ツメトギ野良猫バリリ

大学3年で自費出版!? どうする? やるよ!
冬まで猫まっしぐら!2010年9月17日本格始動でフルスロットル!

赤いマイナス

2011-02-14 05:17:06 | バリリうた
厚い雲が風を押しとどめた 駅の記憶
朝はまだ
私の背中を 押さない
縮んだ冬のレールは強く電車を揺らし
睡眠不足の私の思考を 遠く横転させる
人々は慌ただしい
同じ方向へと歩かない限り そう見えるようで
傘を持つ掌が赤く重く
雪は触れたとたんに消えてしまった

簡単に冷めてしまうコーヒー
結露隠したブラインド
ちらかった机の上で 完結するものなんて何もない
デジタルの体重計 ひたりと素足を揃えてスイッチを入れる
準備のととのった音とともに飛び降りれば
失われた重さが表示される
概念の私
失えるものなんて持っているのだろうか
赤い数字はすぐに消えて
私はひとり飛び出したかった

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『空が鳴っている』

体内天候

2011-01-22 06:35:42 | バリリうた

まぶたを持ち上げる
諦念をふちどったそのスピードで
黒い瞳が朝日に透ける
まつげが濡れた
乱反射
頬から首筋へと 流れる微熱の気流
肺の内側は澄み切って 吸い込む放射冷却
血管がきゅっと縮んで 色を濃くすれば
冬は空からハラハラと反転し敷き詰められる

寒さをくぐって 
ヒールの先がコンクリートにはじける
真っ白なマフラーに唇をあて 走りつづけたい
あー あー、本日は晴天なり




初めての作業だらけであたふたわやわやしております。はい。

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映画って大変w

水色の雛鳥

2011-01-09 04:42:49 | バリリうた
冷たく 音のない踏切が凍る夜
冬は行儀よくアスファルトの上に敷き詰められる
水色の雛鳥を起こすまいと
息をひそめて さしかかる横断歩道
歩くたび舞い上がる羽毛の中心は真っさらだ
先端だけがうっすらと色づき
白く湿った吐息に映える

真夜中 誰もいない道路の真ん中
水色の雛鳥は夢をみる
幼い寝息が舞い上がった羽毛を重力へと還せば
朝を待てると 私は思う


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私はやっぱり甘いねぇ。

気道と指/ロザリータ 

2010-12-20 01:20:01 | バリリうた
階段をくだるほど
月はぼやけて光をまいた
見上げて吐いた言葉は音に漏れず
ただ真っ白になって夜をにごす
一人、話すべき言葉を見つけるたびに
気道は狭く押し黙った
いつか悪ふざけで一気のみしたウィスキー
もう一度この食道を焼いて 詰まってくすぶる言葉を
手術のように摘出してくれないか と
どうか病巣になる前に と
あおる

言葉は私の不誠実を
まるで愛していると口ずさむように からから笑う
反響・増幅するその音声で味覚を失った舌
腐乱した自分の指を食べた
「手首が美しかったから
 その先は必要なかったの」

どうすればよかった?
そう叫びたかった けれど
本当はいろんな思慮をかけれたはずだ あの時もこの時も
そう思い当たると
うまく涙すら出てこれずに
月明かりから目をそらす
走る足がもつれても
私はこけて泣き出せる幼児ですらない
ならば 言葉を
胸の痛点をまっすぐ貫いて ひきぬいて
さしだそう
夜につややかだといい
朝へとつややかだといい
手の内で まだ生きようとする指の淵で


ロザリータ 



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