公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
http://www.bb.soma.or.jp/~psghjim1/

マッチング中間結果

2016年09月25日 | 日記
研修医の名取です。

9月23日はマッチング中間結果の発表でした。
マッチングというのは医学部学生の就職希望と病院の採用希望をすり合わせるシステムです。
当然、学生が落とされる場合も希望学生ゼロの病院もあるわけです。
お互い戦々恐々なのです。


今年のマッチング結果について以下の福島民報のサイトに載った記事を見ますと……。
https://www.minpo.jp/news/detail/2016092434869


ほほう…といった感じですね。
有難う!!と叫びたいところですが、これは中間発表なので、まだ!気持ちを引き締めないとなりません!

今年は87人の方が福島県内の病院を第一希望としてくれたようです。
87人の中には他県から来てくれる方も含まれてはいますが、福島県立医大の定員が130人なので一生懸命医師を養成して他県に搾取される構造となっています。
福島県民としては悲しい現実ですが、この数字は他の東北の県と比べるとダントツで良い数字なので実はとても健闘しているのです。
そして当院は他県から研修医を呼びこみこの数字に貢献してきた病院です。
健闘を続けていきたい所存です。
そして、10月の最終結果では毎年もう少し希望人数が増えるので、今年も増えることを期待したいところです。

ちなみに私がいた横浜では、学生さんが勝手に戻ってきてくれるから良いんだけどそれでも医師不足なんだよね、と何やらわけのわからないことを言っていましたが、実は間違いではありません。
横浜は東京のベッドタウンであるため人口が多く、人口10万人あたりの医師数は100人と全国平均の157人を大きく下回っています。
なるほど、横浜も大変なんですね、と言いつつ相双医療圏は人口10万人当たり医師数60人ともう本当に桁違いの医師不足ですけれどね、と言いたいところです。
というわけで救世主となる研修医を常に募集中です!



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ときにはBBQでも

2016年09月20日 | 日記
台風襲来で早めに帰宅した研修医名取です。

今週9月22日は希望順位登録締切の日です。
そして9月23日の14時からは中間公表です。
6年生の皆さんは気持ちが落ち着かないでしょうか。
私も登録が間違っていないかマッチングサイトに何度もログインし確認したものです。
ギリギリに登録を行うと間違えるので早めに確認してあとはもう触らないことです。
と言っても中間ですから、次が本番。
幸運を祈ります。
私たちの病院も選んで貰えれば本っ当に本望です…。

ところで先日、有志の先生方でBBQに丸森町に行ってきました。
丸森町の不動尊公園、晴天に恵まれ目の前に川が流れ景色が素晴らしいところでBBQにぴったりの場所でした。
企画してくれた先生は肉を漬けて持ってきてくれたり、他の先生はテントを張ってくれたりなかなか本格的なBBQでした。
私も慣れないおにぎりをにぎってみたり…。
たくさん写真を撮ったのですが、顔が映っていない写真は肉を焼く前の鉄板だけでした…なんとも残念。
皆さん忙しい毎日の中での参加でしたが良い気分転換になりました。
メリハリは大事です。

ところでこの丸森町、宮城県に位置しますが大きな病院がないためはるばる福島県の我々の病院まで来られる患者さんもいます。
住所を見ながらどんな町なのか一度行ってみたいと思っていました。
山奥の緑深い渓谷にある町で、とても景色の良い町でした。





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静寂の村

2016年09月19日 | 日記
福島心疾患治療談話会の発表で福島市に行ってきました研修医名取です。
突然のピンチヒッターだったのでなんとか無事に発表することができてほっとしています。
ブログは書けていませんがきちんと研修していますよ。

ところで間が空いてしまったのですが前回のホラー話を書いておこうと思います。
福島市から相馬市に帰るには国道115号線という国道を通ります。
山道で曲がりくねってはいますがしっかりとした国道で福島-相馬間の最短の交通路です。
そうなのですが、段々違う帰り道も知りたいなと思っていたところでした。
前回の郡山からの帰り道、ふと全村避難で有名な飯舘村を経由して、つまり福島と南相馬を結ぶ県道12号を経由して相馬市に帰ることをおもいつきました。
飯舘村は今も住民はいませんが立ち入りは可能ですし村の主要な道路は車が行きかっているためふつうは心配は要りません。
ところが飯舘村にかかったところでちょうど日が暮れてしまいました。
そしてカーナビは村の主要道路ではなく最短ルートである側道へ誘うよう指し示しています。

主要道路を進むべきか……脇道に入るべきか。
……脇道に入ったのが間違いでした。
少し進むと街灯が消え自分の車以外の光がなくなりました。
人っ子一人いない暗闇に沈んだ家々。
静寂の村を単独走行……。
濃い霧も出てきます。
ああ、昔こういうホラーゲームをやったなと思い出します。
そういう場合に限って闇の真ん中に道を遮るように物が落ちているものです。
……仕方なく車を停めます…。
ヘッドライトに照らされた物体はむくりと起き上がり暗闇に消えていきました。
あれはなんだったのか…。
そしてふとカーナビを見ると「クビカケ森」という文字。
「…首…掛け…森?」
選択を間違えた……と思いながら孤独の暗闇を走り抜けました。
人が住んでいた村をこんな静寂の村にしてしまったことは本当に罪深いことと思います。
この思いは今現在の福島県沿岸部を選ばないと得られない感覚です。


というわけで前回の郡山からの帰相は怖い思いをしながら帰ってきました。
しかし今回の福島からの帰りも懲りずにまた異なった道路を選んだところ、また恐怖を感じながら帰ってきました……。
次回のブログは深夜のどしゃぶり国道349号線です。
………嘘です。


今回もブログを読んでいただきありがとうございました。
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ACLS講習会に行ってきました

2016年09月04日 | 研修内容
ACLS講習会を受けに郡山に行ってきました、研修医名取です。
ACLSとはAdvanced Cardiovascular Life Supportの略です。
つまり心肺停止に陥った人に対し医療者が行う心肺蘇生法のことで、今まさに死に瀕している人を救うという正に医師になった醍醐味を味わうことのできる医療技術なのです。

このACLSというのはBLS(Basic Life Support)に上乗せされる技術でして、そのBLSの方は心臓マッサージやAEDによる電気ショックのことで誰でも行うことができます。
先日病院で心肺停止した方がいたのですが、突然の出来事のためすぐに除細動器を準備することができませんでした。
そのときにBLSを行い、廊下に設置してあったAEDを用いて自動解析で電気ショックをしました。
そうしたことによってその方は見事に息を吹き返して社会復帰されたのです。
その辺に何気なく設置されているAED、実はかなりすごい物です。
AEDは自動で心臓の状態を解析するため誰でも使えるので、倒れている方を見かけたら是非使ってくださいね。

ところで今回のACLSの方はBLSでは心拍再開できない人を対象とするため、医療行為が含まれ若干高度になっています。
これが色々な心肺停止のパターンがあってけっこう細かい……。
Purseless VTのときはDC同期しないけれど、VTは同期してDCするとか。
VTには通常アデノシンは効かないけれど、ACLSアルゴリズムでは一応試してみるとか。
これらをシミュレーションして、心臓マッサージ行ったり電気ショックをかけたり何度も何度も体を動かすことで体に刷り込みます。
一日中心臓マッサージしているのでかなり疲れます。
そんなことをしているとあら不思議、あんなに難しかったアルゴリズムが体に刷り込まれてきます。
細かいように見えてパターン化されているのですね。
ACLSを習得した際に教官から感想を求められ、「パターン化された機械のように動きました」という感想を述べましたが、なんとACLSとはそれで良いのだそうです。
パターン化することで救命率を上げるためのものなので、最初は機械的でも救命できれば良いのだそうです。
頭よりも身体!さすがアメリカ生まれの技術?
まあいつまでもそれではダメなので、勉強します。

前回のBLS講習会のときも感じたのですが、今回のACLS講習会も教官が本当に楽しく盛り上げてくれて教えてくださり本当に頭が下がります。
休日2日間も指導に費やしていただき本当にありがとうございました。


というわけで大都市郡山を堪能し、念願のACLSを習得してウキウキで相馬まで帰ってきたのですが………それが一変、帰路の道中まさかあんなホラーな体験をするとは思いませんでした………ですがそれはまた後日書くことにします…。



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