前回の続きです。
またちょっと話は飛びますが、帰国後にある人から質問を受けました。
「ドイツの北部は寒いでしょうね。
それに比べてミュンヘンなどの南部は温かいイメージがありますね。
スウェーデンのストックホルムはかなり緯度が高いので強烈な寒さでしょうね。」
一般的に北半球の北部は南部に比べて寒いのは当たり前ですが、
地域によって周辺の地形の影響を受けます。
例えば、日本でも緯度が高くても内陸部の夏の温度は上昇して沿岸部より高くなります。
同じように太平洋側と日本海側では緯度に関係なく温度差が出ます。
また、偏西風、海、山の影響は必ずあります。
温暖だと言われている九州も
北部は日本海側の山陰と似た気候もなります。
これは瀬戸内海と太平洋、東シナ海、日本海と
雑多な海流の影響を受けるので一概に温暖地とは言えない状況が生じます。
特に九州北部の内陸部は雪もよく降るし風も強い日が多いので
温暖地とは言えないと思います。
同じように、ドイツの北部はバルト海の影響をうけます。
バルト海は暖流のメキシコ海流が入ってくるので、
比較的温度が高い。
反面、ドイツ南部の都市はアルプスのふもとに位置します。
だからアルプスの吹きおろし風が吹き、
比較的寒いのです。
興味がある人はドイツの主要都市の緯度を調べて気象データを見てください。
ドイツでは南北温度差があまりなく、
逆に南部の方が温度の低い時期が見られると思います。
スウェーデンのストックホルムは北海道よりも北に位置し、
樺太より北になり、なんとカムチャッカ半島の北部に近くなります。
これだけ緯度が高くなればメチャクチャ寒いだろうと思いますが、
実際は東北地方と同じくらいで、
ストックホルムの冬は北海道中部以北よりよほど過ごしやすいです。
続きます。