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人権擁護法案をめぐるうごき・その2

2005-03-29 06:52:43 | Weblog
 実際のところ、国籍条項なんてのはこの論議の本質ではないのであるが、本質はまたどこか別のところで議論することとして、日記で記しておくべきことは以下のことだ。

 この法律、自民党の古賀元幹事長が何としても今国会で成立させたいと思っている。党内の強い反対を承知でそうしようとしている。その理由は、おそらく、お膝元の福岡で6月に迫った福岡2区補欠選挙だろう。愛人との変態プレイを暴露されてしまった(それ自体はまあほんとうはどうでもいいのだが)ため前回の選挙で落選した党の重鎮山崎拓元幹事長が、敗北の相手であった古賀前代議士が実はペパーダイン大学を卒業していなかったというオチのために生まれた補欠選挙に再出馬する。

この選挙は負けられない選挙だし、相手民主党の失策で生まれた選挙だから楽勝かと思いきやそうでもないらしい。勝利を確実にしたい自民党としては、何としても協力が必要だ。公明党の票と、おそらく、総連の金である。

 この両団体は、人権擁護法案を全面的に推進している。法案の条文には、人権擁護委員の有資格者として、地方公共団体が人格高潔と認める個人あるいは認める団体が推薦する人物とうい規定がある。そもそも一国の法律に「人格が高潔」なんて文言が入っていることが異常なのだが、信教はもちろん国籍の規定もないから、運用によっては、学会の人間による他宗狩りや赤狩り、総連の人間による非チュチェ・チョッパリ狩りなどもできるわけである。

 ことほどさようにやばい法案でありながら、マスコミは、産経新聞を除いてほとんどこのことを報じてこなかった。皆さんが気づかなかったとすれば、ホリエモン狂騒の影に隠れてしまったせいである。古賀さんとしては、今国会で成立させなければ次の選挙までに間に合わないため、旨味がなくなる。狂騒は渡りに船だったはずである。

 ところが、先日の一件以来自民党との連携が強いことが察せられてしまったNHKが(もちろんこの表現は朝日の取材を正当化するものではない、念のため)、安部さんの反対論を紹介してしまった、ということは、古賀さんがやっていた報道の締め付けが何らかの理由で緩んだことを意味する。

 この巻き返しがどうなるか、今のところ詳しいところはわからない。個人的にはこれに反対だからこのまま法案が提出されないことを願うばかりだが、言論の自由みたいなものは砂が波にさらわれるようにじわりじわりと削られていくものである。注意されたい。


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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見っけてしまった・・・ (yas-igarashi)
2005-04-04 03:23:11
この問題はまだ見えてないので保留しています。

ただ、運用面での危惧でもって、この種の法律の存在意義が全否定される傾向はいかがなものかと。韓国やら中国の「ネチズン」の方々の噴きあがりもすごいものですが、ご存知の通り日本も相当なものです。さすがに正視できないようなヘイトスピーチ丸出しのサイトも相当多いですよ。欧米のネオナチサイトと比べてもあまりにも露骨かつ程度の低いそういったサイトを野放しにしておいては、まあ「文明国」とは見なされないでしょうな。

それを、「ネタが飽和した後のロマンチシズム」として静観していいものかどうか。とりあえず、ダメなものはダメと旧来左翼風に「ガンコに線引き」する必要は、まったくないのか。その辺はちょっと保留です。ただ確実にいえるのは、自分が在日でああいうサイト見せ付けられたら、どんな不便があっても意地でも帰化しませんね。これは、現在の東アジア情勢の中で相当なマイナス効果だと思います。
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