最近ではよくテレビで見かけるが、一度歌を聴いてみたいと思っていた。
お客さんの95パーセントが女性。おかげで男性トイレはとてもスムーズどころか寂しいくらいに広々としていた。
年齢層も高く、中高年が殆どである。俺が小僧に思えたくらいだ。
内容は2部構成でトイレ休憩15分ありの年配の方々にはとても配慮されていた(俺も最近トイレが近いので助かった)。
一部は彼のオリジナルを中心に生まれた頃の環境、文化、戦争の事 政治などの話を挟みながらの歌だった。
バンドの音はとても小さい。それだけに歌のダイナミックスがよくわかりある部分耳を澄まさないと聞こえないところもあって、まるでクラシックのホールで聞いているかの様な静寂である。
第二部はシャンソンを中心に、セットもお花畑のような、そしてまだ見ぬあの世のような色彩と照明の中、パリの風景などを
うまくコントラストしてシンプルながら、とても歌の世界観が伝わってきた内容だった。
圧巻はやはり最後の曲、エディットピアフの愛の讃歌だった。
彼曰く、いわゆる日本でおなじみの”あなた~の燃える手で私を抱きしめて~”の翻訳は全く違うらしい。
もっともっと大きな世界を描いた作品で、それを疑いもせず堂々とあの歌詞で歌われていることが当たり前になっていることに
とても憤りを感じているということだった。
あんなに力強い愛の讃歌を聞いたのは初めてだった。日本語ではなくフランス語で、とっても情感が伝わって来た。
やはりその国の言葉がその国の音楽を造るんだよな。
いい曲だな~なんて今更ながら関心した。
72歳の歌じゃないよね(笑)。決して時の人なんかではなく一貫して自分の音楽、自分の表現をし続けて来た人なんだなと感じた。そういえば俺が小学生の頃、まだ丸山明宏時代に彼の印象は”気持ちわるい”だった。今で言うビジュアル系のはしりだったらしいね。その頃は森進一のくちびるも幼心に気持ちわるかった(笑)。
もちろんピーターの”夜と朝の間に”の歌声も妙に低くて気持ち悪かった。
人はどこでいつ花開くかわからない。
若い頃にドッカ~ンという人もいれば歳を重ねて花を咲かせる人もいる。
人それぞれ目の前の道も違う。
何が成功で何が負けかは、自分が感じる価値であって人に言われ評価されるものではないよな。
歌い続ける事の難しさ 創り続ける事の難しさ 俺のような小僧でもよくわかる。
彼の歌に涙していた人も多かった。
その気持ち 俺にもよくわかる。
ステージの幕が開き 第一声が ”みなさんこんばんわ 江原啓之です” でした(笑)。
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