原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

「櫻井=橋本」&「事例研究」

2010-06-25 | 行政法的内容
短答・論文問わず、この2冊を完璧にすれば新司法試験の合格水準は確保できる、と私は思います。

「事例研究」、私は2回ほど回しました。第1部と第2部は、全問答案作成をしました。行政法は、様々な事案・個別法に触れていくことが重要な科目ですから、これに勝る対策本はないと思います。教科書で抽象的にしか理解していなかった部分を理解できる、大変優れた本です。いわゆる仕組み解釈のトレーニングとしても最適です。

「櫻井=橋本」は、受験期間中は読まなかったのですが(原田先生の本を読んでいた)、今回の【スタ短特訓】のために新たに購入し、通読しました。評判の良い、受験生の間ではスタンダードになりつつある本でしたので。評判に違わず、良い基本書だと思います。コンパクトに、しかしながら、必要な部分は漏らさず記述してある。読みやすいのもいいですね。講義で指摘した「代執行法2条の解釈」(175頁)など、一部クセのある(≒一般的な立場と異なる)記述もないことはないのですが、試験上は問題にならないでしょう。これから基本書を決める方、現在の基本書がしっくり来ない方にはオススメの一冊です。

「櫻井=橋本」だけで大丈夫か、薄いのではないか?

と思う方もいるかと思うのですが、きちんと理解すればこれで足りると思われます。この「きちんと」というのが難しいのですが。厚い基本書に手を出して、全体的に中途半端な理解に終わってしまった、というのが一番いけない。厚い基本書に手を出すのは、薄い基本書がしっかりとマスターできてからです。順序を逆にしてしまうといけません。

「櫻井=橋本」に「プラスα」するのであれば(厚い基本書として補充用に使うのであれば)、宇賀先生の4冊(行政法概説Ⅰ~Ⅲ+地方自治法概説)でしょうか。この4冊は、何か調べたい時に手元にあると便利です。宇賀先生の4冊に登場しない情報であれば、試験的にはばっさり切ってしまって良い部分だと思います(そういう意味では、会社法の江頭先生の本のような位置づけ)。

さて、もうすぐ「絶対に負けられない闘い」が始まる…。ま、引き分けでもいいんですけどね(笑)静岡出身でありながら野球好きの私も、さすがに今日は気になります。

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