そのままでいいです

その日その時やったこと。
その時思った事。感じた事。
日記代わりにありのまま。です。

モテへの道

2010-05-25 21:39:19 | 日記

何年かぶりに月9ドラマを見ている。

木村拓哉のラブストーリーとあっては、見ないわけにはいかない。

私は彼が大好きだ。

正確に言うと彼の出るコテコテのラブストーリーが好きだ。

普通にMステにSMAPが出ますとか、テレフォンショッキングのゲストに出るとかスマスマを録画するとか、そういうものには興味はない。

木村拓哉個人ではなく、彼のキザな演技が好きなのだ。

「ちょ、待てよ!」

・・・名セリフじゃないか・・・(感動)

彼に待てよと言われて待たぬ女は女の風上にもおけん。

世間では「何を演じても木村拓哉は同じ」と言われてしまうが、だからいいんである。

彼は、王道なのだ。

王道とは、いつも変わらぬ安心感である。

カッコイイだけなら彼より上はたくさんいるだろう。

背が高いとか、若いとか。

が、私にとってはドラマの中の彼は心の琴線に触れるというか、心の奥の深いところで

「萌」

を感じざるを得ない。

しかも今回は特に良い。良いったら良い。

3話まで見たところ、こりゃまったく・・・

「ガラスの仮面」じゃないか。

少女マンガの王道。

ガラスの仮面には、王道が溢れている。

主人公はうだつのあがらない貧乏な少女であり、唯一の取り柄の演劇に出会い、幻の舞台「紅天女」を目指しつつ待ち受ける運命に翻弄されながら、少しづつ成長を遂げていく。

その中で出会う身分違いの恋、宿命のライバル、かけがえのない仲間達。

そして正体不明の謎の足長おじさん、紫のバラの人。

私が物心ついた頃より前から連載され・・・

そしてまだ完結していない。(涙)

少女が気になる要素満載のモンスター漫画。

拓哉ぽんはさながら速水真澄である。

ガラスの仮面の中では主人公のマヤとは犬猿の仲であり、大手芸能社の社長だ。

あの大都芸能の速水社長と言えば、泣く子も黙る仕事の鬼。

冷血漢、非情、趣味もスポーツも人脈も全部仕事に有利なものしか選ばない。

イケメンで金持ちで当然モテるが高嶺の花、野心にあふれ、だが心の奥底に大きな傷を持つ。

木村拓哉扮する葉月蓮介は、まったくもってソックリである。

他のキャストもガラスの仮面のキャストとだいぶカブる。

いいのかこれ。

そう思って見てる人たくさんいるだろうな。

ていうか私なんて月曜日になると「あぶねえ。今日はガラカメの日だったぜ。」と勝手に思っている。

しかし拓哉ぽんが相変わらずで嬉しい。

「おまえが欲しい。」

・・・言えねえ。

並の男にはよく知らない女にこんなこと言えませんぞ。

渡辺いっけいには常に厳しくても、だ。

サングラス、リムジン、オープンカー、VIPなパーティ。カリスマモデル・・・

この不況にあってとっても輝いてるよ。

夢のような世界だよ。

日本の首相が鳩山さんなだけあるよ。

少し強引で、女慣れしている風で、だけど一匹狼で寂しくて繊細。

女人のツボをこれでもかこれでもかと押してくれる木村拓哉。

イケメンとは顔かたちだけの問題ではない。

拓哉ぽんをもう一度よーく見てみよう。

まず顔がいい。(やっぱりか)

整ってりゃいいってだけならほかに掃いて捨てるほどいる。

木村拓哉の顔は、ものすごい絶妙なバランスだ。

パーツごとに見てみると、

眉毛はりりしく男性的。意志の強さを感じる。

目は優しく女性的なたれ目。母性本能を刺激する。

鼻は高く、しかしとがりすぎず、知的な中にも親しみやすさを感じる。

唇は厚め。情熱的で温かみを含んでいる。

次に体型。

背は高くない。肩幅も狭め、足だって別に長くない。

イケメンと言われる部類の顔立ちにおいて、この抜け感のある体型。

そんなギャップも魅力なのかも知れない。

この顔に阿部寛の体型だったらなんだかイヤミだ。

ポイントは表情や仕草だ。

彼も年齢を重ねてきた。よく見なくても頬はたるみはじめたし、ふっくらしてきた。

が、今は今で大人っぽいし、なのに笑うと未だ少年のよう。

一番いいのはキスシーンとかのとき。

相手の女性をこの上なく大事そうに見つめ、優しく、切なげだ。

私なんかはこんな表情が出せる俳優は日本人では他にまだ見たことない。

ここが何気に一番の重要どころではなかろうか。

きっと女性達がワンワンとかニャンニャンとかいう雑誌で「抱かれたい男」に彼を選ぶのは、彼がイケメンだからという理由の他に、何より

「大事に扱ってくれそう」

だからなんではないかと今思った。

まあ結局は、プライベートでの彼を知らないし、また冷静になるとなんとなく嫁に対し色々と納得がいかない点もふまえ、素が垣間見えるバラエティなどはやはりあまり見ないことにしている。

ちなみに「ママはテンパリスト」という育児エッセイ漫画で、

「男児は皆木村拓哉のような一面がある」

というようなくだりがあったが、これには完全同意だ。

私にとって身近な男児と言えば6歳の甥っ子である。

やつはしょっちゅう

「ママって・・・かわいいんだ」

とか

その他歯が浮くようなセリフをサラッと言う。

「男の子って・・・かあわいいわようぅうう~」

という母親の気持ちがよく分かる。

もう世界の三分の二はママで出来ているし、残りは戦隊モノのみだ。

ヤツを観察していると、

「シャキーン!」だの「ドワッシャ!」だの「とうりゃあああ!」だの一通りヒーローになったかと思えば、ママが迎えに来ると別人のようにベタベタの甘えっ子になる。

「ママママちゃんママちゃん

おばである私も、不覚にも萌えた覚えが何回かある。

ある時はフロ場で

「なつみさん・・・なつみさんって、ママよりおっぱいでかいよ」

テレビを見ていて通りすがりに

「なつみさんって・・・今日、いいにおいがする」

先日などは、学校から帰ってくるなり

「なつみさーん!なつみさーん!」

「なんだよ」

「ちょっとさ・・オレってさ・・・ケガしちまって」

「どこ」(ごく浅い引っ掻きキズ)

「葉っぱのやつめ・・・」

・・・キザだ。

甘えられて母性本能が刺激されるうえに強がるところがいじらしい。

ツバでもつけとけ言う私に絆創膏を、しかもキズパワーパッドを貼れという。

うちには農協の絆創膏しかないというとそれでいいと言うので貼ってやる。

すると、でた。男児に住まう木村拓哉が。

「サンキュ、な」

・・・世の男性方、女なんてなあ単純なもんです。

何気なく褒められたり、素直にお礼を言われたり、最愛の女性にはしつこいくらい愛情表現したり。

今日はちょっと、周りの女性を褒めてみませんか。

自分的にはドン引きなくらい、キザなこと言ってみませんか。

「あの人最近気持ち悪い」

なんて噂がたったらそりゃ周りの女が自意識過剰なだけですからご安心を。

私の予見だと、好感度あがるはずなんですけどね。

ちなみに、最近うちの娘3(8歳)が、

「浅間山のむこうには、なにがあるの?」

と聞いてきたので、

「知らないの?あの向こうはアメリカじゃん」

と答えると、

「・・・んなわけねーだろがいっっ」

低い声で言われました。

女は、生まれながらにして女であり、現実的である。

 

 

 

 

 

 

 


母の日の記憶

2010-05-09 01:10:13 | 日記

今日は出産の話をしようと思う。

というのは、よく夢に見るんである。

つい最近も生々しく見たばかりなので。

といっても夢の中では私は、出産はするんだが痛みを感じない。

生々しいというのは、夢なのに

「ああ・・・また一人増えておむつだミルクだとイチからやり直しか。」

「そもそも金がない」

「猫をこれ以上増やせない」

といった夢のないことを思っている自分である。

女というのはとかく出産を武勇伝のように語ってしまう。

そのくせ、その痛みがどのようなものであったか詳しく説明してみよ、と言われたらどうだろう。

「もうね・・・とにかく痛いのよ!」

「なんていうか波があって・・・こう・・・ワーーーッッと!!」

あげくに

「とにかく鼻からスイカを出すの!」

とか未経験者や男性にはまったく分からない説明しか言えない。

それはそうであろう。

たぶん、よく覚えていないのだ。

私がそうだ。

上の二人は双子で陣痛も知らぬまま帝王切開だったが、7年後に私はようやく通常の出産をすることになる。

体重を増やしすぎた点意外は順調に予定日を迎え、2日ほど過ぎたところで少量の破水があり、そのまま入院し陣痛を待つことになった。

色々と事情があって上の二人をダンナに託し、母に主に立会いを前もって頼んであった。

入院の手続きがちょうど昼すぎくらいであったか。

お腹の張りが一定間隔になったな、以外は特に痛みは感じず、

「今のうちに食べておいた方がいいよ」

と言われ、サンドイッチをモシャモシャ食べた。

サッカーのワールドカップの試合を見ながら、未知なる痛みにいささか緊張気味であった。

夕方4時くらいになって、なんとなく「痛み」と呼べるようなものが襲いだした。

痛みの質は違うのだが、

「朝に飲んだ牛乳が賞味期限切れてたんじゃないか、と疑い始める1時間目」

という感じである。

お腹につけている装置のモニターを見て、看護師さんが

「陣痛ついてきましたね。」

と言った。

ふうんこれが。

さっ、用意していたメタルを聴こうっと。

ズドドドドドド ドダダダダダダ バーラッ!バーラーッ!ダダダダダダ!!!!

胎教?なにそれ。

妊娠初期からデスメタルだけど。

いつの間にか私は眠ってしまったらしい。

と、強烈な鈍い痛みに目が覚める。

耳からイヤホンが外れ、爆音で聴いていた音がこぼれる。

うおっビックリした!痛い!

しかし、ちょっとしたら治まってしまった。

まだいけそうな気がする・・

次の休み時間でトイレに行ってみようと思う2時間目。

この時間になり、今日は出産ラッシュらしくたぶん5部屋くらいあるカーテンで仕切られた陣痛室に続々と産婦さんが入ってきた。

今までイヤホンしてたから気付かなかったけど、隣の部屋の人はかなり痛みが進んでいるようである。

ご主人と思われる人の声と、小さな女の子の声が聞こえる。

「ホラ、赤ちゃんも苦しいからね、頑張ろう。」

「ままー、がんばれー」

「ウン・・・イタ、イタ、イタ、あーー・・・・・」

・・・なんだか不安になってきた。本当にあんなに痛いのか。

「う”あ”あ”あ”ーーーーッッ!!!う”ぼえ”え”え”ーッッ!!!」

隣の隣から断末魔の叫び声。

こ、コワイ・・・。

CD止めてるのにデス声が聴こえる。

私もなんかだんだんせり上がる何かが襲ってきた。

それは、「痛み」というよりは「衝動」である。

出さねばならぬ。しかし今は出せない3時間目まっ最中。

ああなぜ2時間目休みに行っておかなかった。

「この時に呼吸法をやるのよ、ほら落ち着いて痛みを逃しましょう」

いわゆるヒッヒッフーである。

ちなみにこのヒッヒッフーというのはあくまでも一例で、陣痛の進行度によって

ヒッヒッフー・・・ウンだのヒーーフーーだのハッハッハッだの色んなバージョンがある。

ちなみに今はウンの部分で痛みを逃すらしい。

まったく意味がわからない。

「・・・ウン」くらいで逃せるとは全然思えない。

腹が痛いので出します、という理屈は覆される。

もちろん分かっていたことだが、この出したい衝動を、赤ん坊の頭が通れる10センチくらいまで、子宮口が開かなきゃなにがなんでも抑えなきゃいけない。

「せんせー!おなかが痛いのでトイレに行きたいです!」

と言ったら

「今は授業中です。休み時間にしなさい」

と言われたようなもの。

そのミッション、あなたにできますか。

それとも人間やめますか。

「で・・・今は何センチくらいでしょうか・・・」

とおずおず聞くと、ごそごそと内診をしてくれ、

「うーん、3センチ★」

ガーン!さ、さんせんち・・・。休み時間、はるか先。

この時点で夜7時。

うおっっキタキタキタ!!!ふーっふーっふぅーーどこまでやった、ふいーっうおおおおおおおうぐぐうヒヒヒヒふぇーーーーうおおおおお

というようにあれだけ練習した呼吸法が全くできないほど痛みがキツくなってきた。

と思うと、ウソのようにパッと消える。

その痛みが消える時間、私は寝ていた。

ガクッと眠りに落ちるのだ。

で、また

うおおおおおお

と目が覚める。

その間、なぜかずっとQUEENのBohemian Rhapsodyをリピートで聴いていた。

ママミアママミアー♪のところが定期的に最もツライ。

最後のドラが聴こえるとガクッとなる。

今にして思うが、あの曲は抑揚の感じとか変調とかまさに陣痛時に似ている。

「ママーー!!」と泣いて叫びたくなる。

夜9時、私のママがやってきた。

来るなり様子を見て、

「こりゃ夜中だな」

と言い放った。

こんなにボロボロなのに一刀両断。

このあたりから、私は意識が朦朧とし始める。

陣痛の間隔が短くなり、体の内部から得も言われぬ強い衝動が湧き上がる。

「まだ力入れちゃダメ!!逃して、逃して!呼吸法!」

逃すってなんすかソレ!ヒィーヒィーフオオオオオオオオオ!!

無意識に横の簡易物置のタオルかけを掴んで引っ張り、壊しそうになる。

ママミアママミア~♪

その後に訪れる僅かな休息は、完全に意識外。

で、またガバアと起きる。

とにかく10センチにならないうちに衝動にまかせていきんでしまったら、赤ん坊が窒息してしまう。

「今何センチですかああああ」

「ウン、8センチ★」

ちきしょおおおおおおお

というか恐ろしいことに、この時看護師さんの手が入ってたと思うんだけど全然感覚がなかった。

人体ってフシギ。

そろそろフレディ・マーキュリーの声も限界になってきた。

分娩室から、ドラマのように赤ん坊の泣き声が聞こえる。

別に感動しない。

いいなあ!いいなあ!終わっていいなああ!

羨ましさだけだ。

そろそろ人間やめるかも、と思い始めた4時間目、もとい午前2時。

「そろそろ分娩室に行きましょう」と看護師さん。

あなたは神様ですか?

「歩ける?」

歩くとも!サツキとメイのように歩きますよ、分娩室に行けるなら!

分娩室=休み時間

さっきから出すな出すな言われていたものを、やっと出せる時が来ましたよ、と。

幸い私はここからがすごく早く、たぶんいきんだのは5、6回くらいじゃなかったかと思う。

娘はへその緒が首に絡まって少し酸欠を起こし、生まれるなりすぐに小児科に行ってしまったため、泣き声も聞けなかったが、すぐに「元気になったから安心して」と連絡が入った。

そこで初めて私は、我にかえった。

ちょっとどうかと思うが、医師がちくちくと縫っているので、

「器用ですね・・・(ていうかいつ切ったんだろ)」

などと話しかけてみたりした。

今思い返してみるとすごく思うのは、出産の時には痛みを和らげようとするホルモン、安心感を感じるホルモンなど、女性の体の内部からはさながら麻薬のようなものが分泌されるというが、私の場合はそれをハッキリと感じることができた。

出産時の痛さを、どう表していいかわからない、よく覚えてないというのはまさにこのホルモンの成せる技。

自然の摂理、生き物の生理とは、本当によくできている。

当たり前だけど、当たり前ではない。

自分がそれをできたことに、静かに感謝するのみだ。

痛みが想像できず怖い。と思われている妊婦さん。

大丈夫。なんとかなります。

立ち会い出産をされる予定のご主人方。

奥様は非常にイライラしていたりあるいは罵声を浴びせられたりするかもしれませんが、すべてホルモンのせいです。必ずもとの優しい奥様に戻りますので、気を確かに持って下さい。

最後に、この日記を書くにあたり、

「出産 ホルモン」

でググっていたところ、

「マキシマムザホルモンのナオちゃん無事出産」

というニュースが一番先にヒットしました。

おめでとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


家族観察

2010-05-01 21:33:55 | 日記

こんばんは。

マジックカットがちゃんと切れたためしがありません。

「こちら側のどこからでも開きます」

と書いてあるのに、開きません。

私だけなんでしょうか?

そんな毎日です。

遅い春がやっとやってきて、世間はGW。

私なんかはしがないおもちゃ屋の店員なもんで、人が休んでいる時こそかき入れ時。

むろん連日出勤である。

前にも書いたと思うが、連休が続くともれなく田舎には帰省客がやってくるんである。

三世代の家族連れが非常に多い。

「都会じゃあ乗るとこねえだろう」

田舎の魅力を匂わせ三輪車を買ってやるジジババ。

「都会の狭いアパートじゃあ置くとこがねえだろう」

土地をアピールし大型遊具を買ってやるジジババ。

店の入り口でおもむろに

「ヨーシ!5000円づつだぞう!」

紀伊國屋文左衛門のように気前のいいジジババ。

初孫に目を細めてベビーカーやチャイルドシートを買ってやり、レジで10万も15万も出すジジババ。

景気がいい。

ジジババは誠に持って景気がいい。

普段はおもちゃ屋なんて用はねえが、娘が孫連れて帰ってくると。

娘婿にも用はねえが、孫は目に入れても痛くねえ。

あすこら辺にデカイおもちゃ屋があるから連れてって何でも買ってやろう。

オイばあさん、金おろしとけ。

・・・というような家族連れが店内にあふれ、一人か二人の子供に対しパパ、ママ、ジジババが連れ添ってレジに並ぶ。

私なんかはレジの込み具合で何個レジを開けるかコントロールしているのでよくわかるが、正月と夏休みとGWはレジで待っている人数と買う品物の数が違いすぎるので、むやみにレジは増やさない。

なにしろ家族全員でレジに来て、一個のおもちゃを買うというパターンが多いのだ。一見いっぱい並んでいるように見えても、会計が終わればごっそり空くのである。

この人件費削減の波の中、レジ要員も最低限。

何年も勤めていると、焦って呼んでいたずらにレジを増やしても係が到着する前に済んでしまい、結果的に店の奥の方で品出しをしているレジ応援の体力を消耗させるだけなのは見越すことができる。

人数よりも、品数を見る。

しかし、ここで

「ちょっとお義母さん困ります、払います!」

「いーのよ嫁子さん!たまになんだから」

などと金の押し付け合いが始まるとレジ停滞である。

「〇〇さん、〇〇さん、4番レジお願いします。」

たいていこういう時男共は後ろでニヤニヤ眺めている。

で、ババが嫁子を押しのけて

「おねえさんコレでね!ハイハイ!」

「7円あるわ、お父さん、2円ない!?」

レジ停滞としては迷惑だが、ヒトとしてはまあよい光景である。

なんだか微笑ましいじゃないか。

嫁姑関係が本当に上手くいってなければそもそも帰省すらもあやしくなるしな。

そして嫁子がやっと首がすわったかと思う赤ん坊の手を持って、

「オバアチャーンアリガトー」

腹話術をやると、もうジジババはイチコロである。

赤ん坊は終始無表情である。

孫のパワーは偉大だ。

なんでこんなに可愛いのかよと歌いたくなるのも致し方ない。

孫がいる間の数日、どうか楽しく過ごしてほしい。

そういえば何年か前のGWにあったことを思い出した。

最後の砦、5番レジを開けようと担当を店内放送で呼び出した。

もうこのレジ呼んだら売り場に誰もいませんよ。

ワタクシどもはギリギリで営業してます!

の証が5番レジだ。

レジにはなぜか波があり、並ぶ時はあっという間に長蛇の列になる。

この時も急にレジ付近が賑やかになり、私は焦った。

・・・くっ・・仕方ねえ・・・奥の手を出すか。

「クマガイさん、クマガイさん。5番レジお願いします。」

しかしクマガイがなかなか来ない。

レジはまだ封鎖されている。

後ろの方に並んでいるお客様達が、ちょっとムッとした表情になっている。

ヤバイ。

クマガイ早くしろ。

サービスカウンターの方に歩いていく人が見える。

おお、こんなタイミングで!返品か?行かなければ。

しかしレジをこれ以上混ませたらお客様のイライラ度はMAXであろう。

仕方ない。サービスカウンターは別の人に頼むとして、ちょっとだけ私が代わりにレジに入ろう。

クマガイ遅ぇ!5番レジを開ける。

一番長く待っていた人をレジに案内する。

・・と、店の中ほどからおじいちゃんがスタスタとやってきて列を無視して並んでしまった。

「大変申し訳ございません、先にお待ちの方から伺います。」

と謝ると

「・・・・・・」

「わしゃ・・わしゃクマガイだけんど!」

「呼ばれたから来ただ!」

!!!

ああ・・・なるほど・・クマガイ様なんですね・・・

その発想はなかった・・・

ていうか名前知りませんから・・・

明日も仕事がんばろう。