公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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新専門医制度について

2017年07月09日 | 日記
お久しぶりです、研修医の名取です。

研修が忙しくなかなかブログを書けずに悶々としていましたが、やっとログインできました。6年生の皆様はマッチング登録の季節ですね、くれぐれも忘れずに登録して下さいね!そして試験と面接でしょうか、なんとも就職活動は大変ですが頑張って下さい。
(当院も何卒ご贔屓に。)

ところで、研修医2年目の私の方にも就職活動の時期が巡ってまいりました。しかも先の見えない新専門医制度の情報を収集しながらの手探りの就職活動になります。ここで皆さんもきになる新専門医制度について少し解説しておきましょう。学生さんも患者さんも知っておいて損はない内容だと思います。

新米医師は研修医が終わると、消化器内科や皮膚科などそれぞれの専門に分かれて専門性を磨いていきます。研修医という身分ではなくなりますが専門の研修(研鑽)は終わりません。経験と試験によって専門性を証明された医師が各科の専門医です。日頃患者さんはかかりつけのお医者さんが専門医を持っているかどうかは気にしていないと思いますが、教育をきちんと受けているかどうかの証明ですので気にしてみても良いかも知れません。少数ですが専門医という証明を取らずに自己研鑽をしていく生き方もあります。

ところで新専門医制度は現行の専門医の質をさらに担保するために導入されるはずの制度でした……。ですがあまりにも質の高い専門性を担保するために研修可能な施設が大学病院(医局)一つしかないような県が現れました。そのような制度設計だったため、医師の偏在とキャリアの多様性のなさに反対にあい今年度2017年度の導入が見送られました。その後、300床以下の病院でも特例で基幹病院となれることや、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県では例年の平均程度に募集人数を抑える改変がなされ、現段階では来年度2018年4月から始まることが決まった……ような雰囲気……になっております。このようなフワフワした雰囲気の中、9月に就職先が開示され、大学病院(医局)以外にもいくつか就職先の病院が提示されると思います。そして慌ただしく10月から一次募集の試験が開始されるのではないかという予定になっています。落ちたら三次募集まではあるようなので私もどこかには引っかかってくれれば嬉しいのですが…。

そして晴れて専門医の基幹病院に就職した後の話になりますが、ここから学生さんの初期研修先の選択にも影響のある話ですが、例えば内科専門医を取得するための経験すべき160症例のうち、80症例は研修医時代の症例が使用できるそうです。中には大学病院のような大きな病院でしかお目にかからないような疾患もあるので、専門医の症例収集まで見越した初期研修先を考えるとなると大学病院レベルという考え方もありそうです。一方で、市中病院の方が病床のサイクルの速さも含めて患者数が多いので、市中病院の方が経験症例数が多いのかも知れません。

最後にちょっとお茶を濁した感じになりましたが、そこまで先を見据えて初期臨床研修病院を選ぶのはちょっと窮屈ですし、最初は初期研修に専念してもいいんじゃないかな~というのが私の感想です。

久しぶりにながながと読んでいただきありがとうございました。







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