My Favorite Things

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私のお気に入りです。

ロマンス (世田谷パブリックシアター)

2007年08月18日 23時23分00秒 | 観劇

井上ひさしさんが作られた、『桜の園』や『三人姉妹』で知られるチェーホフの評伝劇です。
演じるのは、大竹しのぶさん、松たか子さん、段田安則さん、生瀬勝久さん、井上芳雄さん、木場勝己さんの6人です。
チェーホフの芝居を演じる女優であり、妻となるオリガ・クニッペル他を大竹しのぶさん。
チェーホフの妹のマリヤ・チェーホワ他を松たか子さん。
少年期のチェーホフ他を、井上芳雄さん。
青年期のチェーホフ他を、生瀬勝久さん。
壮年期のチェーホフ他を、段田安則さん。
晩年のチェーホフ他を、木場勝己さんが演じられます。
基本的な登場人物は、チェーホフ、マリヤ、オリガの3人で、残りの様々な役を他のメンバーが入れ替わり立ち代わり演じています。
チェーホフの父親が強盗に襲われたシーンで、訪れた警官の1人を松さんが演じていたりして、目が離せません。
笑えるシーンが随所にあり、楽しめる舞台です。
後藤浩明さんのピアノ演奏とともに、歌が織り交ぜられながらストーリーは、進んで行きます。
松たか子さんは、歌も演技も良い感じですね。
チェーホフの妹ながら、常に兄を気遣いながらサポートする妹を好演しています。
大竹しのぶさんの歌は、私にはこんな歌い方をする方だったんだと言う驚きがありました。
段田安則さんは藪原検校のときの塙 保己一以来ですが、変わらず存在感がありますね。
先日のエレンディラでは中川晃教さんを、今回は井上芳雄さんと、11月の東宝ミュジーカル・MPZART!でヴォルフガング・モーツァルトを演じる2人を観る事ができました。
演目も役柄も異なるので比較と言う訳にはいきませんが、井上芳雄さんの歌声を聴いてみたいですね。
井上さん演じるイワンがマリヤにプロポーズをする際のコミカルなやり取りも、必見ですね。
リューマチを患っている老婆とチェーホフ、イワンの駆け引きも、次の動きが解っていても笑ってしまいます。
晩年のチェーホフとオリガがモスクワへ行くことでマリヤと意見を違わせている時のシーンで、チェーホフとオリガが床に寝転がり笑い声を響かせながら会話をしているのをみて、「こんなに楽しそうな姿を見た事がない」と呟くシーンがあります。
そこには、ともに生活をして来たとは言え、妹と妻との差が出ているのでしょうね。
私としては初の井上ひさしさんの作品、楽しめる3時間でした。

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