金の鐘
2008-11-02 | 無題
今日も日が暮れ・・・
大山方面が赤く染まる。
それぞれの1日があつまる 夕餉の支度をするのは
なんて幸せなことだろう。
たとえ今晩、世界の終わりがきても
家族のために夕食を作ろう。
白菜と海老の餃子。 大根と山葵菜とガーリックのサラダ。
どうだ!!
父は 今日 「金の鐘が 鳴った!」 と 言う。
職場に電話をかけさせるほど
自分の最期だと覚悟しなければならなかった辛い1日を過ぎ
24時間ぶりに
抱えられながら歩いてトイレへ行き 嘔吐しながらの用足し。
この行為が生きている証拠 と感じられるのか
ベッドに戻ると
「金の鐘が 鳴った!」 と 手をあげて宣言した。
右を下にしなければ横になれなかった苦しさも
今は座位をとっても感じられないほど症状はすすんだ。
5日が一の酉だと伝えると
(子どもや孫に)「小遣いもやれなくなった自分」に涙する。
いいや。
私たちはこうして 父母に育てられ
父が建てた家に泊まり 父が働いたお金で夕餉を囲んでいる。
父は 家族を飢えさせない。
食料で飢えさせないのではなく 家族のつながりを飢えさせない。
あまりに個性的な家族を 夕餉 という形で
結んでいくすべを私は父母から得た。
明日も「金の鐘」。