住宅の屋根形状には、一般に切妻・寄棟・入母屋・方形・片流れ・陸屋根などがあります。
雨漏りに対しては寄棟タイプの屋根が最も良いのです。
軒の出のある寄棟タイプで下屋・バルコニーなどの付属物がなく、トップライトや煙突などのない屋根が最高です。
デザインがシンプル過ぎて面白くないかもしれません。
しかし、屋根からの雨漏りに関しては最高といえます。
方形(ほうぎょう)タイプも寄棟の棟のないタイプですか . . . 本文を読む
庇の確認事項の続きを記載します。
②庇部材の入隅コーナー部分の加工が適切にできているのか?
通常の庇部材では単に入隅部の鉄板を折り曲げただけの部材が多いのです。
入隅コーナー部はカットされたままです。
これではいざというときに雨水を呼び込みます。
一度雨水を呼び込みますと、そこが水の通り道になり、継続的に雨漏りします。
コーナー部分は一体に加工される必要があります。
要は水が滞留しても、漏れな . . . 本文を読む
窓や出入り口などの開口部の上部には通常、庇を取り付けます。
霧除け(きりよけ)と呼ぶ場合もあります。
意匠上、庇を取り付けない場合もありますが、小窓を除いて、出入り口や掃き出し窓・中連窓といった人が頭を出す開口部には、雨垂れを考えると本来は取り付けるべきものでしょう。
設計者は庇を好まないようですが、入居後に雨垂れによるクレームになる場合があります。
この庇もまた雨漏れの可能性の高い部位になり . . . 本文を読む
雨漏りを考慮した施工の順番は防水工事⇒サッシ取り付け工事が妥当です。
水の流れの、ルール通りの施工になります。
ここで問題点が発生します。
後付けサッシの場合は、サッシ下端のツバ部分から建物本体側に、サッシ取り付け用釘を打ち付けます。
防水工事の後から、その防水面に釘を打つことになります。
防水に穴を開けることになります。
これに対する解決法は、捨てシーリングをサッシのツバの裏部分にたっぷりと . . . 本文を読む
バルコニーの掃き出しサッシ下端からもよく雨漏りが起こります。
バルコニーで最も雨漏れしやすい箇所は掃き出しサッシの下端だと指摘する専門家も多いのです。
バルコニーが取り付くだけで、随分とチェック項目が増えてきます。
それだけ問題箇所ということになります。
通常、バルコニーの床は、建物の床よりも下がっている必要があります。
これが同じ面、あるいは逆にバルコニーの床の方が上がっている場合は、漏水 . . . 本文を読む
室内側からの換気レジスターの開閉は「住まいのしおり」などに記載してあります。
住宅メーカー側が建物引渡し時に建築主に手渡しする書類であり、説明もします。
建物の引渡しを受ける建築主は恐らく上の空でしょう。
ここはやはり、工事担当者・メンテナンス担当者による後日の落ちついたときの説明責任だと思います。
注意書きに書いてあるから、わかるだろうとはいかないようです。
この場合もいかなる条件であっても雨漏 . . . 本文を読む
切妻タイプの建物の場合に、小屋裏の換気のために、妻部分に換気口を設けます。
ここでは、換気口は妻換気のみならず、最近流行っている24時間換気の給気レジスターなど、住宅では通常に使われます。
現在では24時間換気を行なわなければなりません。
換気レジスターとして、丸や角タイプが設定されています。
外壁に穴を開けるわけですから、雨仕舞いの問題点になります。
この換気レジスターからの雨漏れがあります。 . . . 本文を読む
この種の雨漏れは残念ながら、過去から数多くの実績があります。
そして数多くの改良がなされてきました。
ガラリタイプのフィンを付けるわけですが、その向き・角度・組合せ・数・長さなどを工夫して、少しでも雨が入らないようにしています。
したがって、同じ住宅メーカーであっても、年代により妻換気口の仕様が微妙に違います。
数多くのマイナーチェンジがなされてきました。
その度に雨が入りにくくなり、雨漏り面にお . . . 本文を読む
切妻部分の換気口です。
切妻タイプの建物の場合に、小屋裏の換気のために、妻部分に換気口を設けます。
この妻換気口からの雨漏れがあります。
風が強く横なぐりの雨、あるいは下から上へ降る?(舞い上がるという意味です)雨の場合に問題が生じます。
ここで述べました下から上へ降る雨ということが雨漏れの場合は問題になります。
上から下へ降る通常の雨の場合はほとんど漏れません。
これで漏れたら問題です。
す . . . 本文を読む
優先順位として、1次防水としての、例え毛細管現象といえども水を侵入させないことが第1です。
第2は侵入してしまった水をできるだけ素早く排出してしまうことです。
しかし第2順位の水の排出は、第1順位の水を侵入させないこととは相反する要求になるため、特別の工夫が必要になります。
水を排出するには、排出口として穴をあけることが考えられます。
水の浸入を阻止するには穴を開けないかまたは開けてもできるだ . . . 本文を読む
アルミサッシ周りからの雨漏れ被害実例です。
かなり長期間にわたって、雨水は浸入していました。
アルミサッシ枠やドア枠を建物本体に取り付けるときに、サッシのツバ部分を本体木部壁に固定します。
その後に大工施工にて、幅50㎜位(本当は75㎜ならよい)の両面粘着タイプ防水テープをサッシ枠ツバに半分の25㎜、木部壁に残り半分25㎜にまたがらせて張ります。
上側の離型紙をそのままにしておき、アスファルト . . . 本文を読む
「住まいの雨仕舞い」書評②
『建築士』((社)日本建築士会連合会)2006.12
およそ、住まいの設計や施工で、「雨漏り」の現場経験のない人はほとんどいないのではないだろうか。
この問題は縄文の時代から今にも続く大命題(チョット大袈裟?)だ。
先ずは、漏っちゃあしょうがないのだ。
先輩達は、この対策にいろいろ手を尽くしノウハウを伝えてきたが、材料や技術が進歩した反面、単純なことが忘れられた。 . . . 本文を読む
『防水ジャーナル』((有)新樹社)2006.8
建築主の信頼を最も失うトラブルは、雨漏りである。
住宅に関する係争は医療訴訟に次いで多くなっており、その中でも漏水関連の事例が多い。
雨漏り箇所の特定は難しく、また完全な手直しも難しい。
本書では、ベテラン技術者が木造住宅の豊富なトラブル事例をもとに、雨漏れのしにくいデザイン、危険部位における雨の浸入対策など、雨漏りしない家づくりのノウハウを公開。 . . . 本文を読む
最近はこの釘穴を嫌い、スプレー式の接着剤で防水下葺き材を固定する場合も増えてまいりました。
屋根材料にも専用の固定釘を打ち付けて穴を開けることになりますが、アスファルトルーフィングのシール性によって、釘穴から直接雨漏れすることは少ないのです。
特に夏場を1回越しますとシール性はかなりのものになります。
このシール性能ですが、アスファルト系の防水下葺き材はよいのですが、外壁に使用されることの多い透湿 . . . 本文を読む
アスファルトルーフィングは屋根の防水下葺き材です。
アスファルトフェルトは外壁の防水下葺き材です。
問題はいずれの場合であっても固定の仕方です。
一般的にこれらの防水下葺き材はタッカー釘で固定します。
タッカー釘というのはホッチキスのような又釘をいい、打ち付けることで固定します。
その打ち付けるときに屋根職人は屋根の野地板に向かってアスファルトルーフィングを打ち付けますが、そのときの角度が野地 . . . 本文を読む