俳句の部屋

俳句ブログ 花冠同人/高橋秀之

7月21日~31日

2014-07-28 06:35:29 | Weblog
7月27日
一面の青田を真っ直ぐ行く列車★★★★
下五を名詞で止めると句のイメージがはっきりする。
一面の青田が広がる平野。その中を列車が、まっすぐ行く。
青田の清々しい風景が、旅心を誘う句。(高橋正子)

日の盛り旧型汽動車が唸る音★★★
百選の小さな駅舎に扇風機★★★


7月28日
列車降り出歩く街に夏の雨★★★
町おこしラリーの店で梅酒飲む★★★

夏の虹海岸線に大きな弧★★★★
虹は雨上がりの水滴に日光が当たって生まれ、この現象は夏に多く見られる。そのため、虹は夏の季語となっているので、「夏の虹」には、問題がある。


7月30日
夏の空昇る朝日は眩しくて★★★
拍子打つ神田明神夏の朝★★★★
男坂の階段登り汗拭う★★★

7月11日~20日

2014-07-13 12:21:14 | Weblog
7月12日

正午には夜明けの曇りが夏空に★★★
梅雨晴れの満月ひときわ明るくて★★★

早朝の池に蓮見の来訪者★★★★
早朝、作者はジョギングか散歩で蓮池を訪ねたのだろう。そのとき、蓮見の来訪者が意外と大勢いるのに驚いた。蓮は早朝に開花するので、この開花の時間を狙っての蓮見客。(高橋正子)

7月13日
◆7月ネット句会◆
★梅雨晴れて遠くに連なる白き雲

花冠4人句会(2014年7月17日、日吉本町・信之先生居にて)

 大阪の高橋秀之さんが休暇で関東に遊ばれるとのことで、その途上のひと時を高橋信之先生、高橋正子先生のお宅で寛がれました。私(小西宏)もご相伴にあずかり、日吉本町にお邪魔しました。
 信之先生は御自ら宇和島鯛のワイン蒸し、自家製ソースの生ハムサラダを、また正子先生は瀬戸内の蛸など魚介類をあしらったちらし寿司などでご歓待くださり、ワインも入って政治談議、子育て、女性論など大いに盛り上がりました。
 会食に並行して開かれた句会での作品を以下にご紹介いたします。選句、句評会においても喧々諤々、楽しく意義深い夕を過ごすことができました。
信之先生、正子先生、たいへんお世話になり、ご馳走さまでした。(小西 宏 記)

 森の陽を集め鬼百合の明るさ  信之
 子ら通う丘の学校百合咲かせ
 早咲きの夾竹桃が学校に
 くっきりと青嶺に書かる大文字 正子
 青嶺より硫黄の匂い流れ来る
 万緑を背にして浦賀の渡し船  秀之
 一面の植田が風に波を打ち
 地下鉄を降りて緑の涼しい街  宏
 日盛りに上へ上へと伸びて薔薇

俳誌花冠オフ句会・吟行 より 転記

7月1日~10日

2014-07-02 21:32:25 | Weblog
7月1日
梅雨晴間昇る朝日はまん丸く★★★★
朝の陽に照らされ青葉がより青く★★★
始発から見る夏の日眩しくて★★★

7月3日
さりげなく少しの風を白扇子★★★★
扇ぐともなく扇ぐ扇子を使うしずかな振る舞い。
さっぱりとした白扇子が起こすほんの少しの風がさわやかだ。(高橋正子)

冷房の風あたる場所じっと立つ★★★
街灯の照らす白薔薇雨しずく★★★


7月5日
舞い降りてまた大空へ揚羽蝶★★★★
揚羽蝶は、「舞う」というのにふさわしい飛び方をする。
舞い降りてきて、また空へ飛び立つ。その空が「大空」なのがいい。
揚羽蝶が鮮明だ。(高橋正子)

朝顔の初めの一輪花開く★★★
食卓に大輪の百合ひとつ挿す★★★


7月8日
初蝉の不揃いの声響く朝★★★★
おぼつかなく、遠慮がちな鳴き方に、初蝉らしさがある。真夏には、蝉も一斉に鳴きそろって声をあげが、鳴きはじめは、あちこちから、試しに鳴いているようで不揃いなのだ。(高橋正子)

梅雨晴間薄雲の間に差す日差し★★★
冷蔵庫の中に積み上げ水羊羹★★★