序
和子俳句には、どこか洒落たところがあって明るい。派手なところがある句柄ではないのもいい。北海道の風土の中で育ち、大学の英文科で得たヨーロッパの教養がいい結果を生んだ。美しい句だ。
白梅の満ちて高きへ香をはなつ
風に鳴るなずな花咲く地の起伏
さよならの子らに満月みずいろに
北海道立余市高校時代
朝ぼらけの青き雪踏み通学す
和子さんは、家庭の主婦であって、その生活から優しくて美しい句が生まれる。
青紫蘇を水に放ちてより刻む
硝子戸を青一色にクローバー
主婦としての生活は、
障子貼る今日はそのこと念入りに
の句に、そのすべてを語ってくれる。日常に油断がなく、気負いもない。
子どもの世界を詠んだ句には、
花影に歓声あがる滑り台
縄跳びの子らに校庭長四角
信号を待つ間も春光子らにふる
自転車を置いて子ら寄る蝌蚪の池
があって、明るくてレベルが高い。長女真理さんの成人式では
晴れ着の子に冬天限りなく青き
と、未来があって明るい句を詠む。
学生時代からの信仰生活を詠んだ句では、
真っ白き一樹と出会うイースター
があって、和子俳句の代表句としたい。新鮮な驚きがある句で、下五の復活を意味するイースターが詩の言葉として生きいきとしている。どこか洒落たところがあって、読み手を惹きつける句である。
句集「花影」を世に送り出すことを嬉しく思い、多くの読者との出会いによって、また新しい命を吹き込まれるであろう。
平成二十年秋
高 橋 信 之
▼その他は、下記アドレスをクリックし、ご覧ください。
http://www.suien.org/0005/kusyu/hanakage.htm
▼読後感想などは、下記の<コメント>にお書きください。
和子俳句には、どこか洒落たところがあって明るい。派手なところがある句柄ではないのもいい。北海道の風土の中で育ち、大学の英文科で得たヨーロッパの教養がいい結果を生んだ。美しい句だ。
白梅の満ちて高きへ香をはなつ
風に鳴るなずな花咲く地の起伏
さよならの子らに満月みずいろに
北海道立余市高校時代
朝ぼらけの青き雪踏み通学す
和子さんは、家庭の主婦であって、その生活から優しくて美しい句が生まれる。
青紫蘇を水に放ちてより刻む
硝子戸を青一色にクローバー
主婦としての生活は、
障子貼る今日はそのこと念入りに
の句に、そのすべてを語ってくれる。日常に油断がなく、気負いもない。
子どもの世界を詠んだ句には、
花影に歓声あがる滑り台
縄跳びの子らに校庭長四角
信号を待つ間も春光子らにふる
自転車を置いて子ら寄る蝌蚪の池
があって、明るくてレベルが高い。長女真理さんの成人式では
晴れ着の子に冬天限りなく青き
と、未来があって明るい句を詠む。
学生時代からの信仰生活を詠んだ句では、
真っ白き一樹と出会うイースター
があって、和子俳句の代表句としたい。新鮮な驚きがある句で、下五の復活を意味するイースターが詩の言葉として生きいきとしている。どこか洒落たところがあって、読み手を惹きつける句である。
句集「花影」を世に送り出すことを嬉しく思い、多くの読者との出会いによって、また新しい命を吹き込まれるであろう。
平成二十年秋
高 橋 信 之
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http://www.suien.org/0005/kusyu/hanakage.htm
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