「石原慎太郎と黒川紀章」
■屈託のない少年たちの豪快と繊細
僕は少年時代を札幌で過ごしているので、隣町の小樽は馴染みの街だ。
交通の便もよく、通勤通学圏だから札幌圏と呼べる距離感なのだが、
海、運河、札幌軟石を多用した石造倉庫群に重厚瀟洒な舶来建築と、
栄華を極めた商都の名残も朽ちて、錆びたレトロ風情をかもし出し、札幌・
小樽のわずか30分の距離間も崖っぷちと海岸線のトンネルを抜ければ、
瞬時に . . . 本文を読む
「ホイッピング・フロイド」
WHIPPING FLOYD
たまたまポイントが溜まって、大好物のホイッピング・フロイド2007年モノをゲット。
実はここ2年、このスウェーデン産のカジュアルブランドが大のお気に入りなんであ
ります。と言うのも、ブランディングとマーチャンダイジングの好例、アバクロが世界
的大流行にしてくれた、そりゃ何てったってパリの老舗メゾンたちにまでに大影響を
与えた、わざわざな . . . 本文を読む
「392年目の3月3日」
自慢してもしょうがないが、僕は生粋の下戸。祖父譲りでグラス3分の一のビールで顔は真っ
赤、心臓はばくばく、わずか数分でもうろうとして眠気に襲われる。もちろんそれ以上飲め
ば急性アルコール中毒、もう気持ちが悪く倒れてしまう。事実、大学のジャズ研で新入生歓
迎会の席、そこは昔の大学、しかも都の西北と富士見坂の両校じゃバンカラが命だ、否が応
でも一気飲みの洗礼を受け、見事に . . . 本文を読む
「ロスト・イン・トランスレーション」
写真は仕事部屋からの景色
雲海のような明治神宮の森に浮かぶ渋谷NHKと三日月
■前編に続く後編■
【追伸】
2600年の歳月をかけて先人達が洗練させてきた人類史上類例のない文化のガラパゴス日本。
その真髄は、南北に細長く故に四季が際立ち、海と山が隣接し故に平地が乏しい、極東の島国
での稲作による農耕定住生活から始まる。その四季の変化と清流の恵みと海 . . . 本文を読む
「ロスト・イン・トランスレーション」
写真は仕事部屋のデスクからの景色。今こうしてタイプしているまさに僕の目線アイレベルだ。
見えるのはごらんの通り、森のトップと空のボトム。
過密な生の営みの熱が鬱蒼としたベタな灰色でおおわれた東京のど真ん中で森と空だけが
窓枠のフレームに切り取られた風景はマーク・ロスコのように上下しかない。
ボトムの森は明治神宮の杜。トップの空は東京渋谷区の空。
画 . . . 本文を読む
去る9月、20日(水)・21日(木)の両日、昨年の5月、LAから始まったマドンナのワールドツア
ー「コンフェッションズ」最終公演が東京ドームで行われた。マドンナ13年ぶりの来日公演だった。
実はここ半年、公私にわたり心身いたむ日々をすごした気分も運気も大爆発させたいと、密かに
画策していたのだったが、さる業界関係筋から、何とプレミアシート(いわゆるカブリツキ)が、22
日最終日の早朝舞い込んでき . . . 本文を読む
ハッピー・バスデー
今日はうれしいぃ~~~ハッピー♪バスデー♪
なんてったって、お湯が出るようになったぁ~~~
わけあって、この都心で2週間もお湯が出ない生活。
いくら、まだ夏の名残がある季節とはいえ、さすがに、ワンコも僕も冷たいシャワーで忍びない
生活を余儀なくされていた。
無類の風呂好きとしては、つらいきつい日々。
風呂好きといっても、熱い湯にがまんしなきゃならない銭湯はあまり好きではない . . . 本文を読む
おっ~と、あと5分で自宅に着く。それにしても近くなったものだ。ちょうど24時間か。
僕のHAYAIはHONDA製だが、その名の通りめちゃくちゃ早いよ。
家はTerra Hillsと呼ばれる小ぶりのクレーターを登った頂上の崖っぷちに建つコンパクトなロッジだ。
この小さな小屋のデザインがThe Praemium Imperiale 2028のグランプリ作品。
それが、教え子達のね。うれしいじゃない . . . 本文を読む
「ボーイズライフ」
小学館 1963年(昭和38年)創刊~1969年(昭和44年)廃刊
東京オリンピックの前夜1963年(昭和38年)当時、男の雑誌といえば
「こどもの漫画本」と「オヤジの週刊誌」しかなかった。
そんな時代にあって、この少年雑誌は2つの点で画期的な出版物だったと思う。
ひとつは大正11年(1922年)「小学5年生」「小学6年生」という学年別学習雑誌の
創刊から始ま . . . 本文を読む
第三話 「物より貢献」
秋篠宮妃紀子さま(39)は6日午前8時27分、入院先の総合母子保健センター
「愛育病院」(東京・南麻布)で帝王切開手術を受け、男のお子さまを出産された。
皇位継承順位は皇太子さま、秋篠宮さまに次いで第3位。男子の誕生は1965年
11月の秋篠宮さま以来41年ぶりとなる。
(以上、読売新聞電子版速報全文)
今日はまさに慶事。最高の「贈り物」が届いた2006年、9月6日 . . . 本文を読む
第二話 「グリコのおまけ」
贈り物は楽しい。と言うのも、贈る相手の贈る場所や時間を考えて喜んでくれるさまを妄想する
のがなにより楽しい。ところが相手を想いながらとはいえ、所詮贈る側の趣味趣向が反映して、
その実、自分好み、独りよがりになりがちだし、当然、はずすことだってあるわけで、それもまた
、贈り物の楽しさか。
どうやら、人からオカダさんには何を贈ったらよいのか難しいと誤解されているふし . . . 本文を読む
第一話 「花より風船」
昨年から今年にかけてのホリエモ騒動がついに経済事件となった日本。今日からその裁判も
始まり成り行きが注目される。規制緩和で欧米並みにハードルが低くなって上場が容易にな
った事、起業家と投資家の役割が明快になった事、外資が入りようやく自由競争時代の幕開
け、遅まきながらの世界基準か。これまで鎖国状態だった国内のオールドエコノミーも、世界
のニューエコノミーにも、日 . . . 本文を読む
ヴィム・ヴェンダース監督の映画「リスボン物語」(1995)。その最初の10分だけが好きだ。
フィルムが動きだすと画面は走り出す。フランクフルトからリスボンに到着するまでの車窓を、
ただただドラーバー目線で写し続ける。画面はフロントガラスのフレームとピラー、ドライバー
が操作するシフトやワイパーに計器類と手が、遠遠とガラス越しに移りゆく風景とともに続く。
夕日を背に浴び、フロントガラスをくぐり抜け . . . 本文を読む
夏の夜、涼を求めての風流といえば、花火、浴衣、団扇、風鈴、蚊取り線香、蚊帳、
それにお決まりは「怪談」だった。 しかも、そのピークは正にお盆のこの季節。
しかし、いつごろからなのか、その「怪談」も さっぱり なりを潜めて久しい。
もはや涼を求めた「怪談」風情も絶叫「ホラー」にとって代わり。
かく言う僕は、1981年の夏以来、怪談よりも怖い「悪女映画」が、寝苦しい熱帯夜の
この季節になるとムラムラ . . . 本文を読む
今時、GUCCI を知らない人はいないだろう。
しかし今や、そのGUCCI を日本に初めて紹介した人?を知る人は、また極めて少ないだろう。
そもそも、GUCCI はGGマークが示すとおり、グッチオ・グッチによって1922年、フィレンツェで、
馬のサドルを中心に革製による馬具類と鞄の店として開業された。
それは、彼がホテル勤務時代に垣間見た貴族たちの豪奢な馬趣味と旅が開業の同機だった。
たぶん . . . 本文を読む