Baseball Journal in South Africa

野球と南アフリカとわたし、そしてあなたをつなぐ

「南の国から’06 ~おととい来やがれ~」

2000-04-20 | Special
“Departure”

東海岸沿いのEast Londonと迷いつつも、調べていく内に段々と盛り上がったケープ熱を抑えることが出来ずにバスのチケットを予約したのが2週間前。前から行く約束をしていた小野さんを誘うもすでにクルーガー(南ア最大のサファリ)行きを決めているらしく、一人旅決定。まあきっとまた行くことになるだろうし、「しっかり下見してきます」と誓っての出発になった。

バス停に着いたのが22時半くらい。さすがに休日前だけあって、夜中だというのにごった返す待合所。スリを警戒しながらちょこちょこと場所を変えてバスの到着を待つ。
が、ここで場内アナウンスがあって自分が乗る予定のケープ行きのバスが1時間遅れているとのこと。聞き間違いだと困るので一応確認をして、寒さをしのぐために中に移動、喫茶店でコーヒーをすすりながら時間を潰す。
15分後、何やら周りの客が動き出す。連られて外に出てみると、バスが来ている。

一時間後って言ったじゃん!!

ここは他にも4社のバスが東西南北入り乱れてくるので、アナウンスがあってもどこのバスなのか分からないし、会社が同じでも目的地が違ったりするので、いちいち確認しなきゃならないし、下手すると気付かぬうちに置いてけぼり、というケースも十分に有り得る。結局今回のバスもうちらを乗せて程なく出発したので、危ないところだった・・・。まずは、一時間後という情報を鵜呑みにせずに、コーヒーでくつろぎながらも鋭く周囲を観察していた自らの勝利。
幸先の良いスタートであった。

“GO, WEST”

2000-04-20 | Special
出発前にヨハネスの日本人の方から借りた鶴田真由、片瀬ナナの南ア紀行番組を見たので、彼女達の見た景色を後追いすることを予定に加える。こーゆーのを俗に、ミーハーと言います。
そんなことを考えながらひたすらバスに揺られる。南アに来て以来激しいペースで乗り続けている高速バスも、西側に行くのは今回が初めて。リクライニングを倒しながら真っ暗な大地と、ひろがる星空をしばし観察。ちょっとしたどきどき感もあり、変わることの無い景色でもI-podから流れてくる聞きなれた音楽でも眠気は誘えず、雑誌を読んだり読まなかったり。

朝が来るのは早かった。彼女たちの乗った世界一の豪華列車、ロボス・トレイル(写真中央。ちょっと小さくてみづらいですが。)との併走を楽しみつつ、目的地が近づいていることを感じる。

"Hello, Cape"

2000-04-20 | Special
例えば年に二回しか休みを取らない博物館が休みになるのが、クリスマスとこのGOOD FRIDAYということはもちろん予備知識に入っていなかった。
大型連休だし、旅行者もたくさんで賑わっているんだろうな、なんて予想の元に降り立ったまっ昼間のケープタウン。

人気の無いダウンタウン、
大きな旅行カバン、
日本人。

これはイカン!犯罪を呼び寄せているようなものだ、と気付くまでにそう時間はかからず、前後左右、執拗なまでの警戒心とともに急ぎ足で宿を探す。決して道に迷ったそぶりを見せずに、予備知識と勘を頼りに見知らぬ街をグングン進む。
しばらく歩いた後、一旦スーパーで休憩して再び地図を確認。宿のある通りまではもうすぐだ。

程なく、無事に目的地である”THE BACKPACK”を発見!
ほっと胸を撫で下ろす。

“OTOTOI - KIYAGARE!”

2000-04-20 | Special
あらかじめネットで予約を済ませてあったので、チェックインはスムーズに。
頼りがいのありそうなゴツいお兄さんに中を一通り案内してもらって、とりあえず荷物を整理。部屋は他の客と共同の、一番安いドミトリー型。同部屋の人間に軽く挨拶を済ませ、セキュリティーボックスに貴重品を預け、さて明日の喜望峰ツアーを予約しようと思ったのでしたが・・・

「明日の喜望峰ツアー行きたいんですけど?」
「オッケー。今確認するからちょっと待ってて。」

威勢よく受話器を取る従業員。

ウキウキしながら待つ自分。

トーンを落とし気味に受話器を置く従業員。

「明日は大きなマラソン大会があって道が封鎖されるので、喜望峰ツアーはすべてキャンセルです。」



えーーっ!!!!

ショック隠せず。天気がどうとか、希望があるとか無いとか、そんな心配が徒労に終わる、痛恨の「立ち入り禁止」。
「今日とか、明後日だったら平気だったんだけどねぇ。」
そんな自分に同情して他の色々なツアーを丁寧に薦めてくれる従業員たちの声も空しく響くのみ。
早くもこの旅のど真ん中のプランが型を無くしてしまい、軽く途方に暮れる。

「ちょっと考えてみます」と言葉を残し、とりあえず日が暮れる前に当初の予定通り周辺散策に出かけることにした。

“Contrast”

2000-04-20 | Special
ほのかに暖かい気温と、ちょっと冷たい浜風の絶妙なバランス。
コンクリートの建物の隙間から覗く、ケープ名物のテーブルマウンテン。
クリスチャンの教会とほぼ道を挟んだ反対側にあるムスリムのモスク。
歩くのが気持ち良い。

カフェやレストランを除いてはやっぱりほとんどの店が休みだったけれど、明日以降のことも考えて、地理感を身につけるためにLong Street からKloof Street の一帯を歩いて情報収集。

"Planning”

2000-04-20 | Special
一通りの散策を終えて、腹ごしらえのためにカフェに。この一帯はおしゃれなカフェがたくさんあって、どれにしようか迷う。いつかこんなところで暮らしてみたいなあ。
とりあえず手近にあったところを選んで、ちょっと遅い昼ごはんを食べながら変更を余儀なくされたプランの再考に入る。結論はすぐに出た。

そうだ、テーブルマウンテンに行こう。

ケープに来たならば行くべき場所の一つでありながら、今回は日程、金銭的にも外していた。喜望峰がダメとなったらここに行くしかない。どうやらロープウェイ乗り場までは徒歩でも行けるらしく、今日叶わなかったLong Streetでの買い物を午前中に、そして午後にテーブルマウンテン、という明日のコースが決まる。バンザイ!

“Walkin’ in the street”

2000-04-20 | Special
ケープタウンは思ったよりも小さい。小さいけれど、昨日のカフェ同様、スポットスポットに小洒落た雰囲気が点在していて、自然と足取りも軽くなる。
朝一番、シアトルコーヒーのアイスモカを片手に、古着屋とレコード屋がミックスされた店でサングラスを買う。
次の通りには何があるんだろう。
あの店、なんか面白そうだな。
自分の知らない世界を少しずつ塗りつぶしていくような感覚。
旅行における、財布の紐が緩くなるという特徴を逆に利用して、大好きなショッピングを楽しめた午前中だった。

“Favorite”

2000-04-20 | Special
おすすめはここ”BEAD CENTRE”。いわゆるビーズがたくさん売っているのだけれど、色から形(ゾウとか動物とかもたくさん)からおびただしい数が揃っており、しかもこのうえなく安い。アクセサリーなんか簡単に作れちゃいます。

一通りめぼしい所には目をつけて、ちょっと時間が余ったので近くのミュージアムへ。ただで入れてラッキー。
一旦、宿に戻って買ったものを整理。荷物を準備して、宿のお兄さんと道のりを確認。
さあいよいよテーブルマウンテンへ出発!!

“the Table Mountain”

2000-04-20 | Special
その名の通り頂上がまっ平なテーブルマウンテン。あえて午後の時間帯にしたのは、世界でも有数の美しさを誇るという夕焼けを見るため。
嬉しいことにこの日は天気が最高!!俗に「テーブルクロス」と言われてこの頂上には雲がかかることが多いのだけれど、今日はそんな気配すらなし。雨オトコ返上!

ショップでミネラルウォーターを買って、テクテクと歩き出す。 

"Heart-break hill"

2000-04-20 | Special
ちなみにテーブルクロスがかかった状態がこれ。上手いこと言った人もいるもんですね。

テクテクと・・・という表現が全く当てはまらない道のり。「イージー」を連発していた宿のお兄ちゃんの顔を思い浮かべながら、帰ったら絶対文句言ってやるって思いながらの道のりは、ほとんど登山。普通にジーパンで来ちまったし。

ちょっとずつ高度があがるに連れて、後方には海が見えてきた!
悠々と自分を追い抜いていく車たちにも決してめげずに、息を切らせながらも歩みを止めずにロープウェイ乗り場を目指す。

つづく

前のページをクリック