ラグビーの全国大学選手権最終日は9日、東京・国立競技場で決勝を行い、前回準優勝の早大が31-19で2連覇を目指した関東学院大を破り、2大会ぶりの優勝を果たした。12度目の大学日本一で、明大と並び史上最多タイ記録となった。
4大会連続で同一カード決勝となった一戦は、早大が前半3分にWTB内藤がトライを挙げるなど12-7とリードして折り返した。関東学院大は後半10分に一度は逆転。しかし早大は13分にSO安藤が勝ち越しトライを決め、その後突き放した。
早大は後半10分に逆転を許した。優位と言われたFW戦で思うように押し込めず、優勝候補の本命は初めて苦しい展開を迎えた。 しかしわずか3分後、連続攻撃から安藤が縦に抜け、トライを奪って勝ち越し。さらに4分後には自陣でのラインアウトの相手ボールを奪った内橋が約60メートルを独走してインゴールを駆け抜けた。勝負は決した。清宮監督は「あの時間帯で逆転されたのは初めて。そんな状況でも落ち着いて次の手を打てた。チームは成長した」と話した。
昨年9月、英国の名門オックスフォード大をノートライに封じて25-9で快勝し、今シーズンの幕は開けた。関東対抗戦では4年連続の全勝優勝。そして圧倒的な強さで勝ち上がってきた今大会で、初めて経験した接戦も見事な試合運びでものにした。諸岡主将は
「FWが思うようにいかなくても、バックスがしっかり点を取ってくれた。信頼できるメンバーがそろっている」と仲間をたたえた。 次の目標は2月の日本選手権。社会人トップリーグの強豪との対戦に向け、ロックの桑江は「ひと泡吹かせるだけじゃなく、勝ちたい。これから勝つための準備をやっていく」と言った。その目は本気だった。
2連覇を逃した関東学院大フィフティーンが、涙に暮れることはなかった。頂点に立つための力がまだ、今季は養われていないことを、肌で感じたからかもしれない。
昨季主力の大半が抜け、関東リーグ戦グループでは6連覇を逸した。この日の先発メンバーでも4年生は1人。チーム状態を考えると、春口監督が「決勝まで来られたことに満足し、ちょっと消極的になってしまった」と言うのは無理もない。
3トライを奪ったが、そのうち2つはキックのチャージとインターセプトが起点。果敢に仕掛けた攻撃からではない。ラインアウトで何度もボールを奪われるなど、試合運びにも粗さが残る。まだ、昨季のような強い関東学院大の姿ではない。
発展途上のチームで決勝に進んだ満足感とともに浮かんだ課題、つかんだ手応え。「大事なところでのミスが早稲田との差。(来季は)多くのメンバーが残るし、またこの舞台に立って優勝したい」。ゲームキャプテンを務めた3年生CTB有賀は、晴れ晴れとした表情さえ見せた。
戦前の予想通り、地力に勝る早稲田が関東学院の連覇を阻止、12度目の大学日本一を果たした。
4年連続の決勝対決。今日の結果からも来季またこの2校を中心に大学ラグビーが展開することは間違いなかろう。
そろそろこの2校と法政・同志社に続く勢力が力をつけてこないと大学ラグビーはつまらなくなる。関東学院以降初優勝校は出てこないし、その関東学院が8年連続で決勝進出では、自ずと対戦カードが限られてきているのは言うまでもなかろう。
日本代表が低迷する現在、大学ラグビーが果たすべき役割は人気の面でも、人材の供給の面でも大きい。各大学の指導レベルがもう少し均一に向上することが必要だろう。将来ある選手たちの19~22歳までの4年間は大きい。ここでいい指導を受け、大きく伸びることができれば、シニアのレベルも必然的にあがるはずだ。
まずは関東の大学はその枠組みを考え直すところにきているのではないだろうか。確かにラグビーの成り立ちにおいて、「対抗戦」思想は尊重すべきかもしれない。しかし、公式戦での試合数を増やすことはもちろん、高いレベルの対戦を増やすことこそが、この年代には重要なはずだ。
この際、過去のいきさつは棚上げにして、関東リーグ再編をぜひ実現して欲しいものだ。あ、関西方面のことは、実際に観られないんでノーコメントです(笑)
4大会連続で同一カード決勝となった一戦は、早大が前半3分にWTB内藤がトライを挙げるなど12-7とリードして折り返した。関東学院大は後半10分に一度は逆転。しかし早大は13分にSO安藤が勝ち越しトライを決め、その後突き放した。
早大は後半10分に逆転を許した。優位と言われたFW戦で思うように押し込めず、優勝候補の本命は初めて苦しい展開を迎えた。 しかしわずか3分後、連続攻撃から安藤が縦に抜け、トライを奪って勝ち越し。さらに4分後には自陣でのラインアウトの相手ボールを奪った内橋が約60メートルを独走してインゴールを駆け抜けた。勝負は決した。清宮監督は「あの時間帯で逆転されたのは初めて。そんな状況でも落ち着いて次の手を打てた。チームは成長した」と話した。
昨年9月、英国の名門オックスフォード大をノートライに封じて25-9で快勝し、今シーズンの幕は開けた。関東対抗戦では4年連続の全勝優勝。そして圧倒的な強さで勝ち上がってきた今大会で、初めて経験した接戦も見事な試合運びでものにした。諸岡主将は
「FWが思うようにいかなくても、バックスがしっかり点を取ってくれた。信頼できるメンバーがそろっている」と仲間をたたえた。 次の目標は2月の日本選手権。社会人トップリーグの強豪との対戦に向け、ロックの桑江は「ひと泡吹かせるだけじゃなく、勝ちたい。これから勝つための準備をやっていく」と言った。その目は本気だった。
2連覇を逃した関東学院大フィフティーンが、涙に暮れることはなかった。頂点に立つための力がまだ、今季は養われていないことを、肌で感じたからかもしれない。
昨季主力の大半が抜け、関東リーグ戦グループでは6連覇を逸した。この日の先発メンバーでも4年生は1人。チーム状態を考えると、春口監督が「決勝まで来られたことに満足し、ちょっと消極的になってしまった」と言うのは無理もない。
3トライを奪ったが、そのうち2つはキックのチャージとインターセプトが起点。果敢に仕掛けた攻撃からではない。ラインアウトで何度もボールを奪われるなど、試合運びにも粗さが残る。まだ、昨季のような強い関東学院大の姿ではない。
発展途上のチームで決勝に進んだ満足感とともに浮かんだ課題、つかんだ手応え。「大事なところでのミスが早稲田との差。(来季は)多くのメンバーが残るし、またこの舞台に立って優勝したい」。ゲームキャプテンを務めた3年生CTB有賀は、晴れ晴れとした表情さえ見せた。
戦前の予想通り、地力に勝る早稲田が関東学院の連覇を阻止、12度目の大学日本一を果たした。
4年連続の決勝対決。今日の結果からも来季またこの2校を中心に大学ラグビーが展開することは間違いなかろう。
そろそろこの2校と法政・同志社に続く勢力が力をつけてこないと大学ラグビーはつまらなくなる。関東学院以降初優勝校は出てこないし、その関東学院が8年連続で決勝進出では、自ずと対戦カードが限られてきているのは言うまでもなかろう。
日本代表が低迷する現在、大学ラグビーが果たすべき役割は人気の面でも、人材の供給の面でも大きい。各大学の指導レベルがもう少し均一に向上することが必要だろう。将来ある選手たちの19~22歳までの4年間は大きい。ここでいい指導を受け、大きく伸びることができれば、シニアのレベルも必然的にあがるはずだ。
まずは関東の大学はその枠組みを考え直すところにきているのではないだろうか。確かにラグビーの成り立ちにおいて、「対抗戦」思想は尊重すべきかもしれない。しかし、公式戦での試合数を増やすことはもちろん、高いレベルの対戦を増やすことこそが、この年代には重要なはずだ。
この際、過去のいきさつは棚上げにして、関東リーグ再編をぜひ実現して欲しいものだ。あ、関西方面のことは、実際に観られないんでノーコメントです(笑)