小部屋の覚え書きRO

ど根性軟弱ネットゲーマーさーくすのブログ。本家の小部屋から日記をこちらにしました。
本家は主に電子工作ネタで更新中

[ucom]VTPとVLAN範囲

2015-01-31 23:11:52 | 組み込み・マイコン

●Project-M No.014 VTPとVLAN範囲

今更感たっぷりだけれども
VTPとVLAN範囲の実験をしてみる
VTPとはVLAN Trunking Protocolの略で
Ciscoスイッチ間でVLANデータベースの情報を転送する仕組み
サーバーモードに設定したスイッチにVLANを追加すれば
自動的にクライアントモードに設定したスイッチにもVLANが追加される

以下の構成で実験

実験その1
SW-Aに2950-24、SW-Bに2950-24
それぞれVTPトランスペアレントモードに設定

以下のconfigを投入

SW-A 2950-24

vtp domain cisco
vtp mode transparent
!
vlan 800,900,1100
!
no span vlan 800,900,1100
!
interface FastEthernet0/1
  switchport access vlan 800
  switchport mode access
  spanning-tree portfast
!
interface FastEthernet0/2
  switchport access vlan 900
  switchport mode access
  spanning-tree portfast
!
interface FastEthernet0/3
  switchport access vlan 1100
  switchport mode access
  spanning-tree portfast
!
interface FastEthernet0/24
  switchport trunk allowed vlan 1,800,900,1100
  switchport mode trunk
!

SW-B 2950-24にも同じconfigを投入
fa0/24ポートをクロスケーブルで接続し
PCとIPSTをfa0/1-3まで接続を変えていき
それぞれping疎通を確認した

この時A、Bどちらかのスイッチから
VLANデータベースのVLANを削除すると
pingは不通となる

実験その2

実験その1の構成から
SW-BのVLAN 800,900,1100を削除し
VTP mode clientに設定
SW-AのVLAN 800,900,1100を削除し
VTP mode serverに設定

まずPCとIPSTをそれぞれのfa0/1に接続し
連続pingを実行
SW-AにVLAN 800がないので最初はping不通となる
この時SW-A,Bそれぞれのfa0/1ポートのリンクLEDは橙色になっている
SW-AにVLAN 800を追加するとリンクLEDが緑色になり
しばらくするとpingが通るようになった

SW-Bのvtp status

L2SW-2#show vtp status
Load for five secs: 2%/0%; one minute: 1%; five minutes: 1%
Time source is NTP, *09:41:40.231 JST Mon Mar 1 1993

VTP Version                     : 2
Configuration Revision          : 1
Maximum VLANs supported locally : 128
Number of existing VLANs        : 6
VTP Operating Mode              : Client
VTP Domain Name                 : cisco
VTP Pruning Mode                : Disabled
VTP V2 Mode                     : Disabled
VTP Traps Generation            : Disabled
MD5 digest                      : 0x7F 0xD1 0xF0 0x15 0x5B 0x49 0xE5 0xFC
Configuration last modified by 10.0.0.10 at 3-1-93 00:39:45
L2SW-2#

この時のSW-BにはVLAN 800が登録されてはいるが、
NVRAM(running config)上にVLAN 800は無い

次にPCとIPSTをそれぞれのfa0/2に接続変更し
連続pingを実行
同じくSW-AにVLAN 900がないので最初はping不通となる
SW-AにVLAN 900を追加するとしばらくしてpingが通るようになった

次にPCとIPSTをそれぞれのfa0/3に接続変更し
連続pingを実行
同じくSW-AにVLAN 1100がないので最初はping不通となる
SW-AにVLAN 1100を追加しようとしても以下の通り
エラーメッセージが表示されてpingは不通のままであった

L2SW-1(config)#vlan 1100
L2SW-1(config-vlan)#end
% Failed to create VLANs 1100 VLAN(s) not available in Port Manager.
%Failed to commit extended VLAN(s) changes.
 
L2SW-1#
*Mar 1 09:46:23 JST: %SW_VLAN-4-EXT_VLAN_CREATE_FAIL: Failed to create VLANs 1100: extended VLAN(s) not allowed in current VTP mode
*Mar 1 09:46:23 JST: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
L2SW-1#

VTP mode serverに対して拡張範囲VLAN(1006~4094)は登録出来ないらしい
またVLAN 1006以上が登録されている状態では
VTP mode serverに変更することが出来ない

実験その3

SW-Aを2950T-24に、SW-Bを2950T-24にして同様に実験
それぞれVTPトランスペアレントモードに設定

実験その1とほぼ同じconfigを投入し
trunk接続をGigabitEthernet0/1にした

結果は実験その1と同じ

実験その4

実験その3の構成から、実験その2と同様に実験

結果は実験その2と同じ

実験結果まとめ
・標準VLAN範囲は1~1005
・拡張VLAN範囲は1006~4094
・VTP mode serverには拡張VLANは作成出来ない
・VTP mode clientのrunning config上にVLANは記録されない
・VTPで転送可能なVLAN数はモデルによって異なる
・拡張VLANが登録されているとVTP mode serverに移行出来ない
・VTP serverにVLANを登録してから、実際に通信が出来るようになるまで
 15秒~60秒程度かかる

おまけ

VLAN変換

ある端末のVLANを見かけ上変更せずに
ネットワーク上のVLANを変更する方法

SW-BのアクセスVLAN 900に
アクセスVLAN 800を設定したSW-Cを接続する
IPSTから見るとVLAN 800のまま
SW-AのVLAN 900のPCと通信が出来る

この時SW-B,CでCDPが動作していると
Native VLAN mismatchが発生する

参考書籍
・最新ルーティング&スイッチングハンドブック第2版
・CiscoIOSコマンド辞典