なぜ、相続では戸籍調査が必要なのか疑問に思う人もいます。相続関係は自分ではわかっているので、相続人が誰になるのかもわかっているから、 戸籍調査は必要ないのではないか、そう思う人もいるでしょう。
しかし、ご自分や親族の間では、相続関係がわかっていたとしても、 第三者から見ると、その相続関係が真実なのかどうかがわかりません。 そのため、第三者から見ても、相続関係を正確に知る方法が必要なのです。
第三者とは、たとえば、被相続人名義の口座のある銀行であったり、 被相続人名義の証券口座のある証券会社、 もし、被相続人名義の不動産があれば、その不動産を管轄する法務局のことです。
それらの第三者機関では、被相続人名義の口座を管理していますので、 被相続人に何ら関係の無い人に、その遺産を渡すわけにはいきません。 少なくとも、被相続人の相続人であることを証明できる人に渡すことになるわけです。
そこで必要なのが、第三者から見ても、相続人であることのわかる戸籍なのです。 つまり、相続の戸籍調査は、第三者機関に相続関係を証明するために必要というわけです。
逆に言えば、相続の戸籍調査をしていなければ、 第三者機関では正確な相続関係がわかりませんので、被相続人名義の口座や不動産を、 何もすることができない状態が続きます。
ただ、相続の戸籍調査は最低限必要な作業となり、被相続人の遺言書が無い限り、 その戸籍調査によって導き出された法定相続人のみんなが納得した上で、手続きが行われます。
納得してるかどうかの確認は、所定の書面への法定相続人の署名と実印が必須というわけです。