風が選挙の幟をはためかす★★★

12月4日

通り風が体にしみる冬の朝★★★
大空は冬色木の葉は風に舞う★★★★
冬の雨に濡れた靴下まず脱いで★★★


12月3日

冬空に太陽の光はおぼろげに★★★
遠くに見ゆ初冠雪の金剛山★★★★
1日は今年一番の寒波がやってきて、近畿地方で親しまれている。金剛山も初冠雪の姿が遠くから眺められた。以外にも早い初冠雪に、寒い日が思われる。(高橋正子)

目覚ましは北風が雨戸を叩く音★★★

12月1日

鉄塔を大きく跨ぎ冬の虹★★★★
冬の夜イルミネーションが煌々と★★★
葉が落ちて大きな幹が聳え立つ★★★

11月21日~30日

2014-11-28 23:00:36 | Weblog
11月24日

ライトアップに際立つ色彩冬紅葉★★★
冬紅葉の向こうに星の光あり★★★★
立冬を過ぎ、夜間の気温が一段と下がると紅葉がさらに色濃く美しくなる。その紅葉が街灯に照らされているのだろう、向こうにつぶらな星の光が見える。澄んだ大気に、冬紅葉と星の光によい詩情がある。(高橋正子)

鐘の音が冬の夜空へ流れゆく★★★


11月28日

●高橋秀之
星明り冬の南の空遠く★★★★
遊歩道落ち葉重なり赤色に★★★
冬帽子かぶり行ってくるよと声をかけ★★★

11月11日~20日

2014-11-17 10:10:58 | Weblog
11月16日

天保山桜紅葉の続く道★★★★
一枚の桜落葉を手にかざす★★★
冬の日が照らす波間を小舟ゆく★★★


11月15日

冬晴れも青空霞む告別式★★★
冬の朝読経と木魚をたたく音★★★
北風の中を出棺掌を合わす★★★★

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2014-11-12 23:00:07 | Weblog

■11月ネット句会■
■入賞発表/2014年11月12日■

【高橋正子特選/8句】

★箱買いのみかんを荷台に自転車漕ぐ/高橋秀之
冬に入り、食後にお八つにいつも手元にあれば食べるみかんです。箱ごと買って持ち帰れば、子供たちの喜ぶ顔が目に浮かぶ事でしょう。 (桑本栄太郎)
冬になって、いよいよ蜜柑のシーズン。ご家族のために箱ごと買って、自転車の荷台に乗せ家へ持ち帰る。待ちわびるご家族の方々の笑顔も楽しく思い浮かべられます。 (小西 宏)
家族のための箱買いしたみかん。喜ぶ皆の姿を思いながらの、楽しい自転車での帰りです。 (祝恵子)


黄葉の真っ直ぐ連なる御堂筋
齧りかけの林檎がひとつ皿の上


11月11日

雨上がり冬めく朝に日が昇る★★★★
雨のあと、気温が急に下がり冬めいた朝を迎えた。太陽が溌剌と昇ってくるのも、冬を感じさせる景色。
冬の太陽の勢いを「日が昇る」と力強く言い切った。(高橋正子)

鳴き声も足音もなく冬の朝★★★
店頭に並ぶポインセチアの赤い列★★★

11月1日~10日

2014-11-12 22:46:13 | Weblog
11月10日

真っ白な小皿に大根おろし盛る★★★★
皿も真っ白、大根おろしも真っ白で、違うものが馴染みあって小さいながら白の世界を作っている。
俳句形式は個人の何気ない驚きを表現するのが得意。(高橋正子)

大根の太きところをぶつ切りに★★★
大根の熱き煮物を吹き冷ます★★★

11月9日

短日や路面軌道をすれ違う★★★
冬空は薄雲広く隙間なく★★★
鋼索線紅葉の濃さが変わりゆく★★★★

11月8日

山門を過ぎれば紅葉の少しある★★★
初冬の山から近くに琵琶湖見ゆ★★★★
初冬の山に登る。そこの山からの眺めに琵琶湖がすぐ近くに見える。初冬の山のほっこりとした感じや、水を湛えた琵琶湖が間近に見えることは、生活に変化のある新鮮なことだ。(高橋正子)

暮れ早し浜大津港に船戻る★★★

11月7日

気が付けば嬉し恥ずかし小菊咲く★★★
陽は南小さい菊も同じ向き★★★

秋深し星の明るき帰り道★★★★
秋が深まり、空気もますます澄んできて、夜空の星も明るさを増す。帰宅の道に明るい星が出ていると、一日の疲れも、癒されよう。(高橋正子)

10月21日~31日

2014-11-12 22:42:45 | Weblog
10月27日
大皿に柿と五本の爪楊枝★★★★
薄紅葉一雨ごとに濃い色に★★★
秋時雨地下鉄出口の人だかり★★★

10月26日
秋晴れとジャズのリズムでマラソンす★★★
ゴールしてまずはみかんを丸かじり★★★

走る間は潮の香りと秋の空★★★★
マラソンなどで走るときは、何も考えず、ひたすら走る。海沿いを走れば潮の香りがしてくる。真っ青な秋の空が広がる。走る苦しさを超えて、爽快な自然が呼吸する体に直に触れてくる。
(高橋正子)

10月11日~20日

2014-10-20 09:28:12 | Weblog

■10月ネット句会■
■入賞発表/2014年10月13日■
【高橋正子特選/8句】
★東へと帰る旅路は秋の夜
東へと向かっている、旅を終えての帰途の安堵感でしょうか。(祝恵子)
【入選/7句】
★鳥が飛ぶ秋の瀬戸内海岸線
大きな景の句です。鳥の目になってどこまでも続く瀬戸内の海岸線を空から気持ちよく俯瞰しました。 (内山富佐子)

10月19日
かけっこと大きな青空運動会★★★★
運動会保護者席からの大歓声★★★
チラ見する隣の弁当運動会★★★

10月20日
右腕にとまる秋の蚊そっと吹く★★★
雨宿り桜紅葉の下に立ち★★★★
秋時雨傘をさしかけることもなく★★★


10月1日~10日

2014-10-19 09:31:36 | Weblog

10月5日
稲架を組む都会の中の一枚田★★★
稲刈りの単調なれどよきリズム★★★

稲刈りの直後に藁の香り来る★★★★
稲を刈るまではそれほど藁の香りがしないが、稲を刈ると鋭いほど藁の匂いしてくる。紛々と香る藁の匂いはいいものだ。(高橋正子)

9月21日~30日

2014-09-30 22:26:17 | Weblog
9月29日
静寂の夜明けの街は秋の朝★★★
秋の朝雀の鳴き声だけ響く★★★
週初めの朝を秋風吹き抜ける★★★★

9月30日
蟋蟀の声もまばらに夜の駅★★★
コスモスや朝日に光る淡き色★★★
コスモスの揺れは大きく朝の風★★★★
コスモスを大きく揺らす風は、「朝の風」である。「朝の風」の透明感、爽やかさがコスモスの花の色、花姿の優しさをイメージづけている。たっぷりと吹く朝の風が心地よい。(高橋正子)


9月1~10日

2014-09-07 06:32:04 | Weblog
9月2日
軒下に雀の鳴き声秋の朝★★★
休暇明け朝の列車の賑やかさ★★★
秋の風潮の香りを運び来る★★★★

9月6日
降りてきてまた昇りゆく秋の蝶★★★★
蝶が降りてきて、また昇ってゆくことに、蝶の本質、
また蝶の幻想的な世界が見える。(花冠主宰 高橋正子)

はばたきもゆっくり空へ秋の蝶★★★
秋の蝶駅の待合に迷い来る★★★

8月21~31日

2014-08-23 08:31:17 | Weblog

8月22日
静けさの吉野の山に法師蝉★★★
初秋の吉野の道を一人歩く★★★
南朝の都跡地に秋日差す★★★★

8月29日
水平線の上は大きく高き空★★★★
絹雲の広がる空に鳥の群れ★★★
秋の日が照らす対岸駒ヶ岳★★★

8月11~20日

2014-08-22 23:36:32 | Weblog
8月17日

伏見から見渡す京と秋の山★★★
法師蝉聞きつつ歩く下り道★★★★
鳴く声の途切れることなし秋の蝉★★★

■8月ネット句会■
■入賞発表/2014年8月20日■
【銀賞】
★秋晴れて千本鳥居の中を行く/高橋秀之
伏見稲荷の千本鳥居だろうか。朱色の鳥居が千本立ち並ぶ。
朱の鳥居は大変シンプルな形で、秋晴れの青空と好対照である。
秋晴れにこそ潜りたい千本鳥居である。(花冠主宰 高橋正子)


8月1~10日

2014-08-05 20:05:09 | Weblog
8月4日

大皿に白く四角い冷奴★★★★
大人数に用意された冷奴。大皿の白く四角な冷奴が、
「白」「四角」のイメージで如何にも冷たく涼やかだ。
(花冠主宰 高橋正子)

雨上がりと同時に蝉の大合唱★★★
真っ青な南の空に雲の峰★★★

8月5日

夏の風雲と雲とが交差する★★★
夏風と木々のざわめきリズムよく★★★
南から北へと夏風船は航く★★★★

8月7日
大空は淡き水色今朝の秋★★★★
「今朝の秋」が実感をもって詠まれて、それがさわやかだ。
「大空」もいい。広々とした空が淡い朝の水色で詩情がある。
(花冠主宰 高橋正子)

今朝の秋窓から吹き込む風涼し★★★
秋に入る遠くの生駒がくっきりと★★★


8月8日
初秋の朝の晴れ間が夕に雨★★★
秋初め雲が真っ直ぐ流れ行く★★★★
立ち止まる秋の暑さの淀屋橋★★★


8月9日
台風に備えて船が出港す★★★★
台風が来ると、小舟は港に入るけれど、大型船は港の外へ出て碇を下ろす。
来つつある台風に備えて、何隻もの船があわただしく出港する。
台風前の港の活写。(花冠主宰 高橋正子)

台風の近づくニュース夜は更けて★★★
束の間の晴れ間の後に台風が★★★

7月21日~31日

2014-07-28 06:35:29 | Weblog
7月27日
一面の青田を真っ直ぐ行く列車★★★★
下五を名詞で止めると句のイメージがはっきりする。
一面の青田が広がる平野。その中を列車が、まっすぐ行く。
青田の清々しい風景が、旅心を誘う句。(高橋正子)

日の盛り旧型汽動車が唸る音★★★
百選の小さな駅舎に扇風機★★★


7月28日
列車降り出歩く街に夏の雨★★★
町おこしラリーの店で梅酒飲む★★★

夏の虹海岸線に大きな弧★★★★
虹は雨上がりの水滴に日光が当たって生まれ、この現象は夏に多く見られる。そのため、虹は夏の季語となっているので、「夏の虹」には、問題がある。


7月30日
夏の空昇る朝日は眩しくて★★★
拍子打つ神田明神夏の朝★★★★
男坂の階段登り汗拭う★★★

7月11日~20日

2014-07-13 12:21:14 | Weblog
7月12日

正午には夜明けの曇りが夏空に★★★
梅雨晴れの満月ひときわ明るくて★★★

早朝の池に蓮見の来訪者★★★★
早朝、作者はジョギングか散歩で蓮池を訪ねたのだろう。そのとき、蓮見の来訪者が意外と大勢いるのに驚いた。蓮は早朝に開花するので、この開花の時間を狙っての蓮見客。(高橋正子)

7月13日
◆7月ネット句会◆
★梅雨晴れて遠くに連なる白き雲

花冠4人句会(2014年7月17日、日吉本町・信之先生居にて)

 大阪の高橋秀之さんが休暇で関東に遊ばれるとのことで、その途上のひと時を高橋信之先生、高橋正子先生のお宅で寛がれました。私(小西宏)もご相伴にあずかり、日吉本町にお邪魔しました。
 信之先生は御自ら宇和島鯛のワイン蒸し、自家製ソースの生ハムサラダを、また正子先生は瀬戸内の蛸など魚介類をあしらったちらし寿司などでご歓待くださり、ワインも入って政治談議、子育て、女性論など大いに盛り上がりました。
 会食に並行して開かれた句会での作品を以下にご紹介いたします。選句、句評会においても喧々諤々、楽しく意義深い夕を過ごすことができました。
信之先生、正子先生、たいへんお世話になり、ご馳走さまでした。(小西 宏 記)

 森の陽を集め鬼百合の明るさ  信之
 子ら通う丘の学校百合咲かせ
 早咲きの夾竹桃が学校に
 くっきりと青嶺に書かる大文字 正子
 青嶺より硫黄の匂い流れ来る
 万緑を背にして浦賀の渡し船  秀之
 一面の植田が風に波を打ち
 地下鉄を降りて緑の涼しい街  宏
 日盛りに上へ上へと伸びて薔薇

俳誌花冠オフ句会・吟行 より 転記